鹿島児童館 七村由美子
朝,保育室の窓越しに9時の開門を待つお揃いの制服を着た館児たちが,「鹿島児童館」と書かれた表札の前に集まって来るのが見えます。そして,大きな館舎の扉を開けると元気な子供達の笑顔が広い玄関ホールに溢れます。毎朝の児童館の風景。
鹿島児童館は1959(昭和34)年に,東京都豊島区の椎名町社宅(現 鹿島テラハウス南長崎)に設立され,現館舎は5代目になります。渥美伊都子館長のもと「のびのび保育」を実践する日本で唯一の企業内幼稚園として60年間,1,300余人の子供たちを育んできましたが,来年その役目を終え閉館することとなりました。
10月21日には,環境本部と技術研究所の協力を得て「親子ワークショップ」を当館で開催しました。大勢の参加者と緑地整備で枝打ちされた小枝や葉っぱを使った樹名板や巣箱作りを体験し,親子が種々の工具を駆使して作っている様子は,子供たちが自然や緑と親しみ,生き物や環境に関心を持つきっかけづくりとなったことでしょう。
その日作られた樹名板には「かじまじどうかん」の文字が刻まれ,館舎の廻りの樹木に飾られます。幼稚園としての館舎は来年にはその役目を終え,玄関にある表札も違う表記になります。鹿島テラハウス南長崎にお越しの際は,樹木の樹名板を探してみてください。社員の親子が作った「かじまじどうかん」の文字が見つかることでしょう。