ホーム > 技術とサービス > 土木技術 > 東日本大震災における鹿島の取組み > 中間貯蔵施設建設工事

東日本大震災における鹿島の取組み

中間貯蔵施設建設工事

除去土壌の受入・貯蔵がすすんでいます

福島第一原子力発電所の事故に伴って発生した除染土壌や除染廃棄物の集積場所として、福島県大熊町と双葉町にまたがる地区で最終処分までの貯蔵場所となる中間貯蔵施設の整備が本格的に開始されました。

鹿島JVでは、大熊1工区を担当し、受入・分別施設、土壌貯蔵施設の設計施工をはじめ、除去土壌の輸送、施設の運営、貯蔵に関わる業務をトータルで行います。これまでに培ってきた技術やノウハウ、総合力をフルに発揮し、国家的プロジェクトに取り組んでいます。

図版:受入・分別施設建設の様子

工事概要

平成29年度中間貯蔵(大熊1工区)土壌貯蔵施設等工事

発注者
環境省
工事場所
福島県双葉郡大熊町
施工者
鹿島・東急・飛島特定建設工事共同企業体
工事概要
受入・分別施設と土壌貯蔵施設の建設、除去土壌等の輸送・分別処理・貯蔵
処理対象物量
1,194,900t
工期
2017年5月~2021年3月
改ページ

中間貯蔵施設とパイロット輸送工事

中間貯蔵施設は、福島県内の除染で発生した土や放射性物質で汚染された廃棄物を最終処分するまでの間、安全に集中的に管理・貯蔵するための施設です。大熊町と双葉町にまたがる約1,600haの土地に計画され、福島県内から約1,400万m3(2019年7月末時点の集計値)の除去土壌等の受入を行う予定です。

本格的な中間貯蔵への受入に先立ち、安全かつ確実な輸送を行うために、パイロット輸送工事が行われました。鹿島も2015年1月からパイロット輸送、本格輸送合わせて約24,000m3の輸送を行い、保管場の整備や輸送手段の効率化の検証、諸手続きや課題の抽出等を行いました。

図版:福島県内における中間貯蔵施設への輸送対象市町村(環境省資料より 2020年2月末現在)

福島県内における中間貯蔵施設への輸送対象市町村(環境省資料より 2020年2月末現在)

改ページ

ページのトップへ戻る

中間貯蔵施設建設工事の概要

鹿島JVが担当する「平成29年度中間貯蔵(大熊1工区)土壌貯蔵施設等工事」では、受入・分別施設と土壌貯蔵施設の設計・施工並びに、除去土壌の輸送業務、受入・分別施設の運営、土壌貯蔵施設への貯蔵までをトータルに行います。

2017年5月から初期工事が開始され、受入・分別施設(プラント及び建屋)と、貯蔵面積約3.9万m2・貯蔵容量36万m3の土壌貯蔵施設の設計・施工を14か月で行いました。その後、福島県内からの除去土壌約85万m3の輸送、及び、受入分別処理、施設の運転、除去土壌の貯蔵の運営業務を33か月で行う計画です。受入・分別施設と土壌貯蔵施設の間は土壌運搬用のベルトコンベアで結ばれます。

さらなる貯蔵場所の確保のため、土壌貯蔵施設(初期)に隣接する東側及び南側の場所に、新たな土壌貯蔵施設を整備します。土壌貯蔵施設(拡張東)は約14万m3、土壌貯蔵施設(拡張南)は約11.5万m3の貯蔵量を、それぞれ予定しています。

図版:工事内容・期間

工事内容・期間

図版:施設配置図

施設配置図(2020年1月現在)

改ページ

ページのトップへ戻る

工事の様子

2020年1月

受入・分別施設

2019年2月に、分別した土砂を一時的にストックする処理土壌中継ヤード(他JV施工)が完成し、ベルトコンベアによる処理土壌の運搬も開始しました。2018年7月からの処理開始当初は、1日1,000~1,200袋程度の処理量でしたが、設備の改良により、現在は1日1,400袋程度の処理を行っています。2019年12月末現在、約380,000袋の処理を完了しています。

図版:受入分別施設全景

受入分別施設全景

図版:処理土壌が排出される様子

処理土壌が排出される様子

図版:処理土壌をベルトコンベアーホッパーに投入する様子

処理土壌をベルトコンベアーホッパーに投入する様子

図版:処理土壌運搬用のベルトコンベア

処理土壌運搬用のベルトコンベア

改ページ

土壌貯蔵施設(初期)

2018年7月の貯蔵開始当初は、1日あたり500~600m3程度の貯蔵量でしたが、受入・分別処理量の増加に伴って貯蔵量も増加し、現在は1日あたり900m3程度の貯蔵を行っています。2019年12月末現在、約260,000m3の貯蔵が完了しています。

図版:土壌貯蔵施設(初期)全景

土壌貯蔵施設(初期)全景

図版:処理土壌中継ヤード

処理土壌中継ヤード

図版:処理土壌が排出される様子

処理土壌が排出される様子

図版:処理土壌を土壌貯蔵施設で下ろす様子

処理土壌を土壌貯蔵施設で下ろす様子

改ページ

土壌貯蔵施設(拡張東・拡張南)

土壌貯蔵施設(拡張東)は2019年1月より、土壌貯蔵施設(拡張南)は2019年7月より、それぞれ施工を開始しました。2019年12月末現在、拡張東では遮水工及び雨水集排水設備工、拡張南では浸出水ピットの施工を、それぞれ行っています。

図版:土壌貯蔵施設(拡張東)全景

土壌貯蔵施設(拡張東)全景

図版:土壌貯蔵施設(拡張東)造成工施工の様子

土壌貯蔵施設(拡張東)造成工施工の様子

図版:土壌貯蔵施設(拡張東)浸出水ピット施工の様子

土壌貯蔵施設(拡張東)浸出水ピット施工の様子

図版:土壌貯蔵施設(拡張東)遮水工施工の様子

土壌貯蔵施設(拡張東)遮水工施工の様子

図版:土壌貯蔵施設(拡張南)全景

土壌貯蔵施設(拡張南)全景

図版:土壌貯蔵施設(拡張南)浸出水ピット施工の様子

土壌貯蔵施設(拡張南)浸出水ピット施工の様子

改ページ

2018年9月

受入・分別施設

2017年5月より建設工事が開始され、約1年間の建設期間を経て、受入・分別施設が完成しました。2018年7月より除去土壌の受け入れがいよいよ始まりました。受入・分別施設では、除染土壌を詰めたフレコンバッグを破袋し除去土壌を取り出し、選別機械及び重機による機械選別を行います。その後、鹿島が開発した、高含水土壌をサラサラにする土質改質材「泥DRY®」を添加して、より丁寧に石や草木などの異物を取り除いています。

図版:受入・分別施設全景

受入・分別施設全景

図版:受入分別施設のイメージ

受入分別施設のイメージ

改ページ

図版:福島県内仮置場からダンプトラックによりフレコンバッグに入った除去土壌を輸送する様子

福島県内仮置場からダンプトラックによりフレコンバッグに入った除去土壌を輸送する様子

図版:橋形クレーンにてフレコンバッグを受け入れる様子

橋形クレーンにてフレコンバッグを受け入れる様子

図版:ワイヤーソーでフレコンバッグを破袋する様子

ワイヤーソーでフレコンバッグを破袋する様子

図版:選別機械及び重機による機械選別の様子

選別機械及び重機による機械選別の様子

図版:土壌をサラサラにするための改質材添加装置

土壌をサラサラにするための改質材添加装置

図版:改質材(泥 DRY)添加の様子

改質材(泥 DRY)添加の様子(白っぽいものが改質材)

改ページ

土壌貯蔵施設

土壌貯蔵施設は、浸出水処理施設も含め2018年7月に全体の約4分の1が部分完成し、土壌の貯蔵が始まっています。受入・分別施設で分別された除去土壌は、全長500mのベルトコンベアで処理土壌中継ヤードに運搬し、そこからダンプトラックで土壌貯蔵施設に運び、重機により貯蔵される計画ですが、処理土壌中継ヤードが施工中(他JV施工)のため、現在は、受入・分別施設から直接ダンプトラックにて土壌貯蔵施設に運んでいます。2018年9月末現在、13,000m3の貯蔵が完了しています。

図版:土壌貯蔵施設全景

土壌貯蔵施設全景

図版:土壌貯蔵施設イメージ

土壌貯蔵施設イメージ

図版:受入・分別施設から土壌貯蔵施設へのダンプトラックによる処理土壌運搬の様子

受入・分別施設から土壌貯蔵施設へのダンプトラックによる処理土壌運搬の様子

図版:土壌貯蔵施設での貯蔵の様子

土壌貯蔵施設での貯蔵の様子

改ページ

2018年2月

2017年5月からフェーズ1の工事が開始され、受入・分別施設の建築工事と土壌貯蔵施設の造成工事が最盛期を迎えています。

受入・分別施設は、1時間あたり140tの処理能力を有し、主に荷下ろし、破袋、土壌等のふるい分けが行われる施設です。建築工事に続いて、内部のプラント工事が行われる予定です。土壌貯蔵施設は、二重遮水シート及び浸出水処理施設を備え、約40万m3を貯蔵する施設となります。

2018年7月の土壌受入開始をめざして、急ピッチで工事が進んでいます。

受入・分別施設建設の様子

図版:受入・分別施設建設の様子(2018年2月)

受入・分別施設建設の様子(2018年2月)

図版:受入・分別施設建設の様子(2018年2月)

受入・分別施設建設の様子(2018年2月)

土壌貯蔵施設建設の様子

図版:埋立容量約40万㎥の土壌貯蔵施設イメージ(3D設計モデル)

埋立容量約40万m3の土壌貯蔵施設イメージ(3D設計モデル)

図版:土壌貯蔵施設建設の様子(2018年2月)

土壌貯蔵施設建設の様子(2018年2月)

図版:土壌貯蔵施設建設の様子(2018年2月)

土壌貯蔵施設建設の様子(2018年2月)

ホーム > 技術とサービス > 土木技術 > 東日本大震災における鹿島の取組み > 中間貯蔵施設建設工事

ページのトップへ戻る

ページの先頭へ