帰還困難区域内での廃棄物処理業務
本事業は、東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故により発生した大熊町等から発生した放射性物質を含む可燃廃棄物を、焼却により減容化する事業です。三菱・鹿島共同企業体は、仮設廃棄物処理施設の設計・施工並びに運営を担当しています。約22万6,000トンの廃棄物処理を、施設建設後約4年間を事業期間として計画しています。
帰還困難区域内での事業のため、除染工事やこれまでの廃棄物処理業務で培った適切な放射線管理のもと、事業を進めています。
大熊町における廃棄物処理業務(減容化処理)
- 工事場所
- 福島県双葉郡大熊町大字小入野字東平地内
- 発注者
- 環境省
- 実施者
- 三菱※・鹿島共同企業体
- 業務内容
- 仮設廃棄物処理施設の設計・施工、施設の運営
- 処理対象物
- 津波廃棄物、家屋解体廃棄物、片付けごみ、
除染廃棄物 - 処理規模
- 200トン/日×1炉
- 業務期間
- 建設(2016年5月~2018年1月)
運営(2018年2月~2022年3月)
処理業務の概要
本業務は、大熊町等で発生した廃棄物(津波廃棄物、片付けごみ、家屋解体廃棄物、除染廃棄物)に関し、中間貯蔵施設建設予定地内に仮設処理施設を建設し、焼却することで減容化を行う事業です。施設は仮設焼却施設と仮設灰保管施設、そしてこれらに付随する施設で構成されています。大熊町等で発生した廃棄物は可燃物が選別された状態で仮置場等に保管されており、その可燃物が本業務の処理対象物となります。仮置場等から処理対象物を仮設処理施設まで運搬し、焼却による減容化処理を行い、発生した焼却灰等は仮設灰保管施設で保管します。
事業の様子
2018年9月
仮設焼却施設並びに仮設灰保管施設が2018年1月に完成し、2018年2月より、本格的な焼却が開始されました。ストーカ式の焼却炉により、1日あたり200トンの廃棄物を焼却処理、減容化を行います。焼却灰は隣接する2棟の仮設灰保管施設に仮置きされ、中間貯蔵施設へと搬出されます。
2022年3月末までに約22万6,000トンの廃棄物の処理を行う予定です。
2017年12月
2017年1月から開始されていた仮設焼却施設の建設工事が、内部のプラント工事も含めて完了しました。ストーカ式の焼却炉1基で1日あたり200トンの可燃物の焼却を行い、廃棄物の減容化を行います。火入れ式後、試験的な焼却を開始し、2018年2月より本格的な運転を開始する予定です。2022年3月末までに約22万6,000トンの処理を見込んでいます。
また、隣接する3棟の仮設灰保管施設も合わせて完成しています。
Column 仮設焼却施設が完成、火入れ式が行われました
2017年12月7日、仮設焼却施設の完成に伴い、火入れ式が行われました。式典には発注者である環境省・森本事務次官、来賓として大熊町・渡辺町長、鹿島から田代副社長ら施工関係者約80名が参列しました。式典では、環境省森本事務次官からの挨拶に続き、JVから施設概要説明が行われました。続いて火入れの儀が行われ、関係者7名が合図とともに火入れボタンを押すと、仮設焼却炉に点火され、会場は大きな拍手に包まれました。参列者は式典後、完成した施設を見学し、仮設焼却施設の完成を祝いました。
2017年2月
2017年1月より、敷地内の地盤改良工事及び基礎工事が開始されました。2017年春からいよいよ仮設処理施設のプラント工事が開始されます。仮設焼却施設及び仮設灰保管施設の建設は2017年いっぱい続く予定です。
Column いよいよ事業が本格化 起工式挙行
2016年9月13日、平成28年度大熊町における廃棄物処理業務(減容化処理)の起工式が、福島県双葉郡大熊町の現地にて執り行われました。式典には発注者である環境省から伊藤忠彦副大臣らが参列し、当社からは田代副社長を始め工事関係者が多数出席しました。式典では主催者挨拶並びに施工者挨拶等に続き、環境省伊藤副大臣、大熊町渡辺町長、田代副社長らによる鍬入れが行われ、工事の安全を祈願しました。