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東日本大震災における鹿島の取組み

唐丹第3トンネル工事

全長約3kmのトンネルと釜石唐丹ICを構築

近代製鉄業発祥の地として知られ、豊かな水産資源に恵まれた岩手県・釜石市。東日本大震災では釜石市の沿岸部の多くが津波の被害を受け、沿岸を走る主要道路である国道45号線は通行止めになる区間がありました。道路ネットワークの強化を目的として、復興のリーディングプロジェクト・三陸沿岸道路の整備が進んでいます。

唐丹第3トンネルは、三陸沿岸道路の一部となる吉浜釜石道路(約14km)に作られるトンネルです。長さ約3kmに及ぶトンネル掘削とともに、その起点側に作られる釜石唐丹ICの造成等の工事と約1kmの終点側の本線道路改良工事を行い、2019年3月、開通を迎えました。

図版:イメージ

工事概要

国道45号 唐丹第3トンネル工事

発注者
国土交通省 東北地方整備局 南三陸国道事務所
工事場所
岩手県釜石市唐丹町~釜石市甲子町
施工者
鹿島
工事概要
トンネル延長:3,023m 内空断面積94.9m2 釜石唐丹IC:盛土量132万m3
終点側本線道路改良:約1.0km
工期
2014年3月~2018年3月
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完了のご報告NEW

様々な最新技術を用いて高速施工を実現、高品質なトンネルが完成

唐丹第3トンネルは、2015年1月から本格的な掘削が開始され、約2年6か月で3,023mのトンネル掘削が完了しました。起点側からの方押し施工となったため、施工の合理化によるサイクルタイムの短縮や機械の最適配置等、様々な取組みにより高速施工を実現させ、2016年7月、大断面トンネルとしては国内最高記録となる月進270mを達成しました。覆工コンクリート工事においても、中流動コンクリートやツインアーチフォーム(TAF)工法を全線にわたって採用し、高品質なトンネルを完成させました。また、長期養生と高速施工を両立できるトリプルアーチフォーム(TrAF工法)の適用も行い、掘削だけでなく、覆工コンクリート工事においても高速施工を実現しました。

起点側の釜石唐丹ICの盛土工事の土量は約132万m3に及びました。盛土工事の進捗管理には、ドローンによる写真測量を活用し、作業時間の大幅短縮とコスト削減に寄与しました。

図版:起点側坑口の様子

起点側坑口の様子

図版:完成したトンネル内の様子

完成したトンネル内の様子

工事は2018年3月に竣工、トンネルの名称は「篠倉山トンネル」に決定しました。2019年3月9日、篠倉山トンネルを含む区間が開通、吉浜釜石道路がいよいよ全線開通します。今回の開通により、早期復興支援、信頼性の高い高速ネットワークの形成、観光支援の機能向上、そして、2019年秋に釜石市で開催されるラグビーW杯でのアクセス向上も期待されています。

工事を率いた新岡尚幸所長は「東北の震災復興において非常に重要視されていた三陸沿岸道路建設事業の一翼を担った本工事ですが、当初は厳しい工期を守れるのかという不安もありました。しかし、東北支店社員、また東北支店以外からの応援社員はもちろん、作業員の努力があって工期内に完成させることができました。また、地域の方から暖かい励ましのお言葉を頂き、感謝しています。」と語っています。

図版:起点側の釜石唐丹ICの様子(ドローンによる撮影)

起点側の釜石唐丹ICの様子(ドローンによる撮影)

図版:終点側本線道路改良工事の様子(ドローンによる撮影)

終点側本線道路改良工事の様子(ドローンによる撮影)

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津波浸水区域を回避し、緊急医療施設への「命の道」

唐丹第3トンネルは、復興のリーディングプロジェクトである三陸沿岸道路の一部を成す吉浜釜石道路(約14km)の釜石唐丹ICと釜石JCT間に建設されます。

釜石市の沿岸部を通り、大船渡市へ向かう現在の国道45号線は、狭隘部や曲がりくねった箇所が多く、アップダウンの激しい峠道のため、慢性的に混雑するとともに、津波による浸水が懸念される箇所もあります。吉浜釜石道路の完成により、三陸沿岸の都市間交通の所要時間が大幅に低減されるとともに、線形不良や狭隘区間がなくなり、渋滞の解消、交通事故の減少、道路ネットワークの強化が期待されます。また、岩手県沿岸南部の唯一の三次救急医療機関である県立大船渡病院への搬送所要時間が大幅に短縮され、「命を救う道」への期待も込められています。

図版:吉浜釜石道路の完成により釜石市内の病院から大船渡病院までの所要時間が約半分に

吉浜釜石道路の完成により釜石市内の病院から大船渡病院までの所要時間が約半分に

図版:唐丹第3トンネル 位置図

唐丹第3トンネル 位置図

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トンネル部の覆工コンクリートの品質向上と
インターチェンジ部の大規模盛土工事

唐丹第3トンネル工事は、全長約3kmのトンネル掘削とともに、起点側の釜石唐丹ICの構築、終点側の1km本線構築等を合わせて行います。

トンネル部においては、発破及びドリルジャンボでの掘削の後に行われる覆工コンクリートの品質向上に取り組んでいます。ひび割れを抑制するための膨張材の採用や、鹿島独自工法であるツインアーチフォーム工法(TAF工法)をほぼ全線にわたって採用し66時間以上の養生を行うことで、表面の緻密化を促進し、覆工コンクリートの長期耐久性を向上させる取組みを行っています。

また、トンネル起点側の釜石南ICの構築では、130万m3にも及ぶ大量の土を造成するため、確実な受入体制の構築と品質の確保を目指して工事を進めています。

図版:TAF工法施工の様子

TAF工法施工の様子

図版:起点側の大規模造成工事の様子

起点側の大規模造成工事の様子

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工事の様子

Column 唐丹第3トンネル完成式 開催

2017年12月5日、唐丹第3トンネルの完成式が行われ、発注者である国土交通省東北地方整備局南三陸国道事務所の関係者や、鹿島をはじめとする工事関係者、また、地元の方々など約70名が参列しました。

トンネルの終点側坑口付近で行われた式典では、冒頭、釜石市立平田幼稚園の園児16名による虎舞が披露されました。続いて、発注者である国土交通省東北地方整備局南三陸国道事務所・金ヶ瀬所長の挨拶に続き、来賓の釜石市・野田市長が祝辞を述べられました。完成披露では、関係者ら18名が合図とともに除幕を行うと、終点坑口から光が差し込み、大きな拍手と歓声に包まれました。最後に、施工者を代表して鹿島東北支店品川副支店長が挨拶を述べ、復興道路である唐丹第3トンネルの完成を祝いました。

図版:近隣の平田幼稚園の園児らによる伝統芸能「虎舞」の披露

近隣の平田幼稚園の園児らによる伝統芸能「虎舞」の披露

図版:関係者が除幕を行うと坑口からトンネル内に光が差し込んだ

関係者が除幕を行うと坑口からトンネル内に光が差し込んだ

唐丹第3トンネル工事は、東日本大震災からの復興のリーディングプロジェクトである三陸沿岸自動車道吉浜釜石道路約14kmのうち3,023mの長大トンネルと釜石唐丹ICを構築する工事です。トンネル工事は、起点側からの方押し施工となりましたが、施工の合理化や機械の最適配置等の工夫により高速掘進を実現。国内最高月進記録となる270mを達成しました。本トンネルの完成により国土交通省南三陸国道事務所が手掛ける17か所のトンネル整備が完了したことになり、更なる復興に向けて大動脈の開通に期待が高まります。

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2017年10月

延長約3kmに及ぶ唐丹第3トンネルですが、2017年6月21日、無事貫通を迎えました。2015年1月に掘削が開始され、約2年6か月で3,023mのトンネル掘削が完了しました。起点側からの片押し施工となったため、施工方法の合理化による掘削サイクルタイムの短縮や機械の最適配置、また、新開発の削孔誘導システムをドリルジャンボに取り付ける等、様々な取組みにより高速掘進を実現し、国内最高月進掘削記録270mを達成しました。また、覆工コンクリート工事においても、長期養生と高速施工を両立でき、緻密で高品質な覆工コンクリートを打設できる「TrAF(トリプルアーチフォーム)工法」を採用、復興工事である本トンネルの早期完成を目指しています。

また、約130万m3に及ぶ盛土工事が行われている起点側の釜石唐丹ICも、大部分の盛土工事が完了しています。

今後は2017年12月にトンネル工事の完成式が行われる予定です。

図版:貫通時の記念写真

貫通時の記念写真

図版:TrAF工法により高品質な覆工コンクリート工事が完了

TrAF工法により高品質な覆工コンクリート工事が完了

図版:トンネル起点側、釜石唐丹ICの様子(ドローンによる撮影)

トンネル起点側、釜石唐丹ICの様子(ドローンによる撮影)

図版:トンネル終点側の様子(ドローンによる撮影)

トンネル終点側の様子(ドローンによる撮影)

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Column 地元小学生や地域住民などが現場を見学

2016年12月17日、地元の小学生や地域の住民らを招いた現場見学会が開催されました。見学会には、地元の2つの小学校の児童、また、周辺にお住まいの住民の方、約100名が参加しました。見学会ではまず、トンネル内の壁面をスクリーンに使った工事の概要の説明のあと、工事に使用するボルトキャップに願い事を書いたり、濁水処理の実験なども行われ、小学生らは興味深く見学していました。また、工事に用いられる重機の試乗コーナーや、宝探しコーナーもあり、トンネル内に歓声が響き渡りました。この見学会は現場が周辺住民の皆さんに復興道路工事の進捗を知っていただき、建設業への理解を深めてもらう目的で開催したもので、参加者らはスタンプラリー形式で楽しみながら、日ごろ目にすることのないトンネル工事に親しんでいました。

図版:トンネル内の覆工コンクリート壁面をスクリーンに工事概要を説明

トンネル内の覆工コンクリート壁面をスクリーンに工事概要を説明

図版:ボルトキャップに思い思いの願い事を書いて実際に設置した

ボルトキャップに思い思いの願い事を書いて実際に設置した

図版:ドリルジャンボのカゴに乗って大興奮

ドリルジャンボのカゴに乗って大興奮

図版:見学会後、坑口にて記念撮影

見学会後、坑口にて記念撮影

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2016年9月

片押しで施工が進む唐丹第3トンネルでは、機械や材料等の様々な工夫による施工の合理化を図った結果、2016年6月14日~7月14日までの1か月の月進距離270mを達成しました。これは、110m2以上の大断面トンネルでは、国内最高記録となりました。2016年9月末現在、2,225mまで施工が進んでいます。

図版:高速施工が進むトンネル内、掘削の様子

高速施工が進むトンネル内、掘削の様子

図版:月進距離270mを達成した際の記念写真

月進距離270mを達成した際の記念写真

釜石唐丹ICの盛土工事では、工事期間中の盛土進捗を正確に把握するために、光波測量などによる従来の測量方法の進捗管理に代わり、コスト、作業時間ともに大幅に削減できるUAV(無人航空機)を活用した写真測量により、盛土の進捗、土量管理を行っています。2016年9月末時点で、約100万m3の盛土が完了しています。

図版:カメラを搭載した6翼回転式ドローン

カメラを搭載した6翼回転式ドローン

図版:ドローンに搭載されたカメラで撮影された空中写真

ドローンに搭載されたカメラで撮影された空中写真

図版:写真測量により得られた地形の3次元点群データ

写真測量により得られた地形の3次元点群データ

図版:点群データと3次元の地形データを合わせて土量を算出

点群データと3次元の地形データを合わせて土量を算出

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2016年1月

トンネル部は片押し施工で行われ、2016年1月末現在、起点側から1,114mの地点まで掘削が進んでいます。機械の大型化や施工方法・材料の工夫により掘進速度の向上と余掘りの低減を図り、施工の合理化を進めています。

起点側の盛土部では、多くの大型重機によるダイナミックな造成工事が進んでおり、終点側でも造成工事が始まっています。

図版:トンネル坑口

トンネル坑口

図版:トンネル内部の様子

トンネル内部の様子

図版:起点側の造成工事の様子

起点側の造成工事の様子

図版:起点側釜石唐丹ICの法面

起点側釜石唐丹ICの法面

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