持続可能で魅力的なキャンパスづくり
グランドデザインの提案
キャンパスには、古い歴史を蓄積させた空間と新しく作られた校舎が共存していく特性があります。新旧が調和した全体としての魅力と、使いやすい機能性を維持していくためには、将来を見据えたグランドデザインが不可欠です。
鹿島は、景観との調和やアクセス性にも配慮しながら、学校の魅力を最大限に引き出す計画を提案します。
桜美林大学 東京ひなたやまキャンパス
地域と芸術が交差する「進化する学び舎」
本プロジェクトは、町田市の旧小中学校跡地を活用し、芸術文化学群の新たな拠点として誕生しました。「人と地域を育てるネットワーク拠点」をコンセプトに、大学・学生・住民が緩やかにつながるオープンスペース構想を具現化しています。
地形を活かした空間構成と交流の創出
敷地の高低差を巧みに利用し、教室棟(啐啄館)とスタジオ棟(桜美林芸術文化ホール)を配置。各所に分散したコモンスペースが、専門分野を超えた学生同士の交流を促します。地域に対しては門や塀を設けず、芝生広場やcafe「ひなたやまテラス」を介して社会へ開かれた場を目指しました。
教室棟(啐啄館)
スタジオ棟(桜美林芸術文化ホール)
意匠を支える高度な技術力
実施設計・施工においては、BIMやVRを用いたシミュレーションを駆使し、関係者との合意形成と価値向上を徹底しました。音楽スタジオでは、町田市在住のオルガンビルダー製作のパイプオルガンを設えた幻想的な音響空間を実現。演劇ホールは外部へ繋がる大扉を備え、創作活動を街へと拡張させます。また、配筋の工夫や膨張コンクリートの採用により、ひび割れのない美しい打放し仕上げを追求しました。
音楽スタジオ
演劇ホール
慶應義塾日吉記念館
記憶の継承・キャンパスの象徴と新たなニーズ
慶應義塾大学の日吉キャンパスにおける、記念館の建て替えプロジェクトです。敷地は日吉駅から続く銀杏並木の終着点に位置し、キャンパス開設時に建設された曾禰中條建築事務所設計の第一校舎(1934年)、第二校舎(1936年)を中庭の両側に従え、日吉キャンパスの要となる場所に位置しています。大学の関係者にとって記憶に深く刻まれる歴史的象徴性を引き継ぎながら、慶應義塾の新たなニーズを取り込んだ設計とすることを心掛けました。
正面外観は歴史的建築物との調和を目指し、白い色彩、列柱、ピロティによる象徴的な構成とし、また周辺への圧迫感に配慮し、屋根を極力低く、室内ボリュームを最大限確保しています。
丘の上のキャンパスの要に位置する記念館
両側の伝統的な校舎との対比をつくる
アリーナは、外周を厚さ60cmのRC構造の壁で取り囲み、その上に、67mスパンの一方向鉄骨トラスで構成された繊細なディテールワークの屋根架構を載せ、最大1万人を収容する完全な無柱空間を実現しています。
ワイドな60m幅のステージに正対した40m×60mのアリーナは、3面のバスケットコートが確保でき、日常的な体育授業及び部活動に加え、入学式、卒業式、OB会、学園祭などに多用途に活用されています。また東京オリンピックの英国チームの事前キャンプにも当該建物が利用されました。
中庭と連続するホワイエ空間
1万人を収容するアリーナ空間
京華学園
三校ワンキャンパス
文京区白山に立地する京華学園は京華中学・高等学校、京華商業高等学校、京華女子中学・高等学校の3校を擁する学校法人です。2022年に創立125周年を迎えるにあたり記念事業として「三校ワンキャンパス」をコンセプトに2024年に校舎再編事業を完了しました。
事業内容としては2つに分かれていたキャンパスのうち、女子校を移転し、一つのキャンパスにまとめるものです。三校それぞれの特色を堅持しながら、新たな交流の中で多様な価値観(ダイバーシティ)に向き合い、新しい時代に活躍できる力強い人材育成の場を目指しました。
白山通りに学園の「顔」としてアピールする新校舎
都心立地キャンパスでの建替え計画
再編事業に当たってはⅠ期工事でテニスコート用地にアリーナと柔剣道場を建設、Ⅱ期工事で既存校舎の1号館を建替え女子校校舎を建設しました。全体工期は32か月と長期間となりましたが、理想的な校舎配置と仮設校舎不要の建替え計画を立案しました。新校舎は道路沿いの高さ制限30mの範囲に効率良く地下1階・地上5階の計画としています。
キャンパス全体俯瞰
建替え計画概要(全体工期は32か月)
明星大学日野校
グランドデザイン キャンパス再編
明星大学は、前回の東京五輪が開催された1964年、緑豊かな多摩丘陵中腹に理工学部5学科で開学しました。以来、文系・理系の幅広い分野で多数の人材を輩出しています。この日野校では、時代の変化と共に、改組改編に伴う学生数の増加、建物の老朽化、文系・理系の学生動線の交錯、2000年の多摩都市モノレール開通に伴う通学動線の変化により、キャンパス再生に向けたグランドデザインの見直しが急務となりました。
鹿島は、長期的視野に立ってキャンパスに必要な機能を充足させることと、存在感ある丘の上に建つキャンパスを構築することを大きな課題としてグランドデザインの見直しに取り組み、新たなグランドデザインに基づく新キャンパスを実現しました。
丘の上に立つキャンパス
多摩丘陵の緑豊かな自然との調和
29号館(理工学部棟) 自然に囲まれた学生ラウンジ
29号館(理工学部棟) 全景
29号館(理工学部棟) デッキテラス
29号館(理工学部棟) 研究室フロア
29号館(理工学部棟) 最上階デッキテラス
新たなグランドデザインに基づく新キャンパスの特徴
- 文系・理系エリアの明確なゾーニング
- 様々な機能のネットワーク化にも資する「学生達の居場所づくり」の提供
~各エリアを結ぶ主要動線上にオープンスペースを創出 - 様々な交流が触発される「連続する賑わいのあるキャンパス」
~敷地高低差を利用した立体的なゾーニング(変化に富んだ景観) - キャンパス全体の連続性あるファサード(建築物を正面から見た外観)
~自然の織りなす美しい色であるアースカラーを基調とした外壁や、建築物の輪郭線が空に描くスカイラインの統一
学習院目白キャンパス
キャンパスデザインコードの継承
学習院目白キャンパスには、草創期にあたる1900年代に建てられた校舎が今でも多く残っています。初期の代表的建築である西1号館、南1号館はネオゴシック様式であり、スクラッチタイルの外壁、低層部の花崗岩によるポインテッド(尖頭)アーチ、頂部の柱型等が特徴的です。本キャンパスでは各建物にこれらのデザインモチーフがちりばめられ、キャンパスライフの様々な場面を彩り、キャンパス全体の統一感をもたらしています。
学習院 目白キャンパス全景
西1号館
南1号館
中央教育研究棟 正面
中央教育研究棟 正面
中央教育研究棟 側面
鹿島は、これらキャンパス内の建造物の建築年代や耐震性、機能性から改修の要否を整理した建物診断カルテを作成し、お客様に、将来に向けた長期的なキャンパス整備方針を立案するための基礎データとして提供しました。
デザイン面でも、尖頭アーチを外観の特色とした建物をキャンパスの価値として活かし、歴史あるキャンパスの魅力を最大化するサポートを行いました。
建物カルテで長期的なキャンパス整備方針を立案
尖頭アーチとは?
ゴシック建築において採用されるようになった、スパン(梁間)の半分よりも長い半径をもつ2つの円弧でつくられる先端のとがったアーチ。
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