山岳トンネルの自動化技術の開発拠点「模擬トンネル」で
コンクリート自動吹付けのデモンストレーションをマスコミに公開
鹿島は、山岳トンネルの自動化技術の開発拠点として「模擬トンネル」を2018年11月に構築、自動化技術の実証、検証実験を行っていますが、その初弾として、コンクリートの吹付け作業の自動化について、2019年1月31日、マスコミ関係者に公開しました。
この模擬トンネルは静岡県富士市の一般社団法人 日本建設機械施工協会 施工技術総合研究所の敷地内に構築したもので、トンネル延長55m、断面積76m2。高速道路2車線断面を想定しています。2018年11月に完成し、自動化技術の第1弾として、コンクリート吹付け作業の自動化の開発に取り組んでいます。
コンクリート自動吹付け機は、作業環境や地山条件により、吹付け位置や範囲、吹付け厚さ、対象面の形状などに応じたノズルの位置や姿勢、吹付け経路等を設定することで、アームやブームが自動的に動き、無人で吹付け作業が行えます。デモンストレーションでは、吹付け面(支保工間幅2m)を自動で吹付ける様子を公開。記者の皆さんは熱心に見学し活発な質疑応答が行われました。
今後は、吹付け厚さや形状計測、材料性状把握等の計測管理技術を付加していき、現場条件に合わせた作業手順、方法を模擬トンネルでの実大実験により確立し、多様な現場の状態に応じた最適自動吹付けシステムを実現していく方針です。
鹿島が施工総研の敷地内に新たに構築した模擬トンネル
模擬トンネル内で行われた自動吹付けのデモンストレーションの様子
鹿島では、熟練技能者の減少や若手入職者不足への対応、並びに現場の安全性と生産性を飛躍的に向上させ「現場の工場化」を実現すべく、A4CSEL(クワッドアクセル)をはじめとする様々な自動化技術開発に取り組んでいます。山岳トンネル分野においても、今回の自動吹付けだけでなく、穿孔やずり出し、アタリ取り、ロックボルトなど、施工の各ステップにおける自動化も順次進めていくこととしており、切羽作業を一人のオペレータで行う「ワンオペレーション化」を2020年度までに実現する方針です。
鹿島が目指すトンネル現場の自動化・ワンオペレーション化のイメージ