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橋の歴史物語

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  10-1 橋とトンネルのどちらを選ぶ?
 

海峡を結ぶ場合、まず、持ち上がるのが、橋がよいか、トンネルがよいかという問題があります。海が広くて深い場合、橋脚が建てられないので、トンネルしかありません。しかし、トンネルに自動車を走らせようとすると、現状では約5kmおきに換気塔をつくらなければならないのでトンネル案は難しくなります。東京湾アクアラインの場合には、川崎寄りが船舶の交通が多い水域で架橋が難しく、その中間点に換気塔を兼ねた人工島をつくることが可能だったので、この部分は海底トンネルとしました。 英仏海峡のユーロトンネルは換気塔が不可能なので、列車だけを走らせています。車はカートレインに乗せて運ぶことになっています。ロンドンとパリを直結する旅客列車は利用率が高いのですが、カレとドーバーを結ぶカートレインは、乗り継ぎの不便さも手伝って、利用者は少なく、採算は厳しいようです。 クルマ社会にマッチするのは橋ということになりそうです。

 
 
 
  10-2 水深が浅ければ、桁橋
 

セブンマイルブリッジ

セブンマイルブリッジ

水深が浅ければ、海峡がどんなに広くても、橋を架ける上では技術的な問題はありません。橋脚を沢山建て橋桁でつなぐ桁橋とすればよいのです。 世界で一番長い橋は桁橋で、アメリカ・ニューオリンズの近くにあるポンチャントレイン・コーズウエイで全長で40キロもあります。 アメリカ・フロリダ半島の南端から島伝いにメキシコ湾に浮かぶ南の楽園・キーウェスト島に至るオーバーシー・ハイウェイは、全長が160キロです。大半は島で、42ある橋の内、最も長いセブンマイル・ブリッジで11キロになります。周辺の海域全体が珊瑚礁で水深が浅いため、すべて桁橋です。 日本でも、東京湾横断道路の木更津側の橋梁部分や、関西国際空港の連絡橋などすべて桁橋です。

 
 
 
  10-3 橋のスパンはどこまで延ばせるか
 

ケベック橋

ケベック橋

橋のスパンの長さは、橋の形式によって決まってきます。 桁橋では、現在、一番径間の長い橋はブラジルのリオ・ネテロイ橋(コスタ エ シルバー橋、1973年)で、300m。桁橋ではこれぐらいが限界です。 桁橋を剛トラスで補強するトラス橋では、スパンが510mの港大橋(大阪)、549mのケベック橋(カナダ)があります。トラス橋もこのあたりが限界です。 斜張橋では、スパン890mで現在世界1位の多々羅大橋(本四連絡橋今治-尾道ルート)、スパン856mで世界2位のノルマンディー橋(フランス)までのびてきました。しかし、斜張橋もこれ以上長くなると、水平に橋桁にかかる力が大きくなり、工事も難しくなるので、1000m程度が限界です。

 
 
 
  10-4 吊り橋のスパンはどこまで延ばせるか
 

長さの比較

長さの比較

スパン1000m以上の橋は現在のところ、吊り橋しかありません。吊り橋のスパンは、ブルックリン橋以来、約半世紀を経たジョージ・ワシントン橋で2倍にのびています。その後、70年経った明石海峡大橋で更に約2倍になっています。吊り橋の中央径間がのびてきたのは、主塔を高くしたり、橋荷重を軽くするなど設計上の工夫にもよりますが、橋をつるケーブルの材料、つまり鋼線の強度が大きく関係しています。

吊り橋に使う鋼線の強度はどこまで改良されるのでしょうか。 明石海峡大橋に使用した鋼線は1mm2あたり、180kgの高張力鋼です。現在では最高の強さです。200kgまでの高張力鋼は開発ができるといわれています。 もし、この鋼線を使うと、スパン4000mまでの橋は架けられるそうです。しかし、これだけの吊り橋を架けるには、高さ400mの主塔が必要となり、現在では、それだけの巨大な主塔を海の中に建設することはできません。 結局、吊り橋の限界は、3500mくらい。現在計画中のメッシナ海峡大橋(Strait of Messina Bridge、イタリア、スパン3300m)が最長の橋となりそうです。

 
 
 

 

※このコンテンツは、2001年に開催されたインターネット博覧会出展時のアーカイブです。

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