誰一人取り残さない校舎の整備
DX(デジタル技術)/インクルーシブデザイン/
ユニバーサルデザイン
校舎を訪れるすべての人にとって安全な空間は、物理的な建築技術だけでは完成しません。
鹿島は、最先端のデジタル技術(DX)と、多様性を包摂するインクルーシブデザイン、そして多くの人がはじめから使いやすいユニバーサルデザインを高度に融合させることで、誰もが迷いなく、そして安心して活動できる教育環境を追求しています。
DX(デジタル技術)による安心・安全の確保
通学時間を含めると一日の大半を過ごすことになるキャンパスには、安全性への配慮や、安心して勉強に集中できる環境づくりが不可欠な時代になっています。
DXを活用して安全・安心な教育施設を提供するためには、物理セキュリティと情報セキュリティの両面から実現させることがポイントです。
ICカードを活用した物理セキュリティの強化
授業の出欠や本人確認に用いる学生証を、ICカードにする事例が増加しています。ICカードの機能を活用すれば、キャンパス内での物理セキュリティを強化することも可能になります。
例えば学生寮では、ロビーと居室でセキュリティレベルを変更したり、駐車場の入出庫に利用したりすることができます。また、携帯電話から自室の施錠状態を確認したり、遠隔操作で施錠したりすることも可能になります。これにより、寮生活の利便性と安全性が高まり、ご家族の安心にもつながります。
ICカードを活用した学生寮のセキュリティシステム(イメージ)
携帯電話を活用した登下校管理システム
携帯電話・スマートフォンを活用した登下校管理も実用化されています。西南学院小学校(福岡県福岡市)では、子供たちが校門を通過したことをセンサーで感知し、保護者へ知らせるメール配信システムを導入しました。校舎内には防犯カメラも設置し、子どもたちが安心して学べる環境を提供しています。
センサーによる登下校管理(西南学院小学校)
多様性を包摂するインクルーシブデザイン
これからの学校には、国籍、宗教、ジェンダーなど、あらゆる背景を持つ人々が自分らしく過ごせる環境が不可欠です。多様な信仰に対応する「礼拝室(プレイヤールーム)」や、性別を問わず誰もが気兼ねなく利用できる「オールジェンダートイレ」などを計画することで多様性に配慮した空間を計画します。単なる設備の設置に留まらず、心理的な安全性とプライバシーに配慮した設計を通じて、互いの個性を尊重し合える共生社会のモデルとなる教育空間を創出します。
芝浦工業大学大宮キャンパス 創発棟
大宮キャンパスの新たなハブとなる創発棟では、多様な利用者への支援も目標として掲げられました。高齢者、障がい者、LGBTQの方、子供連れの方、外国の方、などの利用者への配慮として様々な対応を行っています。一般的なトイレ・更衣室・シャワー室の他に、介助リフト付き多目的トイレ・フィッティングボード付きオールジェンダートイレ・誰でも利用可能な個室更衣室・車いすでも利用可能な個室シャワー室、を設置しました。より多様な使い方ができる施設になっています。また異なる文化を持つイスラム教の学生や利用者にも配慮し、足洗い場を備えた男女個別の礼拝室も計画されています。1階エントランス近くには授乳室が設けられ、近隣住民の方、来訪したゲスト、教職員や学生の方々など、様々な利用者が気軽に立ち寄れる計画としています。
通常の個室トイレより広く、フィッティングボードも設置されたオールジェンダートイレ
車いすでの利用も可能な個室シャワー室
足洗い場を備えた男女個別の礼拝室
1階の行きやすい場所にある授乳室
東京農業大学 国際センター
世界の農学分野における拠点大学として、キャンパスで培った知見を世界に発信していく役割を担うシンボル的建物、世界の農学フィールドへ旅立つ国際センター"NODAI FLAGSHIP"をコンセプトとした計画です。
「農大の森」と対峙する国際センター
国際センターでは多言語・多文化を楽しみながら学ぶ多国籍の学生たちの活発な交流の場を想定しています。2階には礼拝室を設け、男女トイレとは別にオールジェンダートイレとしてバリアフリートイレを多く配置した計画を解りやすいサイン表示とともに計画しています。
2階 礼拝室・お清めの水場
オールジェンダーバリアフリートイレ
オールジェンダーバリアフリートイレ
認識しやすいサイン表示
人間の感覚に基づくユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとは、利用者の身体能力、利用者が置かれている状況、利用者の体格・性別・国籍などにかかわらず、「使いやすく」「わかりやすい」建築・情報・サービスを創造するという考え方です。このような考え方を導入することで、「危険」「わからない」「使いにくい」という困りごとを解消し、全ての人にとって安全・安心で快適に利用できる空間を創造することができます。
段差のないフロアレベルの設定、障がい者や留学生にもわかりやすいサイン計画など、教育施設にもユニバーサルデザインは求められており、ユニバーサルデザインに基づき設計された校舎は事故防止にも繋がります。
鹿島は専門家と協働し、障がいを持つ学生など様々な利用者から意見を取り入れながら設計を行い、全ての人にとって直観的に分かりやすい、そして使いやすく安全な空間を目指し計画します。
神奈川工科大学 情報学部棟
神奈川工科大学情報学部棟(神奈川県厚木市)では、デザインや手順に一貫性を持たせることで、空間情報を的確に提供しています。部位ごとに、視覚障害者でも分かりやすく認識しやすい統一したデザインとするとともに、色彩や照明、サイン計画では、「誘導」「危険」を喚起させるデザインとしています。
1階エントランスホールでは、安心して歩行できるエリアを御影石のバーナー仕上げとし、注意が必要なエリアと壁際を御影石の磨き仕上げにしています。床材の感触の違いでエリアが識別できます。
2階以上では、安心して歩行できるエリアを柔らかいタイルカーペットとし、注意が必要な壁際などは硬いゴムタイルとしています。
更に、この感触の違う境目をたどって歩いていくと、室名サインのあるところに点状ブロック(警告ブロック)があり、サインを発見できる仕組みとしています。室名サインなどは浮き出し文字と点字で表記しています。
1階エントランス部分
神奈川工科大学 KAIT TOWN
神奈川工科大学にて地域交流の新たな拠点として地域連携・貢献センターやコミュニケーションルームが設置されたKAIT TOWNは、キャンパスで長年実践されてきたユニバーサルデザインの集大成としても計画されました。
内部の床仕上げは壁際で色と質感を切り替え、視覚障がい者が壁を認識しやすい=衝突防止として機能しています。また、トイレでは便器とライニングの色を切り替えることで視認性を高めています。バリアフリートイレには電動介助リフトを、地域連携・貢献センターにはヒアリングループを設置し、介助が必要な高齢者や障がい者も利用しやすくなっています。サインには点字はもちろん、文字そのものが浮き出た立体文字や立体ピクトを用いて、多様な認識の仕方ができるように配慮された計画となっています。
視覚障がい者に配慮した床仕上げ
バリアフリートイレの色を切り替えた仕上げ
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