CONCRETE@i®
(コンクリート・アイ)
コンクリートの状態を見える化し、品質を確保・向上!
コンクリート構造物は、車などの製品と異なり、「一品生産」と言われます。特に、コンクリート工事は、地域によって性状の異なる生コンクリートを、異なる部位に、異なる条件で施工し、季節や天候に左右されながら進めなければならず、施工方法や管理が不適切だと、構造物の品質低下を招き、寿命を短くしてしまいます。
鹿島では、生コンクリートの受入れ時の性状や打継ぎ処理の状況、表層の品質など「コンクリートの状態」をリアルタイムで「見える化・データ化」して管理をし、データに基づいた振返りによる改善活動(PDCA)に反映させて、構造物の品質を確保するためのシステム「CONCRETE@i®」の構築を進めています。施工情報を蓄積・分析し、よりよい構造物の構築を実現します。
令和4年度土木学会 技術開発賞
令和2年度「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」総合評価A
- キーワード
- コンクリート工事、品質確保、施工管理、見える化、デジタルデータ、PDCA
データに基づくPDCAで品質確保
「CONCRETE@i®」により、以下のことを可能にします。
①コンクリートの施工にかかわる情報をリアルタイムでデータ化し、状況判断や品質管理への反映を高速化
②画像データを含む情報を、工事関係者と遠隔臨場で共有し、管理および検査を高度化・省人化
③施工状況と品質を紐づけてデータ分析し、品質と生産性を向上(PDCA)
④施工情報のエビデンス管理とトレーサビリティを容易に
⑤データの蓄積と分析により、属人的なノウハウ(暗黙知)をデータで継承、より良い施工を実現
トラブルを防止し、コンクリート構造物の品質と施工管理・検査の生産性を向上させます。

遠隔臨場による確認状況とシステム導入による時短効果

CIMと連動させた品質のトレーサビリティ
適用実績

東京外環中央JCT北側ランプ
(その2)工事
(令和2年度PRISMにて試行)
場所:東京都三鷹市
竣工年:2022年3月
発注者:国土交通省関東地方整備局
規模:函渠構造物 コンクリート約2.7万m3
鉄筋約4,730t
学会論文発表実績
- 「コンクリート工事を見える化する -データプラットフォーム「CONCRETE@i」を構成する各種要素技術-」,建設機械施工,Vol.72,No.9,2020年9月
- 「コンクリートの状態・作業状況を見える化する「CONCRETE@i®」~その構成技術と適用事例~」,セメント・コンクリート,No.895,2021年9月
コンクリートの表層品質AI目視評価アプリ
(CON@i)
コンクリート構造物の表層の状態を現場で・誰でも・簡単にデータ化
高速道路の連続ボックスカルバート、橋梁、トンネルなど、長期にわたりコンクリートを打設する現場では、コンクリート打設のたびに表層品質向上のPDCAサイクルを回し、改善を図っています。しかし、打設後のコンクリートの表層品質を定量的に評価・分析するには専用の試験装置や専門技術者による判定が必要であったことから実施されない場合が多く、評価結果に基づいて品質向上のための改善を行うのは極めて困難でした。
本アプリは、タブレットで撮影した写真から表層品質の評価・分析ができます。現場で・誰でも・簡単にコンクリート構造物の表層品質を評価し、データに基づく品質向上のPDCAサイクルを実践できます。
2019年日本コンクリート工学会 技術賞


コンクリートの表層品質を評価している様子
- キーワード
- コンクリート工事、品質確保、品質向上、表層品質、見える化、AI、高度化、PDCA
本アプリの概要
本アプリを用いることで、現場で・誰でも・一定の精度でコンクリート構造物の表層品質を評価できます。評価の手順は、以下のとおりです。
①タブレットのカメラでコンクリートの表層の写真を撮影。
②コンクリート表層品質を6つの項目(打重ね、表面の色つや、表面気泡、沈みひび割れ、型枠継ぎ目のノロ漏れ、砂すじ)に分けて、1点から4点まで0.5点刻みでタブレットに評価を入力。評価は、点数入力の際に表示されるグレード分けされたサンプル画像と撮影した写真を比較できるため、容易に判定可能。
③AIが6項目の評価値を0.1点刻みで表示。AIによる評価を目安に②で入力した評価をチェックするため、入力者の個人差を解消した一定精度での評価が可能。

表層品質AI評価アプリによる判定の一例
特長・メリットココがポイント
品質向上のためのPDCAサイクルを効率的に実施
表層品質の評価結果はクラウド上に自働保存されるため、同一現場での評価結果の推移を即座に確認できます。また、評価点に応じて、表層品質向上のための改善ポイントが表示されるため、PDCAサイクルを効率的に実施できます。

評価結果の推移の一例

表層品質向上のための改善ポイント表示の一例
デジタル化により評価・検査の効率化が可能
発注者の立会い検査を遠隔臨場で実施することで、管理・検査の省力化を実現できます。
帳票がワンタッチで自働作成されるため、作業の省力化にも寄与できます。

出力帳票の一例
適用実績

海老江工区開削トンネル工事
場所:大阪府大阪市
工期:2024年10月(予定)
発注者:阪神高速道路
規模:開削トンネル区間
土工・擁壁区間延長508m 高架橋下部工13基

隼人港橋下部工工事
場所:鹿児島県霧島市
竣工年:2024年9月(予定)
発注者:西日本高速道路
規模:橋梁下部工 コンクリート工約800m3
鉄筋約88t

東京外環中央JCT北側ランプ
(その2)工事
(令和2年度PRISMにて試行)
場所:東京都三鷹市
竣工年:2022年3月
発注者:国土交通省関東地方整備局
規模:函渠構造物 コンクリート約2.7万m3
鉄筋約4,739t
学会論文発表実績
- 「AIを活用した表層品質目視評価システムの構築と現場運用に関する一考察」,コンクリート工学年次論文集,Vol.45,No.1,2023年
- 「AIを用いた沈みひび割れ目視評価点の判定に関する一検討」,土木学会,第77回年次学術講演会,2022年
- 「機械学習を活用した目視評価による表層品質評価システムに関する一検討」,コンクリート工学年次論文集,Vol.42,No.1,2020年
- 「目視評価法によるコンクリート構造物の表層品質評価の継続的適用と各種品質向上施策の効果の検証」,コンクリート工学年次論文集,Vol.39,No.1,2017年
- 「コンクリート構造物の品質向上と表層品質評価手法」,コンクリート工学,Vol.50,No.7,2012年
コンクリートの打継面評価システム
(CON@i)
「誰でも」「どこでも」一定の基準で打継面の状態を良否判定!
コンクリート打継面処理の良否判定は、これまで検査員の感覚・経験によって判断されていることから、ばらつきが生じやすいのが実状です。しかし、打継面の処理はコンクリート構造物の品質を確保する上で重要な工程であり、処理が不十分であると漏水やエフロレッセンス、鉄筋腐食等が生じ、構造物としての機能や耐久性の低下に直結します。熟練技術者が減少していく中、コンクリートの打継面処理の良否を一定の基準で判定し、品質を確保していく手法が望まれています。
そこで鹿島は、タブレット端末で撮影した写真から打継面処理状態の良否をリアルタイムで判定し、見える化するシステムを開発しました。
特許登録済


タブレットで打継面を撮影

打継面の評価結果画面
関連情報
- キーワード
- コンクリート工事、品質確保、打継面処理、見える化、高度化、遠隔臨場
本システムの概要
本システムは、打継面処理が不十分な箇所を「その場で」「瞬時に」検出できるシステムです。タブレット端末を用いて撮影した画像に対し、アプリケーションで評価する範囲を選択すると、任意のメッシュごとに、処理が十分な箇所は「青」、不十分な箇所は「黄」、「赤」で段階的に表示します。
打継面の処理状態を客観的に見える化することで、検査員の経験の差によらず、「誰でも」「どこでも」一定の基準で良否判定できるため、打継面の品質を確保・向上することができます。

本システムの使用手順

システムを使用した検査・判定の流れ
特長・メリットココがポイント
誰でもどこでも一定の基準で判定
判定は、打継面の凹凸の状態や粗骨材の露出状態によって異なる「輝度分布」を指標としています。
デジタル値で良否を判定するため、その場で、感覚によらない客観的な判定が可能です。

画像の輝度分布を用いた打継面処理の良否判定の概念
デジタル化により管理・検査の省力化が可能
発注者と施工者の合意形成に活用でき、立会い検査を遠隔臨場で実施することで、管理・検査の省力化を実現できます。
帳票が自働作成されるため、トレーサビリティを確実に行え、作業の省力化にも寄与できます。

管理・検査帳票の一例
適用実績

東京外環中央JCT北側ランプ
(その2)工事
(令和2年度PRISMにて試行)
場所:東京都三鷹市
竣工年:2022年3月
発注者:国土交通省関東地方整備局
規模:函渠構造物 コンクリート約2.7万m3
鉄筋約4,730t

京都線・千里線淡路駅周辺
連続立体交差工事
(若手職員の教育ツールとして活用)
場所:大阪府大阪市
竣工年:2022年1月
発注者:阪急電鉄
規模:ラーメン高架橋(幅:13m~28m、高さ:17m~23m)
2層トラス橋2橋(60m、77m)

成瀬ダム堤体打設工事(第1期)
場所:秋田県雄勝郡東成瀬村
工期:2018年5月〜2023年3月
発注者:国土交通省東北地方整備局
規模:堤高114.5m 堤頂長755m
堤体積485万m3の台形CSGダム
学会論文発表実績
- 「画像処理による打継処理の評価システムの開発」,土木学会,第70回年次学術講演会,Ⅴ-448,2015年9月
- 「水平打継面における処理方法の違いが表面形状および付着強度に及ぼす影響」,土木学会,第70回年次学術講演会,Ⅴ-225,2015年9月
- 「画像による打継面の処理状態の簡易評価方法の検討」,土木学会,第71回年次学術講演会,Ⅵ-776,2016年9月
- 「画像による打継面処理状態の簡易評価方法の改良」,土木学会,第72回年次学術講演会,Ⅵ-864,2017年9月
生コンクリートの全量受入れ管理システム
(CON@i)
リアルタイム判定で施工性の悪い生コンクリートを排除
コンクリートの品質管理・検査においては、初期欠陥を生じるリスクの高い生コンクリートを確実に排除することが重要です。しかし、一般に、スランプ試験等のコンクリートの受入れ検査は、20~150m3に1回しか行われないため、コンクリートの全量に対して、自働で管理する技術が望まれています。
そこで、監視員を配置することなく、現場に搬入されるコンクリートの全量に対して、自働でコンクリートの性状を判定できる、全量受入れ管理システムを開発しました。
特許登録済


全量受入れ管理システムによるコンクリートの性状判定状況(遠隔監視)
関連情報
- キーワード
- コンクリート工事、品質確保、品質管理、受入れ管理、スランプ、見える化、高度化、遠隔臨場
自働で生コンクリートの全量管理を実現!
本システムは、アジテータ車のシュート部を流下するコンクリートをビデオカメラで撮影することで、コンクリートの性状をPCにて分析・見える化し、施工性の良否をリアルタイムで判定します。
全量受入れ管理システムでは、以下のステップでコンクリートの性状を判定します。
①アジテータ車のシュートをビデオカメラで撮影
②PCに動画像が送信され、AIで測定範囲を自働認識
③コンクリートの性状を分析し、施工性の良否をリアルタイムで判定
④データがクラウド化され、遠隔で性状を確認
⑤硬いコンクリートを検知すると、アラートを発信
⑥コンクリートの受入れを停止し、スランプ試験により性状を確認

生コンクリートの受入れ管理

本システムの構成および使用手順
特長・メリットココがポイント
高精度でスランプを推定
本システムにより、±2.5cm程度の高精度でスランプを推定できます。

実測スランプと推定スランプとの関係
施工性の悪いコンクリートを排除
スランプを全量で管理し、施工性の悪いコンクリートを確実に排除できます。

スランプのモニタリング状況とアラートの発信
適用実績

東京外環中央JCT北側ランプ
(その2)工事
(令和2年度PRISMにて試行)
場所:東京都三鷹市
竣工年:2022年3月
発注者:国土交通省関東地方整備局
規模:函渠構造物 コンクリート約2.7万m3
鉄筋約4,730t
学会論文発表実績
- 「動画像分析を活用したフレッシュコンクリートの性状判定手法の検討」,コンクリートの性能評価試験の合理化・省力化に関するシンポジウム論文集,日本コンクリート工学会,2019年9月
- 「動画像分析を活用したコンクリートの全量受入れ管理システム」,コンクリートテクノ,Vol.39,No.4,2020年4月
- 「動画像分析を活用したフレッシュコンクリートの性状判定手法に関する研究」,コンクリート工学年次論文集,Vol.42,No.1,2020年7月
- 「動画像と連続RI水分計を併用した全量受入れ管理」,土木学会,第75回年次学術講演会,Ⅴ-414,2020年9月



