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東日本大震災における鹿島の取組み

気仙沼湾横断橋 小々汐地区下部工工事

復興のシンボルとなる東北地方最大の斜張橋をつくる

全国屈指の水産都市である宮城県気仙沼市。多くの漁船やフェリーが航行する気仙沼湾を横断する橋梁「(仮称)気仙沼湾横断橋」は完成すれば東北地方最大の斜張橋となり、復興のシンボルとして完成が期待されています。

鹿島JVは、気仙沼湾横断橋の下部工である小々汐地区下部工工事を担当。海中に構築する橋脚1基と、陸上に設けられる橋台1基の施工を行い、トラス支保工等の最先端技術を駆使し、高品質な橋脚が完成しました。

図版:イメージ

工事概要

国道45号 気仙沼湾横断橋 小々汐地区下部工工事

発注者
国土交通省 東北地方整備局 仙台河川国道事務所
工事場所
宮城県気仙沼市小々汐地内
施工者
鹿島・東亜特定建設工事共同企業体
工事概要
橋台1基、橋脚1基、仮設工1式 
コンクリート 17,500m3、鉄筋2,300t、鋼管矢板3,000t(φ1,500、t=17~18mm、L=45.7m、47.0m 91本)
工期
2015年4月~2019年3月
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完了のご報告

『トラス型支保工』など最先端技術を適用した、高品質な橋脚が完成

2011年3月11日の東日本大震災で、宮城県気仙沼市は津波により甚大な被害を受けました。(仮称)気仙沼湾横断橋は、「斜張橋」と呼ばれる橋梁形式で計画されており、完成すると東北最大の斜張橋となります。復興を目指す気仙沼市はもとより、東北全体の復興のシンボルのひとつとして期待されており、鹿島JVは(仮称)気仙沼湾横断橋の下部工となる海中のP12橋脚と、陸上部のA2橋台の施工を担当しました。

P12橋脚は、三陸沿岸道路で唯一の海中に建つ橋脚であり、通常は切梁腹起しを用いる支保工に、『トラス型支保工』を採用し一括架設を行いました。これにより橋脚を切梁が貫通することなく、高品質な橋脚となること、さらに12,000m3に及ぶマスコンクリートの材料選定や配合設計の工夫や美シール工法を採用することなどにより、ひび割れの極めて少ない高品質な海中橋脚が完成しました。陸上のA2橋台においても、巨大な斜張橋を支える高品質な橋台が完成しました。

4年にわたり、工事を率いた合樂将三所長は「2015年に気仙沼へ乗り込んだ当初は、まだまだ復興途中でした。発注者や地元の方々と接するたびに震災への思い、復興への思いを感じ、『この橋脚は、今考えられる最高の技術をもって世界最高品質の橋脚を築造しなければならない』との強い思いで工事を進めました。これから長い間、気仙沼のシンボルとなることを期待しています。また、このような工事に携われたことを誇りに思っています」と語っています。

気仙沼湾横断橋はすでに上部工の工事が始まっており、復興のシンボルである優美な斜張橋の完成が待ち望まれています。

図版:完成した海中のP12橋脚と陸上部のA12橋台(手前)

完成した海中のP12橋脚と陸上部のA12橋台(手前)

図版:海中に斜張橋を支える高品質な橋脚が完成(2018年11月)

海中に斜張橋を支える高品質な橋脚が完成(2018年11月)

図版:完成した陸上部のA12橋台(2019年3月)

完成した陸上部のA12橋台(2019年3月)

図版:トラス支保工一括架設の様子(2016年12月)

トラス支保工一括架設の様子(2016年12月)

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気仙沼湾を優美に横断する橋の土台をつくる

震災復興のリーディングプロジェクトである「三陸沿岸道路」のうち、気仙沼道路(気仙沼~唐桑南間約9km)につくられる橋梁が気仙沼湾横断橋です。気仙沼湾横断橋は、橋長1,344mの長大橋で、海上部680m、陸上部664mで構成されており、海上部は斜張橋形式で計画されています。斜張橋とは、高く伸びた主塔から張られたケーブルで橋桁を支える美しい形状で、更なる復興を目指す気仙沼のシンボルとして完成が待ち望まれています。

このうち、鹿島JVは3径間連続鋼斜張橋の下部工として、海中に設ける橋脚1基と、陸上に構築する橋台1基の施工を担当します。

図版:気仙沼湾横断橋 位置図

気仙沼湾横断橋 位置図

図版:気仙沼湾横断橋 完成予想パース

気仙沼湾横断橋 完成予想パース

図版:気仙沼湾横断橋 側面図

気仙沼湾横断橋 側面図

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工事の様子

2019年2月

2018年11月、橋脚を囲う鋼管矢板の切断撤去が終わり、仮設物の撤去などの海上での片付け作業も完了したことで、2015年4月から行われてきたP12橋脚の工事は全て完了しました(=海上作業完了)。P12橋脚はトラス型支保工の採用を始め、コンクリートの材料選定や配合設計、飛沫帯への美シール工法の採用等、様々な最新技術を適用しており、これだけのマスコンクリートでありながら、ひび割れの極めて少ない、高品質な橋脚が完成しました。既に上部工工事への引き渡しが完了し、工事は次のステップへ移っています。

A2橋台では、橋台を支える6本の深礎杭施工が完了し、橋台の躯体構築が始まっています。2019年3月末の竣工までラストスパートとなっています。

図版:P12橋脚のトラス型支保工撤去の様子(2018年10月)

P12橋脚のトラス型支保工撤去の様子(2018年10月)

図版:完成したP12橋脚(2018年11月)

完成したP12橋脚(2018年11月)

図版:A2橋台のコンクリート打設の様子(2019年1月)

A2橋台のコンクリート打設の様子(2019年1月)

図版:夜間も続くコンクリート打設の様子(2019年1月)

夜間も続くコンクリート打設の様子(2019年1月)

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2018年9月

2018年7月5日、P12橋脚の第10リフト(手摺壁)のコンクリート打設が完了し、橋脚躯体の構築が完了しました。橋脚を囲っていた足場の解体も完了し、着工から3年を経て遂に海上に橋脚躯体が姿を現しました。頂版からの高さ34m、コンクリート打設量は17,500m3で、25mプール50杯に相当する量となりました。今後は支保工の撤去、鋼管矢板の撤去と続き、橋脚工事はいよいよ終盤を迎えます。

A2橋台では、橋台を支える6本の深礎杭のうち、海側の3本のコンクリート打設が完了し、今後山側の3本についてもコンクリート打設を行います。

図版:橋脚での8リフトコンクリート打設の様子(2018年6月2日)

橋脚での8リフトコンクリート打設の様子(2018年6月2日)

図版:橋脚を囲う足場が取れ、巨大なコンクリートの橋脚が海の上に姿を現した

橋脚を囲う足場が取れ、巨大なコンクリートの橋脚が海の上に姿を現した

図版:A2橋台の深礎杭のコンクリート打設の様子(2018年8月4日)

A2橋台の深礎杭のコンクリート打設の様子(2018年8月4日)

図版:深礎杭のコンクリート打設状況

深礎杭のコンクリート打設状況

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2018年2月

頂版コンクリートの打設完了後、橋脚本体の構築作業を進めています。橋脚は全体を9つに分けて構築し、2017年10月に最初のコンクリートを打設しました。鉄筋組立、型枠設置、コンクリート打設と、橋脚の構築作業を繰り返し、2018年2月には5回目のコンクリートを打設しました。海面下27mから、底盤、頂版の順番で構築してきた鉄筋・コンクリート製の橋脚が、ついに、海の上に姿を現し始めました。

今後も、橋脚の構築作業が続き、2018年夏頃には橋脚の構築が完了する予定です。

図版:橋脚コンクリート打設時の様子(ドローンにより2018年2月撮影)

橋脚コンクリート打設時の様子(ドローンにより2018年2月撮影)

図版:橋脚を囲う足場が海の上に姿を現した

橋脚を囲う足場が海の上に姿を現した

図版:昼夜通して行われた橋脚コンクリート打設の様子(2018年2月)

昼夜通して行われた橋脚コンクリート打設の様子(2018年2月)

図版:青く見えるのはエポキシ樹脂塗装の鉄筋(2018年2月)

青く見えるのはエポキシ樹脂塗装の鉄筋(2018年2月)

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2017年10月

2017年4月にドライアップが完了した井筒内部に、2017年6月から7月にかけて頂版コンクリートを打設する作業が行われました。『頂版』とは、橋脚の下部に位置し、主塔を支える巨大なコンクリート構造物のことです。厚さ6m、コンクリート総量6,059m3にも及ぶ大量のコンクリートを3回に分け、1回あたり平均38時間連続(昼夜作業)で打設しました。他の現場からの応援社員も合わせて約100名が高品質なコンクリートの打設に挑み、無事完了しました。

頂版コンクリートの打設完了後、トラス支保工の一部を解体・撤去し、2017年10月現在、頂版の上に、橋脚本体となるコンクリートを打設する作業を行っており、今後はいよいよ橋脚が立ち上がっていきます。

図版:頂版コンクリート打設時のドローンによる撮影、奥にコンクリートプラント船が見える(2017年6月9日)

頂版コンクリート打設時のドローンによる撮影、奥にコンクリートプラント船が見える(2017年6月9日)

図版:頂版コンクリート打設状況(2017年7月8日)

頂版コンクリート打設状況(2017年7月8日)

図版:橋脚コンクリート1リフト目の打設状況(2017年10月2日)

橋脚コンクリート1リフト目の打設状況(2017年10月2日)

図版:橋脚コンクリート打設状況(2017年10月2日)

橋脚コンクリート打設状況(2017年10月2日)

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Column 小学生から土木技術者まで 多くの方が現場を見学

2017年8月2日、気仙沼市内の小学生10名とその保護者8名が「三陸沿岸道路 現場探検ツアー」の一環で、小々汐下部工の現場を訪れました。交通船で台船に到着した参加者は、海面から20m下の頂版コンクリート部分まで降り、工事概要の説明を聞いたあと、コンクリート練り混ぜの実演を行いました。練り混ぜ直後のコンクリートを実際に触ると、小学生たちは興味津々の様子で、「しゃりしゃりしてかき氷みたい」といった素直な感想が聞かれました。

また、10月4日には、土木学会東北支部の主催の現場見学会が行われ、土木技術者等約40名が現場を見学しました。日本最大級の鋼管矢板井筒基礎の大空間を前に、見学者は工事担当者に熱心に質問を投げかけていました。

小々汐下部工の現場では、見学者を積極的に受け入れており、開かれた工事現場を目指すとともに、建設業の魅力を多くの人に知ってもらう取組みを行っています。これまでの見学者は延べ500人を超えています。

図版:頂版コンクリートの上で工事概要の説明を聞く(2017年8月2日)

頂版コンクリートの上で工事概要の説明を聞く(2017年8月2日)

図版:練り混ぜ直後のコンクリートに恐る恐る触る小学生(2017年8月2日)

練り混ぜ直後のコンクリートに恐る恐る触る小学生(2017年8月2日)

図版:土木学会主催の現場見学会の様子(2017年10月4日)

土木学会主催の現場見学会の様子(2017年10月4日)

図版:合樂所長の説明を熱心に聞く土木技術者ら(2017年10月4日)

合樂所長の説明を熱心に聞く土木技術者ら(2017年10月4日)

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2017年4月

2016年12月にトラス支保工の一括架設が完了したことに続いて、土水圧を支保工に伝達するための間詰めコンクリートを水中で設置する作業が行われました。2017年2月からは井筒内の海水を排水する作業を進めていき、4月1日に井筒内のドライアップが完了し、気仙沼湾内に大空間が出現しました。

橋脚を構築する際の遮水壁となる井筒内は、トラス支保工一括架設工法の採用により、橋脚構築部に切梁支保工が貫通せず、中間杭も一切ない大空間となりました。その大きさは縦30m・横40m・深さ25mに及びます。4月2日には、地元の方を招いての現場見学会が行われ、海の中に広がる空間の大きさに驚嘆の声が上がりました。

今後はこの大空間内に橋脚本体を構築する工事が行われます。

図版:気仙沼湾の中に大空間が出現(ドローンによる撮影)

気仙沼湾の中に大空間が出現(ドローンによる撮影)

図版:ドライアップ完了状況

ドライアップ完了状況

図版:出現した大空間の高さは25m

出現した大空間の高さは25m

図版:地元の方約70名が参加した現場見学会の様子

地元の方約70名が参加した現場見学会の様子

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2017年1月

2016年9月に井筒内の海底土掘削が完了したことに続いて、11月には橋脚の底盤部に約2,000m3の水中コンクリートを打設しました。2016年12月には水を抜いた時に、外側からの水と土の圧力に鋼管矢板が耐えられるよう、井筒内に支保工を設置する作業が行われました。

通常は切梁を格子状に何段にもわたって設置しますが、鋼材が橋脚躯体のコンクリートを貫通し、腐食の原因となる可能性がある等、品質確保(耐久性)に課題があり、作業効率も悪くなるため支保工をトラス化しました。トラス支保工は4段になっており、合計で970tにもなることから、設置には国内で最大規模の1600t吊全旋回式起重機船を使用し、下段となる3・4段目が12月20日に、上段の1・2段目が12月26日に一括設置されました。今後は井筒内の水を抜く作業が本格化し、2017年春頃には井筒内のドライアップが完了し、気仙沼湾内に縦30m・横40m・深さ25mの大空間が出現する予定です。

図版:トラス支保工の設置状況(ドローンによる撮影)

トラス支保工の設置状況(ドローンによる撮影)

図版:1600t吊全旋回式起重機船による設置作業

1600t吊全旋回式起重機船による設置作業

図版:トラス支保工設置状況

トラス支保工設置状況

図版:計測しながら慎重に据付作業を行った

計測しながら慎重に据付作業を行った

図版:トラス支保工据え付け完了状況

トラス支保工据え付け完了状況

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2016年9月

2016年4月に全91本の鋼管矢板の打設が完了し、閉合しました。その後、日本最大級のコンクリートミキサー船を用いて、鋼管内部へのコンクリート打設作業を行いました。7月からは、鋼管矢板で締め切られた井筒内の海底土を水中で掘削する作業が始まりました。海底下20mまで掘削するため、掘削土量は20,000m3(25mプール55杯分に相当)に及びます。一度に10m3を掘削できる巨大なクラムシェルバケットを用いて作業をしています。9月中旬に完了する予定で、引き続き、締め切った井筒内の水を抜く準備を進めていきます。

図版:鋼管矢板打設閉合の記念写真

鋼管矢板打設閉合の記念写真

図版:コンクリートミキサー船による鋼管内部へのコンクリート打設状況

コンクリートミキサー船による鋼管内部へのコンクリート打設状況

図版:井筒内掘削状況

井筒内掘削状況

図版:クラムシェルバケットを用いた水中掘削の様子

クラムシェルバケットを用いた水中掘削の様子

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2016年1月

海上に設けられる橋脚は鋼管矢板井筒基礎形式でつくられます。2015年9月から鋼管矢板の打設を開始し、2016年1月末で34本の打設が完了しました。2016年5月までに合計91本の打設を行う予定です。本工事で構築する基礎は30m×40mの大きさで、その面積はテニスコート2面分に相当します。鋼管矢板は水面まで立ち上げて遮水壁とし、囲った中で構造物の構築を行います。

気仙沼湾は漁船やフェリーが多数往来している他、わかめや昆布などの養殖場もあるため、水質汚濁の防止と船舶航行安全に細心の注意を払って、24時間体制で工事を進めています。

図版:橋脚工事箇所 全景

橋脚工事箇所 全景

図版:鋼管矢板打設状況

鋼管矢板打設状況

図版:鋼管矢板打設状況

鋼管矢板打設状況

図版:鋼管矢板打設状況(夜間工事)

鋼管矢板打設状況(夜間工事)

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