石垣島のサンゴ保全活動にコーラルネットを活用
鹿島が開発したサンゴ群集再生技術である「コーラルネット」が、石西礁湖自然再生協議会の委員の取組みに活用され、2018年8月上旬に沖縄県・石垣島のリーフにおいてコーラルネットの設置作業が行われました。
沖縄周辺の島々には多種多様なサンゴが生息していますが、近年、陸域からの赤土の流入や海水温の上昇による白化現象、サンゴを捕食するオニヒトデの大量発生などにより多くのサンゴが消失しています。石西礁湖自然再生協議会は、日本最大のサンゴ礁である石西礁湖のサンゴ礁の豊かな生態系を取り戻すことを目的に、地元住民、市民団体、漁業や観光業の団体、研究者、行政機関などが参加している協議会で、鹿島も研究機関として参加しています。
この度、石西礁湖自然再生協議会の委員である「エコツアーりんぱな」の内藤氏の活動に協力することになり、石垣島のリーフでコーラルネットを活用したサンゴの保全活動が開始されました。コーラルネットはシンプルな網状の構造で、赤土の細粒分の堆積を防ぎ、サンゴにとってストレスとなる強い光を軽減させる効果があります。軽量で環境にやさしい素材で作られており、地元のダイバーにより簡単に設置作業が行えます。
今回の活動は、石垣島でエコツアーを主催する「エコツアーりんぱな」が中心になって行い、8月上旬にコーラルネットを設置、コーラルネット上に台風等で折れて海底に落ちたサンゴを取り付けました(特別採捕許可のもとで実施)。今後は、エコツアーでのコーラルネット上のサンゴの観察に加え、サンゴの生育環境として重要な光や温度、波や流れなどのデータも蓄積し、今後のサンゴ再生技術に生かしていく方針です。