脱炭素
建設物のライフサイクルCO2排出は、建材製造時CO2が中心のサプライチェーン上流排出、施工時CO2が中心の自社排出、建物運用時CO2が中心のサプライチェーン下流排出があります。
施工時CO2(スコープ1、2)はライフサイクル全体の3%程度ですが、建設会社として直接的な責任があるため施工現場を中心に主体的な削減活動を実施します。
ライフサイクルCO2排出の多くを占めるのはサプライチェーン排出(スコープ3)です。この削減は鹿島グループだけでは難しく、建材メーカーや発注者などの関係他社との協働が必要となります。
鹿島グループのサプライチェーンCO2排出の概要
- スコープ1・2(施工時)排出量は、全排出量に対して3%程度
- スコープ1・2は、施工現場を中心に主体的な削減活動を実施
- スコープ3(建材製造時と建物運用時)排出量の削減には、関係他社との協働が必要
自社排出削減の取組み
KPIと目標
2050年度のカーボンニュートラルに向けて、2030年度および2026年度の削減目標を設定しました。建物/構造物の長寿命化や建物の省エネ改修など、SCOPE1・2・3に含まれないソリューション提供によるCO2排出の「削減貢献量」について、2026年度までに定量化と開示を目指します。
ロードマップ
電力と燃料の脱炭素化
2030年に電力グリーン化100%
電力会社から再生エネ電力を購入
- ⇒ 外部電源の電力証書の使用
- ⇒ 将来的には自社電源の証書を利用
- ⇒ 自社電源の自己託送による直接使用
国内自社使用電力を賄う
再生エネルギー電源への投資
2030年に、国内必要電力量以上の再エネ電力電源の確保を目指し、投資を継続
2030年にバイオ燃料転換率65%※2
【動力用燃料】
バイオ燃料を混合した軽油を使用
- ⇒ 順次混合率をアップ
- ⇒ 将来的に合成燃料/水素燃料を使用
社内炭素価格制度を導入
【熱利用燃料】
A重油は排出係数の低いLNGへの転換やバイオ燃料の混焼を計画
- ⇒ 将来的に水素燃料を使用
サプライチェーン排出削減の取組み
スコープ3(サプライチェーン排出)削減は関係他社との協働が必要となり、実行には時間がかかります。そのため、まずは自社努力が可能な範囲に注力することとし、「低炭素建材の開発/使用」、「ZEBの拡大」を削減の取組み対象に定めました。
サプライチェーン排出におけるCO2排出量
ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)
鹿島は、2025年度に受注する設計業務のうちZEBが占める割合を50%以上、2030年度以降に新築する建物はZEB/ZEH水準を実現することを目標に掲げ、技術開発や自社施設を用いた実証を進めています。
2023年度ZEB受注実績割合
(延べ面積ランク別のZEB受注割合等)
省エネ適合性判定 | ZEB建築物 | ZEB建築物比率 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
建物規模 | 件数 | 床面積 | 件数 | 床面積 | 件数比 | 床面積比 |
300m2以下 | 0 | 0m2 | 0 | 0m2 | 0% | 0% |
300m2以上2,000m2未満 | 11 | 14,751m2 | 2 | 6,483m2 | 18% | 44% |
2,000m2以上10,000m2未満 | 12 | 75,464m2 | 7 | 47,572m2 | 58% | 63% |
10,000m2以上 | 24 | 1,134,726m2 | 12 | 306,214m2 | 50% | 27% |
合計 | 47 | 1,224,941m2 | 21 | 360,269m2 | 45% | 29% |