ホーム > KAJIMAダイジェスト > November 2021:特集 次世代の担い手確保

特集 次世代の担い手確保 鹿島グループが技能者とともに描く未来

建設業の人手不足に注目が集まっている。技能者の高齢化による退職者数の増加や,
技能者・若手入職者の減少に対する懸念が高まり,将来,建設業がこれまで担ってきたインフラ整備や
震災・災害復旧対応などの社会的役割を果たせなくなることが危惧されている。
建設業を取り巻く喫緊の課題である「次世代の担い手確保」。
鹿島グループが協力会社とともに魅力ある建設業を創出するため,
建設業界の先頭に立って挑む具体的対応策を追う。

改ページ

横浜・みなとみらい21への取組みとこれから

専務執行役員 安全環境部管掌
勝見 剛

図版:専務執行役員 安全環境部管掌 勝見 剛

2021年度から当社の新たな「中期経営計画」がスタートしました。この計画は競争が厳しさを増す中,鹿島グループが将来にわたって発展し続けるため,中長期的な成長を強く意識し,「中核事業の一層の強化」,「新たな価値創出への挑戦」,「成長・変革に向けた経営基盤整備とESG推進」を3つの柱としています。

近年,建設業に従事する技能者の数は減少し,かつ高齢化することが予想されています。持続可能な建設業を実現するためには,就労環境の整備や賃金水準の向上といった処遇改善を図りつつ,建設技能者の社会的地位の向上を実現し,建設業を若い人にとって魅力ある産業にすることが大変に重要であり,「次世代の担い手確保」は建設業が取り組むべき喫緊の課題です。

そこで当社は,前述の中期経営計画において,「次世代の担い手確保」を重要な課題として以下のような施策に取り組んでいます。(1)原則二次下請までに限定した施工体制の実現や“建設キャリアアップシステム”(CCUS)の推進と活用などの『改革のための環境整備』,(2)建設業退職金共済制度の普及促進や優秀登録職長手当制度(鹿島マイスター)・優良技能者報奨金制度(新E賞)の充実などの『技能者の処遇改善』,(3)本年度新たに設立した「鹿島パートナーカレッジ」などの『技能者の育成・定着』,(4)現場見学会・技能体験会・出前授業などの『技能者の採用支援』のための施策です。さらに,“4週8閉所”の実現に向けた褒賞金制度の検討や「生産力強化等に関する活動奨励制度」などの新たな制度も積極的に推進しています。

また,当社は2020年8月,業界に先駆けて「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。これはサプライチェーン全体の共存共栄を目指し,建設業界が直面するこれらの課題にともに取り組み,「魅力ある建設業」の実現を目指すことを宣言したものです。この中で当社は,「『魅力ある建設業』~次世代の担い手確保と生産性向上を目指して~」と題し,①技術者・技能者の処遇改善,働きやすい作業環境と職場づくりに努めて魅力ある建設業を実現し,次世代の担い手確保を目指すこと,②身体的負担の大きい作業や危険作業などを機械化・ロボット化することにより,生産性の向上と安全・安心な作業環境の実現を目指すことを表明しました。施工の機械化・自動化や次世代建設生産システムなどの技術開発に取り組み,技術革新と経営改革を進めるにあたっては,建設業で働く人にとって安全・安心な働きやすい施工環境を追求し,魅力ある建設業を次の世代に引き継いでいくことが重要と考えています。

未来につながる持続可能な建設業を目指して,鹿島はこの大きな課題に引き続き取り組んでまいります。

※「パートナーシップ構築宣言」は,日本経済団体連合会会長,日本商工会議所会頭,日本労働組合総連合会会長および関係大臣(内閣府,経済産業省,厚生労働省,農林水産省,国土交通省)をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において創設された仕組み。サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進め,新たなパートナーシップを構築することを,企業の代表者の名前で宣言するもの

ContentsNovember 2021

ホーム > KAJIMAダイジェスト > November 2021:特集 次世代の担い手確保

ページの先頭へ