ホーム > KAJIMAダイジェスト > July 2019:特集 付加価値を創造する鹿島のエンジニアリング

特集 付加価値を創造する鹿島のエンジニアリング

医薬品,化粧品,物流など,幅広い分野における生産・物流施設をフィールドに展開される
鹿島の総合的な「エンジニアリング力」。時流に合わせ変化する産業界のニーズに応え,
総合建設業ならではのプロジェクトマネジメントと技術開発力で最適なソリューションを提供している。
今月は,各地で躍進を続ける当社エンジニアリング事業本部の取組みを特集する。

大鵬薬品工業 北島工場 固形剤棟 見学者通路

大鵬薬品工業 北島工場 固形剤棟 見学者通路

Message

建築・設備・システムを一体に考え
施設全体で最適解を導き出す

専務執行役員
エンジニアリング事業本部長
丸亀秀弥

写真:丸亀秀弥

1996年に設立した当社エンジニアリング本部(現エンジニアリング事業本部)は,以来23年間,多くの企業とともにあるべき生産施設の姿を考え,高い製品品質と生産性を実現する生産施設を創造してきました。

特に大量生産から多品種少量生産への流れが加速する現代では,自動化・省力化技術やAI・IoTなどのIT活用による飛躍的な生産性の向上が大きなテーマとなっています。また一方で,製品の安全性確保や環境負荷低減,労働者の作業環境改善や作業負荷低減などへの対応もますます重要性が高まっています。当社はこれらの課題に対して,建築設備,生産・物流設備,生産ユーティリティなどの幅広い観点から,最適な製造システムやユーティリティシステムを実現しています。その対象は,従来から取り組んでいる医薬品,化粧品,食品,化学といった分野のみならず,現在では,製造や搬送の自動化を求める製造業全般や運輸,小売り,アグリバイオなど幅広い分野へと拡大してきています。

建築と一体で構築

「鹿島のエンジニアリング」の特徴は,建築と設備,生産・物流システムの一体的な検討によって,施設全体として最適解を提供する点にあります。生産システムの構築においては,多種多様な製品の製造工程を理解したうえで,人・ものの動きが最も効率的となる施設・設備レイアウトの計画が重要です。こうした,製造工程における生産・物流設備の具体的な運用方法については,お客様とともに検討を重ねていきます。そうすることで,自動化設備の効果的な採用,製造・物流データの収集と活用方法の計画,さらに具体的な機器仕様への落とし込みへと展開でき,高い生産性を実現しています。

建築と設備,生産・物流システムの一体的な構築には,施設建設と立上げの短期間化というメリットもあります。製品のマーケット投入をできるだけスピーディに行いたいお客様に高い評価をいただいています。

また当社では,高機能生産施設の運用管理(O&M)事業への取組みも進めています。実際の運用と製造現場で発生する多様な課題をより深く理解することで,課題に対する改善策を検討し,施設計画にフィードバックすることをめざしています。

製造技術の進歩に対応

お客様の製造技術も日々進歩を遂げています。一例を挙げますと,医薬品の製造方法においては,従来の化学合成による低分子医薬品から,細胞培養によるバイオ医薬品へのシフトが進んでいます。さらにその製造方法も,現在の動物細胞による培養から,より安価で安全な植物細胞による培養をめざす動きもあります。最先端の製造技術を学び,その導入において施設や設備に必要とされる技術を研究開発し,提案していくことが当社の付加価値です。

海外市場への展開

これまで国内を中心に実績を積み重ねてきた当社のエンジニアリング事業は,現在,アジアを中心とした海外市場への展開を進めています。その一環として昨年1月には,シンガポールに本社をもつエンジニアリング会社International Facility Engineeringを買収しました。これによって,東南アジアエリアでの高機能生産施設案件の実施体制の強化を進め,国内で培ったエンジニアリング力と当社のグローバルな建築施工体制との相乗効果で,海外エンジニアリング事業の拡大につなげていく方針です。

ContentsJuly 2019

ホーム > KAJIMAダイジェスト > July 2019:特集 付加価値を創造する鹿島のエンジニアリング

ページの先頭へ