免震・制震・耐震とは
建物の安全と機能を守り、快適な教育環境を創る
免震は揺れを逃がす構造、制震は揺れを吸収する構造、耐震は揺れに耐える構造です。
免震構造
地盤と建物の間に地震を受け流す免震装置を設置し、建物への地震力の伝達を低減します。
- ・ウインカー工法
- ・スマート免震基礎工法
- ・居ながら免震
制震構造
建物内に揺れを吸収する制震装置を設置し、揺れを低減します。建物の状況に合わせ、様々な制震装置を提案します。
- ・HiDAX、HiDAM
- ・ハニカムダンバ
- ・居ながら免震
耐震構造
耐震構造は、太く頑丈な柱・梁で建物自体が地震に耐えうる強度で造られています。
- ・耐震診断
- ・耐震補強
免震構造
免震構造は、地盤と建物の間に免震装置を設置することにより、建物への揺れを低減します。
研究設備や什器等の転倒を抑えられるので、安全性は飛躍的に向上します。また交通などの振動対策にも有効です。
通常の建物:通常の建物が受ける地震力
免震構造の建物:免震の建物が受ける地震力
免震装置設置状況
免震装置例
免震構造の特長
①地震の揺れを1/2〜1/5に低減します。
免震装置は地震の衝撃を吸収し、構造躯体への地震力の伝達や変形を低減します。
②研究設備や什器等の転倒・破損を防止し、大切な財産を守ります。
建物の揺れを低減するため、研究設備や什器等の転倒が少なくなり、安全な環境を維持します。
③学習機能の継続を実現します。
①②の特徴や設備配管等の破損も軽減できるため、災害後の学習機能の継続に寄与します。
免震レトロフィット
免震レトロフィット工事は、既に建っている建物に対して、上部の躯体に耐震部材を加えることなく地震に強く安全な建物にすることが可能なため、歴史的価値が高い建物や公共施設など業務の中断が難しい建物に有効です。
鹿島では、東京丸の内駅舎保存・復原工事に代表されるような免震レトロフィット工事の実績が多々あり、お客様の大切な建物を安全に免震改修できる技術を有しています。
東京駅丸の内駅舎保存・復原工事という国家的プロジェクトで培われた技術は、キャンパスにおいても学園のシンボル的な記念校舎の保存や、実験・研究施設を振動から守るための免震工事に応用展開されます。
免震レトロフィット
順天堂大学 新研究棟 安全・安心 快適な教育・研究環境の実現
東京都文京区本郷・お茶の水キャンパス順天堂大学新研究棟では、より安全で快適な教育・研究環境を確保するため、学生・研究者の「命と研究成果を守る」構造計画として60mを超える超高層建築免震+ハイブリット構法、大空間の特定天井、活動の自由度を確保する20mロングスパンの構造エンジニアリングを展開しています。
超高層免震+ハイブリット構法による20mロングスパン基準階を実現
超高層免震に加え、柱/RCによるPC/プレキャストコンクリート+梁/S造+中間柱/CFT柱のハイブリット構法を計画し、CFT柱には環境にやさしいCO₂排出量40%削減する環境配慮型充填コンクリートを採用しています。PCアウトフレームによる窓廻り部の室内環境の最適化、高耐震化・特定天井による交流大空間の安全環境の向上、20mロングスパンによる免震層設計の合理化と大空間化、アンボンドブレースの計画的配置を採用し医学教育・研究環境を守る安全・安心な大学実験棟を実現しました。
低層階 大講堂(525席)
低層階 大型実験空間
中間階 20mロングスパン基準階 空間自由度の高い革新的なオープンラボ
最上階 大型交流空間 国際カンファレンスルーム
多摩美術大学 図書館 ─安全性とデザイン性の両立─
多摩美術大学八王子キャンパスの新図書館(2007年竣工)は、2008年度の日本免震構造協会賞の作品賞を授賞した建物です。
「図書館という重いイメージの建物をハイヒールのように細くくびれた足で支えたい」という意匠デザインを、免震構造で実現しているところが評価されました。
51基の免震装置と、FEM解析(有限要素法)などの解析手法による精度の高いモデル化を行うことにより、スレンダーなアーチのみで構成される開放的な空間を実現させ、安全と構造美を見事に両立させました。
内観
外観
地下階のアーチ脚部に設けられた免震装置
構造体の応力解析を可視化し、構造検討にフィードバック
免震構造の適用事例
北里大学獣医学部 本館B棟(十和田キャンパス)(青森県・免震)
清泉女学院中学高等学校 南棟
(神奈川県・免震レトロフィット(曲面すべり支承))
制震構造
細く高い形状の建物では、免震ではなく制震の方が有効な場合があります。アクティブ型(機械装置を駆動させて揺れを抑える)、パッシブ型(建物に組み込んだ装置が揺れを吸収する)など、鹿島独自の多様な制震メニューから、対象建物に最適なソリューションを提案します。
下記のほかにも、より安心・安全な建物の提供を目指して、継続的に新たな技術開発に取り組んでいます。
鹿島の制震ラインナップ
- HiDAX-s
- HiDAX-e
- HiDAX-u
- HiDAM
- Nu-DAM
- DUOX
- ハニカムダンパ
制震構造の特長
①都市型の超高層建物にも適する構造形式
制震構造は、免震構造に比べて長周期地震動に対しても効果を発揮するため、超高層建物にも適しています。
②風揺れに対しても効果を発揮
強風時の建物の揺れが小さくなり、安全な学習環境を提供できます。
制震構造の適用事例
明星大学日野校 29号館(理工学部棟)
(東京都・ハニカムダンパ)
共立女子学園 神田一ツ橋本館
(東京都・ハニカムダンパ)
新たな制震技術の提案
2022年度日本建築学会技術部門設計競技
「おもい」を積み上げる学び舎 ― E³ School Systemによる地域共育拠点の創出 ―
イメージパース
鹿島は2022年度の日本建築学会技術部門設計競技において、既存の鉄筋コンクリート造(RC造)の校舎の再生技術として「E3 School System」と名付けた学校施設改修用の構造システムを提案致しました。
増築部をTMD※1として利用するアイデアであり地震という非常時に必要な耐震性と、常時における建物機能を同時に向上させることが可能であり、時代背景や社会環境などに応じた建物への要求機能の変化に対応しつつ、耐震性を大きく高めて建物を永く使い続けることができる、サーキュラーエコノミーにも資する画期的な技術です。この提案を発展させた「E3SKY®」(イースカイ)※2は2026年2月から開始する東京都文京区本郷・お茶の水キャンパス順天堂大学新研究棟では、より安全で快適な教育・研究環境を確保するため、学生・研究者の「命と研究成果を守る」構造計画として60mを超える超高層建築免震+ハイブリット構法、大空間の特定天井、活動の自由度を確保する20mロングスパンの構造エンジニアリングを展開しています。鹿島技術研究所本館(東京都調布市)の増築制震リニューアル工事に初適用されます。
架構イメージ
※1 Tuned Mass Damper: 同調質量型制震装置
※2 Energy dissipation×Expansion×Environment of Simple Kajima stYle: 鹿島式増築制震技術
耐震補強
免震補強や制震補強も含め、建物の耐震性能を向上させることを耐震補強といいます。
免震構造や制震構造以外にも、筋交い(ブレース)や耐震壁の設置、柱や梁の補強など、補強には様々な構法がありますが、それぞれその効果は異なります。
鹿島は、老朽化の度合い、耐力、周辺環境など校舎の特徴を分析し、補助金の活用も含め、最適なソリューションや構法を提案します。
豊富な補強構法
耐震補強の適用事例
八雲学園中学校・高等学校
(東京都・パラレル構法/鉄骨フレーム補強)
神奈川工科大学 情報学部棟
(神奈川県・ハイブリッドマルチタワー構法)
中村学園大学・中村学園大学短期大学部 音・体育館
(福岡県・CFT圧縮ブレース耐震補強法)
パラレル構法とは?
パラレルフレームと細いPC鋼材で建物外部から補強を行います。そのため、良好な室内環境を確保することができます。
鉄骨フレーム補強とは?
方形のロの字型フレームを採用することで窓開口を確保し、補強後の教室の使い勝手及び通風、採光を確保しています。
ハイブリッドマルチタワー構法とは?
中央のコア壁に耐震性能を集約させる構造。床や間仕切りの可変性を高め、自由な教室ボリュームを創ることが可能となります。設備配管の変更も容易なことから、中高層の校舎に最適です。
自然災害から学校を守る インデックス
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