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東日本大震災における鹿島の取組み

女川  魚市場建設事業

高品質な施設をめざした次世代型魚市場の整備

東日本大震災の津波により被災した女川町。女川町地方卸売市場も甚大な被害を受けましたが、再整備のため2015年9月から新たな中央棟・西棟の両荷捌場と管理棟の建設工事が鹿島の施工で行われました。

高品質な施設をめざした次世代型魚市場となり、両荷捌場は鳥獣などが入らないように壁やシャッターで囲むことで衛生管理を徹底し、太陽光発電を導入して維持管理費を抑えるような工夫も行っています。

既存の荷捌場を解体した後に、管理棟、中央棟荷捌場、西棟荷捌場の順番に完成させ、部分引渡しを可能とする合理的な計画で工事を進めてきました。2016年6月に管理棟、同8月には中央棟荷捌場が完成して順次引渡しを行い、2017年4月には西棟荷捌場が完成し、同5月に全体の竣工式を迎えました。

図版:全景完成イメージ図

工事概要

女川町地方卸売市場荷捌場・管理棟建設工事

事業者
女川町
基本・実施設計
一般社団法人 漁港漁場漁村総合研究所
施工者
鹿島
工事期間
2015年9月8日~2017年4月27日
建物用途
卸売市場
構造・階数
S造 4階建
延床面積
12,425.37m2
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復興事業では新たな試みとなる「ECI方式」を導入

今回の工事には、「技術提案・交渉方式」が導入されていることが特徴であり、施工者が実施設計の段階から事業に参画し、施工技術・施工実績を活かして合理化を図っています。いわゆる「ECI(Early Contact Involvement )方式」と呼ばれるもので、復興事業では新たな試みとなりました。

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「高度衛生管理型魚市場」に生まれ変わる女川町地方卸売市場

女川町地方卸売市場の中央棟荷捌場と西棟荷捌場は、品質・衛生管理が強化された閉鎖型施設に生まれ変わりました。新たな荷捌き施設は、汚染物を「持ち込まない、つけない」という考え方に基づいて運営され、水産庁が定めた「漁港における衛生管理基準」の最高レベルであるレベル3への対応も可能な「高度衛生管理型魚市場」となります。

このように、魚市場の品質・衛生管理を向上させる試みが、女川町地方卸売市場のような産地市場から東京など都市にある消費地市場まで、全国で進められています。

鹿島では、既に完了している「石巻魚市場建設事業」に携わった社員や工事関係者が、女川町地方卸売市場の建設工事だけでなく「高度衛生管理」の仕組みづくりについても取り組みました。

図版:高度衛生管理型魚市場のイメージ(女川町地方卸売市場中央棟荷捌場)

高度衛生管理型魚市場のイメージ(女川町地方卸売市場中央棟荷捌場)

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工事の流れについて

施設特性・敷地条件・周辺環境を加味した綿密な工程計画を立て、大きく4つの段階(STEP)に分けて、工事を進めました。また、水揚げ繁忙期と工事工程を調整することで、水揚げ作業に支障をきたさないような計画としました。

図版:計画配置図

計画配置図

図版:工事工程表

工事工程表

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工事の様子

Column 無災害表彰を受賞

2017年12月19日、石巻労働基準監督署にて建設事業無災害表彰式が執り行われ、岡野春彦所長に対し、石巻労働基準監督署の柴崎署長から表彰状が手渡されました。

2015年9月の着工から2017年10月までの約2年間、職長会との合同パトロールや鹿島たんぽぽ隊パトロールなど、現場の安全意識向上のための取組みを継続的に実施することにより、無災害を達成することができました。

当工事の延べ労働者数は39,928人、延べ労働時間は319,424時間でした。
柴崎署長から「この長い工期で無事故無災害であったことを高く評価する」とのお言葉を頂きました。

図版:柴崎署長(写真右)から岡野所長(写真左)への表彰状贈呈

柴崎署長(写真右)から岡野所長(写真左)への表彰状贈呈

図版:柴崎署長(写真右)から岡野所長(写真左)への表彰状贈呈

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2017年5月

2017年4月の西棟荷捌場の完成によって全棟完成となり、同5月末には竣工式を迎えました。

西棟荷捌場(完成)

図版:西棟荷捌場  上空から

西棟荷捌場 上空から

図版:西棟荷捌場 山側

西棟荷捌場 山側

図版:西棟荷捌場  海側

西棟荷捌場 海側

図版:西棟荷捌場  内部

西棟荷捌場 内部

図版:管理棟・中央荷捌場・西棟荷捌場  山側

管理棟・中央荷捌場・西棟荷捌場 山側

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図版:海側全景(夜景)

海側全景(夜景)

Column 竣工式の様子

2017年5月30日に現地で竣工式が開催されました。女川町地方卸売市場が新たに高度衛生管理型の施設として生まれ変わり再建された節目の式典に、女川町 須田善明町長をはじめ多くの関係者が参加しました。

式典では、須田町長が挨拶された後、鹿島東北支店と漁港漁場漁村総合研究所に感謝状が贈呈されたほか、関係者がテープカットを行い、町のシンボルとなる施設の完成を祝いました。

新しい施設では、漁獲したサンマなどの魚も鮮度を落とさずスムーズに水揚げできるようになり、今後、施設は本格的な稼働を迎えます。また、市場の作業を眺められる見学コースや、とれたての魚が味わえる食堂もオープンしています。

図版:挨拶をする須田町長(写真中央)

挨拶をする須田町長(写真中央)

図版:須田町長(写真右)から鹿島東北支店 勝治支店長(写真左)への感謝状贈呈

須田町長(写真右)から鹿島東北支店 勝治支店長(写真左)への感謝状贈呈

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2017年2月

施工中

図版:西棟荷捌場 施工状況

西棟荷捌場 施工状況

図版:西棟荷捌場 屋根工事

西棟荷捌場 屋根工事

図版:西棟荷捌場 外壁工事

西棟荷捌場 外壁工事

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図版:西棟荷捌場 土間工事

西棟荷捌場 土間工事

図版:西棟荷捌場 内部現況

西棟荷捌場 内部現況

図版:中央棟荷捌場 太陽光パネル設置工事

中央棟荷捌場 太陽光パネル設置工事

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2016年9月

2016年8月には中央棟荷捌場が完成し、既に西棟荷捌場の工事が始まっています。

中央棟荷捌場(完成)

図版:中央棟荷捌場 東側から

中央棟荷捌場 東側から

図版:中央棟荷捌場 上空から

中央棟荷捌場 上空から

図版:中央棟荷捌場 内部

中央棟荷捌場 内部

図版:中央棟荷捌場 見学者通路

中央棟荷捌場 見学者通路

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施工中

図版:西棟荷捌場 着工状況(北側から)

西棟荷捌場 着工状況(北側から)

図版:西棟荷捌場 着工状況(西側から)

西棟荷捌場 着工状況(西側から)

Column 中央棟荷捌場の引渡しと陸揚げの様子

2016年8月には工程どおり中央棟荷捌場が完成し、現場責任者である岡野春彦所長から女川町 須田善明町長に中央棟荷捌場の引渡しを行いました。

その後、中央棟荷捌場では着岸する多くの漁船からの陸揚げが始まっており、市場は活気を見せ、以前の賑わいを取り戻しています。

図版:岡野所長(写真左)から須田町長(写真右)への引渡し(中央棟荷捌場 見学者通路にて)

岡野所長(写真左)から須田町長(写真右)への引渡し
(中央棟荷捌場 見学者通路にて)

図版:陸揚げの様子

陸揚げの様子

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2016年7月

2016年6月には管理棟が完成し、中央棟荷捌場の工事が終盤を迎えています。

管理棟(完成)

図版:管理棟 正面

管理棟 正面

図版:管理棟 海側

管理棟 海側

図版:管理棟 エントランス

管理棟 エントランス

図版:管理棟  貸事務所

管理棟 貸事務所

施工中

図版:中央棟荷捌場 全景

中央棟荷捌場 全景

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