技術最前線
OPSODIS®立体音響
建築環境グループ
複数人に同時に立体音響を実現
立体音響技術「OPSODIS(オプソーディス)」は、騒音振動制御・オーディオ・聴覚医療分野などで世界的に著名な、英国サウサンプトン大学音響振動研究所との協働により実現した技術です。
モノラルからステレオ、5.1サラウンドと発展してきたマルチチャンネル方式は、原理上どこまでチャンネル数を増やしたとしても、ただひとりの視聴者にしか立体音響を提供することができません。それに対して、OPSODISは視聴者の左右それぞれの耳に届く音を独立に制御するという、マルチチャンネル方式とは全く異なる原理に基づくもので、少ないチャンネル数(2ないし3)でマルチチャンネル方式を超える立体音響を実現します。音の周波数に最適化(OPtimal)したスピーカ配置(SOurce DIStribution)をとることで、最も効率よく音の空間情報を再現できるだけでなく、複数の視聴者に同時に同じ立体音響を提供することが可能です。
OPSODISはもともと音楽ホールやスタジオなどの音響設計技術として、設計段階の空間の音響性能を事前に確認(可聴化)するための設計支援技術として発展してきたものですが、複数人を同時に扱うことができ、リアルタイム性にも優れるOPSODISの特質は更なる展開を可能にします。複数人を対象とする必要のあるミニシアター/プレゼンテーションルームの音響設備、無機質な練習室にいながら実在する音楽ホールでの演奏(ソロ/アンサンブル)を疑似体験できる演奏者支援技術、高臨場感を体験することのできる劇場VIPルームの音響設備などといった建築空間への適用がその代表です。
OPSODISは建築業界のみならず、オーディオ業界にも注目される優位技術です。産学/異業種との連携によるオープンイノベーションを通じ、ハイエンドオーディオ、ホームシアターから建築音響設備に至るまで、業種の枠を超えて聴覚の喜びを提供することで、サウンド技術の新世界標準(空気や水のごとく)を目指します。
ここがポイント!
適用が期待される分野
- ミニシアターや劇場VIPルーム
などの音響設備 - 学校の演奏者支援装置
- ハイエンドオーディオ
関連情報
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- OPSODIS®(オプソーディス)は“スグレオト®”(PDF: 1.1MB)
- シャープ株式会社ホームページ:AQUOS オーディオ