室内の温熱環境は人の快適性に関係し、環境を良くすることで快適性・生産性の向上に繋がります。
冬季の温熱環境の課題として、窓まわりの環境の悪化がありますが、
原因を把握して対応を取ることでよりよい環境を構築することができます。
ここでは、窓まわりで起きている現象を実験室で詳細に把握し、
設計段階で検討を行う技術を紹介します。

実物を模擬した実験室で
窓まわりの気流を解明する

冷え込みの厳しい季節には、窓ガラスの近くにいると冷気が伝わる、特に足元が冷える、ということがよくあります。これは、窓で冷やされた室内の空気が下降して床へと広がる冷気流「コールドドラフト」が大きく影響しています。一方、暖房で暖められた空気は上昇するため,室内に上下の温度差が生じ,頭部が暑く,足元が寒く感じるのです。

窓の近くの熱伝達のしくみや、設備機器により発生する気流の特性は十分に把握されていないため、数値シミュレーションと併せて実験によるデータを解析することで、室内の気流分布を精度よく求めることができます。

図版:風速ベクトル・コンターの解析結果

風速ベクトル・コンターの解析結果

鹿島では、大きな単板ガラス窓を設置し、冬季の温度設定(室温22℃、外気室2℃)を模擬した実験室で、この窓近辺での気流分布を測定しています。暗くした部屋でオイルミストを発生させ、レーザ光を照射して空気の流れを可視化することで,非接触で詳細な風向・風速の分布を測定することが可能です。

図版:実験室の概要

実験室の概要

鹿島では、お客様の建物の設備設計の検討において、コールドドラフトなどの窓回りの気流の数値シミュレーションと実験データに基づき、最適な提案を行うことが可能です。

窓ガラス近辺の気流と温度変化に関する調査

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