ホーム > サステナビリティ > 環境 > 自然再興

自然再興

建設事業/開発事業は、自社事業(建設工事)に伴い現地の自然環境を大きく改変する産業であり、サプライチェーンにおいても、大量に使う建設資材の素材採掘場所や解体材処分地の環境改変に間接的に関与しているため、自然再興への取組みは重要となります。

鹿島では「自然共生」に基づいて希少種保全などの生物多様性保全活動などを中心に実施してきましたが、今後は「自然再興(ネイチャーポジティブ:生物多様性の損失を止め、反転させる)」の観点を目標に取り入れました。

鹿島の自然再興とは

①環境への悪影響をゼロにする(ネガティブ低減の取組みの実施)

  • 現場での有害物の適正処理/水管理の徹底

②環境(生物多様性ほか)を復活/再生する(ポジティブ増加の取組みの実施)

  • 顧客/社会へのNbS提供(環境認証/外部表彰の取得、など)
  • 自社所有地での自然再興(社有林の自然共生サイトの登録、など)

※NbS: Nature-based Solutions(自然の機能を活用して社会的課題に対処する取組)

図版:自然再興

KPIと目標、ロードマップ

図版:KPIとロードマップ

プロジェクトを通じた自然再興の実現

鹿島は、事業を通じて都市の生態系ネットワークを強化する「生物多様性都市:いきものにぎわうまち」を理念に掲げ、自然の有する力を積極的に利用して施設整備や土地利用を進めるグリーンインフラの整備に取り組んでいます。

いきものにぎわうまち


鹿島の技術研究所(東京都調布市)の建替えの際には、周辺地域の緑地の構成種の調査を踏まえ、郷土種による雑木林の復元などを盛り込んだ緑化コンセプトを取り入れました。その後も継続的に鳥類を中心とした周辺のモニタリング調査を行っています。本取組みは「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」にも認定されました。

社有林の利活用

鹿島グループは約5,500haの山林を保有し、100年以上にわたり山林施業管理を行っています。この間、緑地環境の施工・管理会社の育成強化や、ランドスケープ設計部門を業界に先駆けて設置するなど、緑地環境に常に向き合いながら国土・都市空間をつくってきました。その知見を活かし、さまざまな場面にみどりをプラスすることで、SDGs、ESG、カーボンニュートラルの達成や社会・顧客価値の向上をめざしています。

アマモ場、サンゴ礁の保全・復元

生物多様性の損失は、温暖化と並ぶ地球規模での喫緊の課題です。その解決のために企業が果たすべき役割も大きく、なかでも社会基盤を構築する建設業は、地域の生態系にも深く関与しています。鹿島は、長年にわたり生態系との共生に目を向け、陸域だけでなく水域環境保全・再生に関しても、様々な研究や技術開発を進めています。

施工段階での取組み

建設現場では、騒音や振動など周辺への影響を最小限にするよう努めるほか、希少種保全などの生物多様性保全活動などに、計画段階から多角的に取り組んでいます。

開発計画の早い段階で生物多様性への影響を含む環境アセスメントを行っています。環境アセスメントは、現況調査、予測、評価、環境保全策の検討、評価書案の作成、自治体の審査、評価書の作成、事後調査の順ですすめられます。環境への配慮を計画に組み込むことにより、計画の変更や代替案の検討が可能となり、環境への影響を最小限に防ぐことができます。 鹿島では、開発によって地域に与える影響を、シミュレーションや模型実験などによる事前予測評価を行い、その結果を生物多様性保全等の策に活かしています。
また、すべての現場では計画段階でリスク抽出し、これを竣工に至るまでフォローする仕組みを導入していますが、その際に地域の生物多様性に悪影響を与えるような可能性が確認された際には、技術研究所などと協同する形で生物多様性を保全する計画(BAP)を策定し、実行しています。

現場周辺での動植物や自然環境の保全において、工事の進捗とともに地形や状況が大きく変わるダムや造成などの現場では継続的なモニタリングとそれを踏まえた対策が重要です。鹿島ではiPadを利用した動植物・環境モニタリングシステム「いきものNote」を開発し、専門知識のない社員でも容易に環境モニタリングを実施し、技術研究所などとの情報の共有・蓄積による的確かつスピーディーな対応を行っています。

ホーム > サステナビリティ > 環境 > 自然再興

ページの先頭へ