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東日本大震災における鹿島の取組み

中間貯蔵施設輸送工事

本格的な中間貯蔵施設の整備や輸送を確実にするために

福島第一原子力発電所の事故に伴って発生した除染土壌や除染廃棄物の集積場所として、福島県大熊町と双葉町にまたがる地区に最終処分までの保管場所となる中間貯蔵施設を整備することが決定しました。中間貯蔵施設への本格的な輸送を前に、安全で確実な輸送ができることを検証する目的で、パイロット輸送事業が行われました。2016年4月から本格輸送が開始され、鹿島JVでは2016年12月まででパイロット輸送と合わせ、約24,000m3の輸送を完了しています。

図版:イメージ

工事概要

平成27年度中間貯蔵に係る大熊町土壌等保管場設置等工事(その2)

発注者
環境省
工事場所
保管場:福島県双葉郡大熊町
仮置場:福島県内5町村(パイロット輸送:泉崎村、矢吹町、鏡石町、石川町、中島村)
(本格輸送:大熊町、富岡町、楢葉町、いわき市、天栄村)
施工者
鹿島・三井住友・飛島特定建設工事共同企業体
工事概要
土壌等保管場の線量低減、保管場設置(約48,000m2)、
仮置場等からの除染土壌等輸送及び保管場への定置(搬出元10箇所、約24,000m3運搬)、
運行管理システム、放射線に関する管理
工期
2015年10月~2017年3月
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中間貯蔵施設と輸送工事

中間貯蔵施設は、福島県内の除染で発生した土や放射性物質で汚染された廃棄物を最終処分するまでの間、安全に集中的に管理・保管するための施設です。大熊町と双葉町にまたがる約1,600haの土地に計画され、福島県内から約2,200万m3の除染土壌や除染廃棄物の受入を行う予定です。

本格的な中間貯蔵への受入に先立ち、県内43市町村から約1,000m3ずつの輸送を行う「パイロット輸送」が2015年3月から開始されました。パイロット輸送は、大量の除染土壌等を輸送する段階に向け、安全かつ確実に実施できることを確認するため、概ね1年間程度実施されるものです。

鹿島JVではパイロット輸送として5町村から約5,400m3の輸送を2015年度末までに完了させ、2016年4月から本格輸送として5町村から18,600m3の輸送を行いました。

図版:福島県内における除染実施地域と中間貯蔵施設の候補地の位置関係(環境省資料より)

福島県内における除染実施地域と中間貯蔵施設の候補地の位置関係(環境省資料より)

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工事の概要と特徴

鹿島JVでは、大熊町に土壌保管場を設置し、福島県内10市町村の仮置き場から除去土壌等(約24,000m3)を10tダンプトラック(合計約4,000台)で輸送します。除去土壌等は輸送中の漏洩を防止するため、防水内袋付のフレキシブルコンテナバッグ等に格納し、タグを取り付け、全数管理を行います。

図版:全数管理イメージ

全数管理イメージ

また、輸送車両はGPSにより全車両をリアルタイムで追跡管理することになっています。車両の運行管理には、宮城県災害廃棄物処理事業(石巻ブロック)等でも実績のある、鹿島の「スマートG-safe」を用いています。車両位置情報のリアルタイム性の向上や、管理者とドライバーとの双方向通信の高度化、積載物のトレーサビリティの向上など更なる工夫を加えています。また、輸送の際、沿道の民家や周辺環境への汚染の再拡散のないよう、確実な管理を行っています。

図版:スマートG-Safe 概念図と車載の様子

スマートG-Safe 概念図と車載の様子

また、保管場では、これまで除染工事を行ってきたエリアよりも線量の高い地域での作業となるため、作業者への被ばく管理がより厳格に必要となります。鹿島は、福島第一原発に近接した放射線線量下の作業や除染工事で得られた経験と知見を活かして、被ばく低減を念頭に作業を行っています。

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中間貯蔵施設輸送工事の流れ

図版:中間貯蔵施設輸送工事の流れ

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