トンネル有効応力解析プログラム
「LIMDAC-TUNNEL」
地下水影響を考慮したトンネル掘削時の挙動予測
トンネル掘削時の挙動予測解析では一般に地下水挙動を考慮しない全応力解析が用いられます。しかしウォータータイトトンネルなど、止水注入を施した後にトンネルを掘削する場合は、トンネル周辺が高水圧となって地盤が破壊しやすくなるので、力学検討をする際でも地下水の影響を見逃すことはできません。
一方、地下水挙動を考慮できる有効応力解析は、軟弱地盤での圧密沈下予測などでの利用はありますが、トンネルでの適用事例は少なく、岩盤の構成則や支保部材のモデル化などが出来るプログラムがありませんでした。
そこで、トンネル専用の有効応力解析プログラム(LIMDAC-TUNNEL)を開発しました。

LIMDAC-TUNNELアウトプットイメージ(間隙水圧分布)
- キーワード
- FEM解析、有効応力解析、予測解析、ウォータータイト、地下水、土水連成解析
LIMDAC-TUNNELの概要
LIMDAC-TUNNELは、トンネル専用の有効応力解析(土水連成解析)プログラムです。トンネルの施工ステップ毎に、力学解析・水理解析を同時に行い、力学・水理挙動がそれぞれ相互に与える影響を考慮した予測が出来ます。トンネル専用に開発したプログラムですのでLIMDAC-TUNNELには、トンネル掘削解析で通常使用される以下に示す構成則・支保部材要素が用意されています。
LIMDAC-TUNNELの機能
地盤の構成則
- 線形弾性
- 電中研方式 非線形
- NEXCO方式 非線形
- NATMFEM(鉄道方式 非線形)
- 弾塑性(Drucker-Prager)
- 変形異方性
など
支保部材要素
- 鋼製支保工(梁要素)
- 吹付けコンクリート(棒要素)
- ロックボルト(棒要素)
など
特長・メリットココがポイント
トンネルの支保工の合理化と安全性の向上
ウォータータイトトンネルでは、トンネル周囲に止水グラウトを施すことが多く、それに伴ってトンネル近傍の間隙水圧が高く保たれることになります。それによって地山内の有効応力が減少し、地山が塑性化し易くなったり、それに伴ってトンネル変形や支保応力が増大したりすることが懸念されます。LIMDAC-TUNNELを用いる事により、これらトンネル掘削時の地下水影響を考慮できるので、ウォータータイトトンネルなど高水圧下でのトンネルの支保工の合理化やトンネル周辺構造物の安全性向上につながります。

局所安全率Fs分布比較(例)

全応力解析と有効応力解析との算出応力値の比較(例)
解析事例
注入改良体で止水した実トンネルでの解析事例を以下に示します。周囲5mに止水グラウトを施したトンネル掘削時の挙動予測解析事例です。
図1に解析モデル図を示します。浸透流解析を同時に行うので、通常の力学解析よりも解析領域を広く設定しています。
図2〜4には解析結果を示します。力学挙動および水理挙動を同時に解析した結果を得る事ができます。

図1 解析モデル図

図2 圧力水頭分布図

図3 塑性領域分布図

図4 最大せん断ひずみ分布図