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鹿島らが開発した「石倉カゴ」の活用事例が
全国多自然川づくり会議で優秀賞に

2017年12月18日、19日にさいたま市のさいたま新都心合同庁舎2号館で開催された「平成29年度全国多自然川づくり会議」において、静岡県静岡土木事務所が発表した「いはらの川再生プロジェクト」が地域連携・人材育成・普及・啓発部門の最優秀事例に選ばれました。

この「いはらの川再生プロジェクト」は、静岡市清水区を流れる二級河川「庵原川」の河床洗掘防止を目的とした河川維持修繕工事で、根固め工としてニホンウナギなどの水生生物の生息に配慮した多孔質な空間を確保できる「石倉カゴ」を利用し、事後のモニタリング調査を地域住民とともに実施しているものです。河川の治水対策だけでなく、地域住民の関心が高まることを通じて地域コミュニティの形成につながったことが評価されました。

鹿島は「石倉カゴ」の開発をフタバコーケン、粕谷製網、九州大学と共同で行い、また、「いはらの川再生プロジェクト」では、石倉カゴの設置、モニタリング調査の支援等を行いました。

「石倉カゴ」は、ウナギの棲み処を人工的に作り出すことを目的にした人工構造物で、樹脂製のネットの中に現地発生の石を詰めたものです。伝統漁法である「石倉」と、河川工事で用いられてきた伝統的な土木工法である「蛇カゴ」の長所を組み合わせ、樹脂製ネットを用いることでさびることなく、長期にわたって使用できることが特徴です。

石倉カゴは水産庁が進める「鰻生息環境改善支援事業」に採用されており、現在、全国内水面漁業組合連合会と地域の内水面漁業協同組合が中心となり、平成28、29年度の合計で全国18か所、180基の石倉カゴが設置されています。

図版:いはらの川再生プロジェクトについて発表する静岡土木事務所・長井雅昭氏

いはらの川再生プロジェクトについて発表する静岡土木事務所・長井雅昭氏

図版:いはらの川再生プロジェクトの石倉カゴ設置状況

いはらの川再生プロジェクトの石倉カゴ設置状況

図版:多くの地域住民が参加したモニタリング調査の様子

多くの地域住民が参加したモニタリング調査の様子

図版:ニホンウナギも複数採捕された

ニホンウナギも複数採捕された

(参考)
“皆ですぐできる”日本初の『組立式蛇カゴ魚道』を開発別ウィンドウが開きます (2015年9月7日プレスリリース)

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