大河津分水路改築工事 鋼殻ケーソン1函目を据付
鹿島JVが新潟県長岡市で進めている大河津分水路新第二床固(しんだいにとこがため)改築工事において、2020年5月5日、河床に設置される1函目の鋼殻ケーソンを現地へ引き込む作業が行われました。
大河津分水路は、新潟県及び長野県を流れる一級河川「信濃川」の水を日本海へバイパスして分水するために切り開いて作られた長さ約10kmの人工河川です。信濃川下流に広がる越後平野は今では日本有数の穀倉地帯ですが、昔は低湿地が広がり、毎年のように信濃川が氾濫して洪水が起こっていました。信濃川の河川流量を減らし氾濫を軽減するために作られたのが大河津分水路です。1909(明治42)年から本格的に工事が行われ、1922(大正11)年に初めて通水しました。大河津分水路の完成により、下流の洪水被害は大幅に軽減され、日本有数の穀倉地帯の創出、鉄道や道路などの交通網の発展など下流域に大きな恩恵をもたらしています。
1927年から1931年までに実施した工事(第二床固の建設を含む)は完成から1世紀近くが経過し老朽化しており、また、近年大規模な洪水が発生しているため、洪水処理能力向上や河床洗堀等の防止対策として、国土交通省北陸地方整備局が2015年度から大河津分水路改築事業を実施しています。鹿島JVではそのうち新第二床固改築第Ⅰ期工事を担当。本工事は、洗堀を防ぎ河道勾配を安定させるための新第二床固を、既存の第二床固の下流側に築造します。9基の鋼殻ケーソンを設置し、ニューマチックケーソン工法で河床に沈めていきます。5月5日、1基目の鋼殻ケーソンを分水路河口から起重機船により曳航し、設置箇所まで引込む作業が行われました。今後は鋼殻ケーソンにコンクリートを流し込み、埋設する工事が行われます。9基のケーソンを順次施工し、第Ⅰ期工事の竣工は2023年3月の予定です。
また、改築工事をPRする情報発信基地「にとこみえ~る館」が、6月3日にオープンしました。改築事業の役割を紹介するとともに、パネルや模型、工事を体感できるVRやシアターを設置。周辺地域の見どころなども紹介しています。みえ~る館の2階展望スペースからは工事の様子を一望できます。ぜひ足を運んでみてください。
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