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橋の歴史物語

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  9-1 グレート・ベルト・リンク
(Great Belt Link)
(デンマーク)
 

グレート・ベルト・リンク

グレート・ベルト・リンク

リトルベルト

リトルベルト

デンマークは島の国です。 ユトランド半島から東に、フュン島(Funen)、そして、首都コペンハーゲンがあり国の半分の人々が住むツェラン島(Zealand)、と並んでいます。そして、その先が海峡を挟んでスウェーデンになっています。 これらの島々を橋でつなぐプロジェクトが20世紀後半に進められてきました。ユトランド半島とフュン島を結ぶルート、「リトル・ベルト」は、1980年代に橋の架設を終わっています。道路と鉄道の併合橋です。 フュン島とツェラン島間「グレートベルト・リンク」は18kmと本四連絡橋のルートよりもずっと長距離です。この海峡のちょうど中央にある小さな島を境に、西ベルトと東ベルトに分けて、最善の案を検討した結果、西ベルトは2本のコンクリートガーダー橋でつなぐこととしました。一つは道路用(1997年完成)で桁幅は25m、もう一つは鉄道用(1994年完成)で幅13mです。両方の橋とも、ゆったりとしたアーチを描いています。東ベルトは、鉄道はトンネルでくぐることとし、道路用として橋が計画されました。この橋は、中央径間1624mの橋梁史に残る長大吊り橋です。橋の下は航路となっているので、水面から桁下までは65mの高さをとっています。この橋は1998年完成しました。首都コペンハーゲンとヨーロッパ大陸が陸続きになった経済的な効果は、はかりしれません。 こうして、リトルベルト、グレートベルト・リンクの計画を達成したデンマークは、スェーデンと橋で結ぶ「オーレスン・リンク」を残すのみとなりました。

 
 
 
  9-2 オーレスン・リンク
  (Фeresund Link)
 

「オーレスン・リンク」は、デンマークとスウェーデンの国境にあるオーレスン海峡を道路4車線、鉄道複線で連絡する大規模なプロジェクトです。すでに開通しているリトルベルト、グレートベルト・リンクと併せて、ユトランド半島とスカンジナビア半島を結ぶ自動車と鉄道のネットワークが完成します。 このプロジェクトは、1995年に着工。全長16kmで、海峡中央付近に人工島(ペパー島部 4km)を造り、西側のデンマーク側は沈埋トンネル(約3.5km)東側のスウェーデン側は橋梁(約8km)になります。

橋梁部分は道路鉄道併用橋として世界最大です。中央径間490mの斜張橋とその前後の高架橋(鋼トラス)により構成されます。橋梁は上下のダブルデッキで上を4車線の道路、下を複線の鉄道が通ります。主桁はスペインで製作され、これをスウェーデン側の都市マルメのヤードで大ブロックとし、グレートベルト・リンクの架設でも使用された8700トン吊りの起重機船「スワン」により一括架設されました。主塔はコンクリート製で高さは204mです。 1999年8月にスウェーデンの皇太子妃とデンマークの皇太子がオーレスンブリッジ最終架設を祝いました。 そして、2000年7月1日、スウェーデン、デンマーク両国のロイヤルカップルによる特別列車が海峡部に作られた人工島で出会い、式典を行い、開通を祝いました。 今後、北欧諸国の経済的、文化的交流がいっそう促進されることが期待されます。

 
 
 
  9-3 西洋と東洋を結ぶ橋…地中海での動き
 

ジブラルタル海峡

ジブラルタル海峡

イタリアのメッシナ海峡に、吊り橋の限界ともいえる架橋計画があります。(「メッシナ海峡大橋」中央径間3300m) アジアに入ってトルコでも、ボスポラス海峡のすぐ南のイズミット湾にBOT方式(民間が建設・運営し、有料方式で運営して建設費を償還したあと国に返す方式)で「イズミットベイ・ブリッジ」の計画が進められており、日本企業5社とイギリス、トルコの7社が連合し受注しています(2002年完成予定)。 全長は2800m。湾の深い部分にかかるのは中央径間1688mの吊り橋で、完成すれば、世界第2位となります。 トルコでは、アジアとヨーロッパを結ぶ「ダーダネルス海峡連絡橋」の計画があります。 エジプトでは、日本政府が建設費の6割を無償援助して、スエズ運河に橋を架ける計画があります。

大陸間を結ぶ橋の構想も検討されています。 地中海の入口、ジブラルタル海峡では、ヨーロッパとアフリカ大陸を結ぶ橋の構想も検討されています。

 
 
 
  9-4 中国の架橋プロジェクト
 

中国最初の吊り橋は、1995年広東省仙頭に架けられた「仙頭海湾大橋」(span=452m)。その翌年の1996年三峡ダムサイトのすぐ下流の長江にその2倍の「西陵長江大橋」(span=900m)が架けられました。1997年には、広東省珠江の河口に「虎門大橋」(span=888m)、同年末には、返還前から建設中だった香港の「ツィンマ橋」(span=1377m)が完成、そして世界第4位になる「江陰長江大橋」(span=1385m、江蘇省)も1998年完成しています。 着工、或いは、計画中の橋が6つあり、なかでも海南島に計画されている橋は、中央径間2500m、もしできれば、世界一となります。 このほかにもマカオの対岸の珠海市と九龍半島の間の27kmの海に島と人工島伝いに橋を架ける構想も動き出しています。

 
 
 
  9-5 21世紀世界の成長地帯・東アジア回廊
    (コリドール)
 

日本から朝鮮半島、中国沿岸地域を通って、ジャカルタに至る「東アジア回廊(コリドール)」の経済発展は著しく、おそらく2025年から2030年くらいに世界で一番注目される地域になるといわれています。

東アジアの架橋計画では、インドシナ半島では、メコン川に4本の新たな長大橋の計画が動き出しています。(その内の2本は日本の資金援助が予定されています。)

マラッカ海峡では、マレーシアとインドネシアの手による架橋計画があります。これによってマレー半島とスマトラ島が結ばれます。また、スマトラ島と首都ジャカルタのあるジャワ島間のスンダ海峡にも架橋計画があります。

もし、対馬海峡が橋かトンネルで結ばれると、一本の道路で東南アジアまで結ばれることになります。その日がいつかくるに違いありません。

 
 
 

 

※このコンテンツは、2001年に開催されたインターネット博覧会出展時のアーカイブです。

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