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KAJIMAダイジェスト

メモリアルイヤー2018

「明治150年」——今年は明治元年,1868年から満150年にあたり,関連行事が各地で数多く催され,近代国家の礎を築いた歴史や,育まれた文化・技術を振り返る機会となった。

当社は明治を遡ること28年,1840(天保11)年に創業し,明治維新前から「洋館の鹿島」として名をはせた後,鉄道請負業へと転身。明治期に整備された鉄道路線はその多くを当社が施工し,わが国の鉄道インフラ整備に深く関わっていった。

「鉄道の鹿島」が今に息づくかのように,奇しくも今年は青函トンネルが開通30周年を迎えた。ほかにも2018年は,記憶に残る大規模建造物の周年記念が相次ぐメモリアルイヤーとなった。

写真:1909(明治42)年に完成した鹿児島線矢嶽トンネル。「鉄道の鹿島」として新しい国づくりに貢献してきた姿の一端

1909(明治42)年に完成した鹿児島線矢嶽トンネル。「鉄道の鹿島」として新しい国づくりに貢献してきた姿の一端

写真:3月,本社ビルと赤坂別館ビルで開催し,全国支店および技術研究所で巡回するパネル展。「明治150年記念 あなたの隣の明治の鹿島」(編集:総務部本社資料センター)の内容を再構成したパンフレットが,10月に完成。本誌10月号と同時に社内外に配布された

3月,本社ビルと赤坂別館ビルで開催し,全国支店および技術研究所で巡回するパネル展。「明治150年記念 あなたの隣の明治の鹿島」(編集:総務部本社資料センター)の内容を再構成したパンフレットが,10月に完成。本誌10月号と同時に社内外に配布された

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記念碑を築きつづけて

1968年,わが国の超高層時代の幕開けとなった霞が関ビルディング(通称霞が関ビル)が竣工し,今年50年を迎えた。本誌4月号特集では「超高層50年」と題し,霞が関ビルの建設の経過と半世紀にわたる超高層建築の歩みをたどった。

当社は同ビルを皮切りに世界貿易センタービルディング,京王プラザホテル,新宿三井ビルディングなどを次々と建設し,「超高層の鹿島」と称されるようになる。今や大都市は超高層ビルなくして語ることはできない。柔構造から制震構造へ発展した耐震技術,積み上げられた施工技術などの系譜を振り返ると,社会を動かす技術開発を志す進取の精神の重要性に気づかされる。

写真:霞が関ビルディング建設工事および竣工当時の風景と現在(東京都港区)

写真:霞が関ビルディング建設工事および竣工当時の風景と現在(東京都港区)

写真:霞が関ビルディング建設工事および竣工当時の風景と現在(東京都港区)

霞が関ビルディング建設工事および竣工当時の風景と現在(東京都港区)

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昨年末にオープンし,今年工事が完了した東京駅丸の内駅前広場。車と歩行者エリアを明確に切り離して配された中央広場は,皇居方面へ続く行幸通りの格式高い雰囲気との一体感に配慮した植栽や照明が立ち並ぶ。首都・東京の顔であり玄関口であるこの場所は,多くの観光客などでつねに賑わい,まるで以前から広場があったかのように周囲の風景と調和している。

次の100年を見据え,復原完成した赤レンガの丸の内駅舎とともに人々を包み込む場となるだろう。

写真:東京駅丸の内駅前広場(東京都千代田区)

東京駅丸の内駅前広場(東京都千代田区)

時代を象徴する“記念碑”を築きつづける当社の歩みを振り返りながら,社会の変化を新たな挑戦の機会と捉え,来たる年を迎えたい。

写真:7月に改修工事が完了した鹿島精一記念展望台(岩手県盛岡市)

7月に改修工事が完了した鹿島精一記念展望台(岩手県盛岡市)。
10月には,平成30年度盛岡市都市景観賞の受賞が決定した。創業180年を間近に控え,当社の歴史が刻まれた地・盛岡に装い新たなシンボルが浮かび上がる

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column 今年相次いだ,周年記念プロジェクトの数々

本州と北海道を結ぶ「夢のトンネル」と謳われた青函トンネルが開通したのは今から30年前の1988年のこと。当時は世界最長の鉄道トンネルを誇り,苦難を極めた工事を経ての完成はまさに「鉄道の鹿島」の先進性を象徴する出来事だった。当初から新幹線規格で建設されていた軌道に2016年から北海道新幹線が走行。新たな動脈となっている。

瀬戸内海を跨ぐ本州四国連絡橋,児島・坂出ルートは,瀬戸内海の島々を3つの吊橋と2つの斜張橋,トラス橋で結ぶ全長37kmのルートを総称して「瀬戸大橋」と呼んでいるが,このルートの全線開通も1988年。なかでも当社施工の吊橋,南備讃瀬戸大橋は中央支間1,100mにおよぶ。

その瀬戸大橋完成の2年前,同じく本州四国連絡橋の一つである兵庫県の明石海峡大橋が着工。12年の歳月を経て1998年,中央支間1,991mの優美な長大吊り橋が完成した。当社は高さ約283mの神戸側主塔を支える海中基礎を建設。直径が80m・高さ70mの円筒形をした主塔基礎は霞が関ビルディングとほぼ同じ容積という巨大なケーソンを始め,技術の粋を集めてつくられた。瀬戸大橋は道路鉄道併用橋として,明石海峡大橋は吊り橋として,共に現在まで世界最長を誇る。

各地で催しが執り行われ,周年記念を祝った。

写真:青函トンネル開通30周年

青函トンネル開通30周年

写真:瀬戸大橋開通30周年(写真は南備讃瀬戸大橋)

瀬戸大橋開通30周年(写真は南備讃瀬戸大橋)

写真:明石海峡大橋開通20周年

明石海峡大橋開通20周年

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