プラスチック問題への取組み
建設業では建設資材や梱包材などにプラスチックが多く使われます。鹿島では廃プラスチック類の最終処分量を削減するため、発生抑制や分別排出に取り組んでいます。ヘルメットや作業服といった消耗品も、組織的に回収することでリサイクルを進めています。
ヘルメットのリサイクル
工事現場で使用するヘルメットは、安全上の理由から定期的な交換が必要です。鹿島は、これらのヘルメットのリサイクルに2004年から取り組んでいます。
鹿島グループである大興物産が販売したヘルメットを、不要になった時点で「下取り」として回収します。大興物産が日本ヘルメット工業会リサイクルセンターの会員となることで、現場から活用しやすい仕組みになりました。
鹿島の現場から回収されたヘルメットは、日本ヘルメット工業会があご紐などの異物を除去したのちに破砕され、セメント原燃料として再利用されています。
回収・リサイクルされるヘルメットは年間約3,000個、廃プラスチックとして埋立て処分された場合に比べて約3,090kg-CO2、削減できている計算になります。
作業服のリサイクル
鹿島の社員が着用している作業服は、耐久性などの観点からポリエステルと綿の混紡素材を採用しています。鹿島では作業服に関してもヘルメット同様、リサイクルしています。
(公社)環境生活文化機構が広域認定制度を活用して構築した仕組みで、鹿島は2010年から参加しています。
現場や管理部門から回収された作業服は、指定再生工場を通じて自動車内装材や屋根下防水材に再⽣されます。
現在は年間約6,500着がリサイクルされています。
2014年度にはこれらの実績が評価され、ゼネコンとして初めて、環境生活文化機構から「平成27年度循環型社会形成推進功労者表彰」を受賞しました。
生分解性プラスチックを用いたサンゴ礁復元
鹿島が長年技術開発に取り組んでいるサンゴ礁の研究に、大日本プラスチックス株式会社と鹿島が共同開発した生分解性プラスチックコーラルネットⓇを利用しています。
コーラルネットⓇ基盤の裏側に自然着生したサンゴは、岩盤などに移設して1年以内で活着します。生分解性プラスチックの基盤は、6~7年後には自然分解しサンゴだけが残る仕組みです。
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ペットボトルキャップの寄付
鹿島は、2009年からペットボトルのキャップの寄付とリサイクルに取り組んでいます。赤坂の本社ビル群、技術研究所、支店、現場では、ペットボトルを廃棄する際の分別を徹底し、収集したキャップを寄付しています。
ワクチンプログラムへの寄付をきっかけに始まった活動ですが、キャップとラベルを分別してゴミ箱に入れる習慣が根付きました。
キャップの貯⾦箱ネットワークのご協⼒により、⽀店や現場から直接送付しても、それぞれの実績が本社事務局で把握できるようになっています。
全国からのキャップリサイクル実績は、年間で約300㎏(概算129,000個)にもなり、焼却処分した場合に比べて約945kg-CO2の削減につながりました。