水資源
自社事業において
鹿島では自社事業における代表的な水リスクを「周辺環境の水質汚染」「渇水」「洪水」と捉えています。これらのリスクに適切に対応するため、地域の水質環境保全を重要課題と位置付けるとともに、水使用量の削減に取り組みます。具体的には、以下の取組の推進により、事業を実施する地域の水資源の保全に貢献しています。
自社オフィス、開発物件
自社オフィス、自社開発物件の新築・リニューアル時に節水型機器/中水設備/雨水浸透設備の導入を必ず検討しています。国内10か所の自社オフィスでは、施設ごとの水使用量を把握・分析し、節水型機器/中水設備/雨水浸透設備の導入などを進め、節水型機器は6か所、中水設備は4か所、雨水浸透設備は4か所にて採用しています。同様に、国内45か所の自社開発物件では、節水型機器は33か所、中水設備は18か所、雨水浸透設備は11か所にて採用しています。
建築設計
建築設計事業では、水資源に配慮した設計を実施しています。以下の項目については、設計時に必須検討項目としています。
- 節水型機器/中水設備/雨水浸透設備
- ハザードマップによる浸水深確認などの洪水リスク対応
施工
建設業では、原則として工事場所を選り好みできません。水の物理的リスクが高い場所で施設建設が求められた場合、建設現場ごとに工事着手前にハザードマップ等を活用し地域の水リスク(取水や排水の量や水質に係る制限、水害の危険性等)を確認し、適切な水害対策、水管理計画を立案したうえで施工を行っています。この水管理計画では、水の循環利用をはじめ、取水量・排水量の縮減に努めるとともに、特に排水の水質管理を重要視しています。必要に応じ水に関する地域のステークホルダーとの協議を実施し、法で定める管理基準以上の自主管理基準を設けた現場での日常管理に加え、支店・本社による現場パトロールで水質管理状況を確認し、地域水資源の汚濁防止を徹底しています。
水質管理の結果(法規制の不適合等)については、「目標と実績」の「自然再興」の項に開示しています。
水ストレス地域における事業活動
水資源のひっ迫度の高い水ストレス地域では、企業の事業活動に伴って発生する水資源の枯渇による地域社会への影響が大きくなります。そのため、主要な事業活動拠点(建設現場、自社オフィス、自社開発物件)について、World Resource Institute(世界資源研究所)の「Aqueduct Water Risk Atlas」を使用して、拠点の位置する地域の水ストレスを確認しました(表-1)。
表-1 Aqueduct Water Risk Atlasによる主要事業活動拠点の水ストレス
| 事業 | 国内/ 海外 |
調査 拠点数 |
水ストレス | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 低 |
2 低~中 |
3 中~高 |
4 高 |
5 極高 |
|||
| 建設事業 (土木) |
国内 | 62 | 8 | 28 | 26 | 0 | 0 |
| 海外 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | |
| 建設事業 (建築) |
国内 | 65 | 5 | 31 | 29 | 0 | 0 |
| 海外 | 70 | 12 | 13 | 16 | 22 | 7 | |
| 開発事業 | 国内 | 38 | 2 | 11 | 25 | 0 | 0 |
| 海外 | 23 | 6 | 2 | 4 | 9 | 2 | |
| オフィス | 国内 | 8 | 0 | 5 | 3 | 0 | 0 |
| 海外 | 4 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | |
(1)国内での事業活動
国内拠点を調査した結果、水ストレスが4以上(高い)の地域に位置する拠点はありませんでした。
(2)海外での事業活動
海外拠点を調査した結果、水ストレスが4以上(高い)の地域に位置する拠点は40か所ありました。それら全ての拠点において、各国の法規制に基づいて適切に水管理を実施しています。
目標と実績
環境データに上水使用量と下水排出量を記載しています。
※建設現場で必要となる水の量は、建設物の種類や規模、工法等により大きく異なります。毎年新たな工事を受注する建設業の特性から、全社の水使用量削減目標を設定してはいませんが、各現場において無駄の削減に努めることで水資源の保全に取り組んでいます。
顧客の課題解決に向けて
気候パターンの変動や人口増加等により水資源の保全が顧客にとって重要な課題となっています。特に日本では、浄水場や下水処理場などの生活インフラにおいて老朽化や耐震性の問題による更新の必要性が高まっていることを受け、民間資金を活用した社会資本整備手法(PFI)や、官と民が責任をもって分担しあう公民連携(PPP)が注目されています。
鹿島では、「燕市・弥彦村統合浄水場(新潟県)」や「見附市青木浄水場(新潟県)」など、多くのPFI事業において技術と事業の両面からサポートしています。
外部団体との協働
グループ会社の鹿島リゾート株式会社は八ヶ岳西山麓蓼科高原の130万坪の事業地において、別荘地開発、ゴルフ場、テニスコート及びロッジ等のリゾート事業を展開しています。その一環として、茅野市と共同で水道事業を運営し、10年ごとに給水人口・給水量を協議、合意の上で水利用計画を策定しています。
