特集光ファイバ ②

維持管理への活用

インフラの維持管理を効率的に、
BCPにも有効活用

光ファイバセンサは、これまでの電気式センサと異なり、屋外環境下においても錆びることなく長期的な活用が可能です。安全で品質の高い施工管理に向けてインフラに設置した光ファイバセンサを残置しておけば、効率的な維持管理や迅速なBCPなどにも活かすことができます。

橋梁

長期耐久性に優れた光ファイバは、供用中の橋梁に対しても、
点検作業の効率化や迅速なBCP判断などに役立ちます。

橋梁は線状の長大構造物であり、その維持管理においては長い供用期間中に生じる変状を漏れなく検知することが重要となります。高耐久でひずみ分布が計測できる光ファイバセンサは、そのための計測方法として最も適しているもののひとつです。例えば、橋梁の維持管理やBCPに役立てることを目的として、施工管理で設置した光ファイバ組込PCケーブルを供用中にも計測できるようにしておき、長期的な変状や地震による変状の検知に役立てている事例があります。

図版

光ファイバセンサが設置された橋梁の例

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施工管理~供用中のPCケーブル緊張力計測結果例

トンネル

光ファイバによって目視確認できない変状の長期挙動を
モニタリング可能です。

供用中のトンネルにおいては、トンネル周辺の地山の長期的な劣化、トンネル近傍での新規トンネルの掘削、あるいはトンネル直上の地盤改変等により、路盤の隆起や覆工等の変状が発生することがあります。しかし、このような変状は、その発生個所や時期、その大きさを予測することが困難であり、また、大きな変状となるまで目視で確認することは容易ではありません。
光ファイバ計測では、そうした変状を長期間にわたりモニタリングし、変状の早期の段階で場所やその程度を把握することが可能です。また、構造物の応力状況を計測することで、実際の状況に基づいた判断や合理的な対策工の検討が可能となります。

図版

盤ぶくれ計測
(新幹線トンネルでの地中変位計測例)

  • 路盤の隆起量だけでなく、変状が大きく発生している範囲を把握
図版

覆工に発生するひずみ計測例
(模擬トンネルでの載荷試験結果)

  • トンネル上部から載荷した際の、覆工表面のひずみを高精度に計測

※本計測事例は、令和3~4年度の国土交通省の建設技術研究開発助成制度(JPJ000094)の「広範囲・網羅的な監視が可能な光ファイバ計測技術によるトンネル維持管理の生産性向上に関する研究開発」で実施されたもので、トンネル工学および計測工学分野の専門家委員会でご意見をいただきながら実施しました。

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