再来年に迫る東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて，再開発の動きが加速するなか，首都圏各地で大きなプロジェクトが完成，進行中である。

都心の渋滞緩和や防災機能の強化，観光交流の促進などを図るインフラ整備の一環として，当初計画から半世紀を経て6月，待望の開通となったのは東京外かく環状道路（外環道）の千葉県区間。延長約12kmのルートのうち，当社は8つの工区の施工を手がけた。沿線の住宅地への環境配慮などのため，ほとんどの高速道路部は地下，国道部は地上，その両側に緑の豊かな環境施設帯を設けた半地下（掘割スリット）構造となっており，技術の創意と工夫が随所に注ぎ込まれた。

東京外かく環状道路千葉県区間（外環千葉）の市川中・国分工区（千葉県）

駅周辺で大規模な再開発が進み，街が目まぐるしく変化する，東京・渋谷。そのJR渋谷駅で，改良工事の一環として埼京上り線の線路切換工事が行われたのは5月のこと。約45時間をかけて極限の緊張感のなか実施された工事の様子を，本誌8月号第2特集では迫力満点に伝えている。

渋谷駅埼京上り線の線路切換工事のハイライト。終電後に長さ30m，重量120ｔの新設桁が線路を跨いだ（東京都渋谷区）

また，江戸の香りを残す日本橋・室町地区でも大規模な再開発が進む。日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業A地区新築工事は，1フロアの専有部が4,000m²を超えるハイグレードな大型プロジェクトであり，来年3月の竣工に向けて現在ラストスパート中だ。同エリアの日本橋川を挟んだ反対側に位置する日本橋髙島屋三井ビルディングの低層部は，9月，日本橋髙島屋S.C.新館としてオープンした。百貨店を核とした都市型ショッピングセンターの新たな誕生は話題となった。