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JAXA

自動化建設機械を用いた
無人化施工による
月面拠点建設の実現に向けて

月や火星などの宇宙拠点の建設作業では人間が現場に常駐して作業することが難しく、遠隔地(例えば月であれば地上)からの遠隔施工やさらには自動化された建設機械による無人化施工が必要です。

一方、これまで多くの人手に頼っていた建設産業においても、将来の熟練技能者不足への対策として様々な取組みが進めており、当社では、建設機械の自律・自動運転を核とした次世代の建設生産システム「A4CSEL®」(クワッドアクセル)を開発し、2015年から建設現場に適用を開始しています。宇宙での拠点建設に向けた課題の解決策として、A4CSELの開発で得た自動化施工技術を発展させ、遠隔操作と自動制御の協調による遠隔施工システムの実現を目指して、共同で研究開発を進めています。

月面での施工は地球上とは異なり遥かに離れた場所であり、月面との通信には大きな遅延が発生し、遠隔操作による作業は効率や精度の面で課題となっています。そのため、本格的な自動化機能に加えて、通信遅延に対応した支援機能、地形変化に対応した動作判断機能、複数建機の協調作業機能の開発を進め、遠隔操作と自動制御の協調による遠隔施工システムを実現することを目指しています。2019年3月には月での有人拠点建設を想定した2種の自動化建設機械による実験を行い、拠点建設の実現可能性を見出すことができました。

今後もシステムの機能・性能の向上を図ることでより現実的な技術を確立し、地上における革新的な建設作業を目指すとともに、宇宙での拠点建設の実現に向け、GNSS(衛星測位システム)が使えない月や火星での高精度な位置推定技術、正確な地形認識技術、不安定な通信環境下におけるシステムの安定性確保など、さらなる研究開発を進めていきます。

図版:自動化バックホウと自動化キャリーダンプによる協調作業

自動化バックホウと自動化キャリーダンプによる協調作業

図版:有人拠点建設を模擬した実験状況

有人拠点建設を模擬した実験状況

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