プレキャストブロック自動据付システム
汎用建設機械にカメラ、人工筋肉ロボット等を搭載してブロックを自動据付
2011年の大雨による土砂災害復旧工事である赤谷3号砂防堰堤工事は、崩落斜面直下での作業となるため、6月~10月の出水期には人が立ち入れず、無人化施工が前提条件になります。従来の無人化施工はカメラモニタを見ながらの遠隔操作になるため、カメラの死角などによる作業効率の低下やオペレータの疲労による誤操作のリスクがありました。
そこで、自動化、ロボット化の効果が高い繰り返し作業であるプレキャストブロックの据付を自動化しました。汎用重機にカメラや人工筋肉ロボットを搭載し、ブロックの位置測量にはARマーカによるAR測量を適用しました。
本システムにより、遠隔操作による無人化施工と比較して20%以上の生産性向上を図り、オペレータの疲労を大幅に低減しました。また、GNSS受信圏外でも自動化施工を実施することができます。
特許登録済
令和3年度土木学会 技術賞(Ⅰグループ)
2022年度エンジニアリング功労者賞
令和4年度建設施工と建設機械シンポジウム 優秀論文賞
令和4年度地盤工学会 技術業績賞
令和5年度日本建設機械施工大賞 最優秀賞
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プレキャストブロック自動据付(全景、操作室内)(動画:59秒/音なし/2倍速)
関連情報
- キーワード
- 災害復旧、無人化施工、遠隔操作、プレキャストブロック、コンクリートブロック、自動化、汎用重機、カメラ、ARマーカ、
AR測量、人工筋肉ロボット、省人化、負担低減、生産性向上、高精度
システムの概要
本システムは高価な自動化専用の建設機械ではなく、汎用バックホウに各種センサ等を装備することにより、精度よく重機姿勢を算出します。
キャビン上部に搭載したカメラを用いてプレキャストブロックに貼り付けたARマーカを画像認識し、AR測量によって動作の目標座標とブロック面の角度を瞬時に算出します。これらの情報を元に独自開発した自動運転システムにより、ブロック面の角度を含めた自動運転指示データを作成します。この自動運転指示データに従って汎用バックホウの運転席に設置した人工筋肉ロボットを自動制御します。
これらの技術によって誤差10mm以下の高い精度で、プレキャストブロック据付の自動化を実現しました。

自動運転フロー

位置計測方法と人工筋肉ロボット
特長・メリットココがポイント
無人化施工に比べ20%以上の生産性向上
遠隔操作による無人化施工では、把持操作や据付の微調整、再設置など多くの時間を要していましたが、自動運転により、微調整や再設置操作が不要となり20%以上の生産性を向上させることができます。
有人施工ではブロック揚重のクレーンオペレータや玉掛者、測量など、5名程度の作業員が必要なのに対して、自動化施工ではオペレータ1名で実施できます。
また、オペレータ1名で複数台の重機を自動運転操作させることにより、更なる生産性向上と省人化が期待できます。

プレキャストブロック据付 自動化施工状況
オペレータの疲労による誤操作リスク低減
無人化施工では複数のカメラモニタを凝視しながら、長時間にわたって遠隔操作するため、オペレータの疲労を助長し、誤操作のリスクがあります。自動運転によって、オペレータの作業はモニタを見ながらの監視と異常時の対処のみとなり、誤操作リスクを大きく低減できます。

自動運転監視状況(操作室)
汎用重機に自動化設備を装備して自動運転が可能
本システムは汎用の重機(今回:バックホウ)にカメラや人工筋肉ロボット、計測機器等を後付けして自動運転を実施することが可能です。
システム開発などの準備期間が短くて済み、災害復旧などの急を要する現場での無人化施工や自動運転に迅速に対応することができます。

汎用バックホウに設置する自動運転用設備
適用実績

赤谷3号砂防堰堤工事
場所:奈良県五條市
竣工年:2023年3月
発注者:国土交通省近畿地方整備局
規模:プレキャストブロック×824個
学会論文発表実績
- 「大型プレキャストブロック据付の自動化施工」,建設施工と建設機械シンポジウム,2022年
- 「赤谷3号砂防堰堤工事におけるブレキャストブロック据付の自動化施工」,基礎工,2022年1月号
- 「大型プレキャストブロック据付の自動化施工」,建設機械施工,2022年4月号
- 「大型プレキャストブロック自動据付システムの開発」,土木学会,第76回年次学術講演会,2022年