無水削孔システム
「WALDIS®」
水を使わず空気を利用した削孔で、地山の緩みを防止
都市部のような地質の悪い場所で山岳トンネル工法を用いてトンネルを構築する場合、地山のゆるみ防止や切羽安定、地表面沈下防止のため、補助工法として地盤に削孔した孔に鋼管等などを挿入してセメントなどを注入することにより地山を補強し安定させます。
この時、通常は大量の削孔水を使用するため、水により劣化しやすい地質では、周辺の地山を緩めたり、予定された直径以上の孔があいてしまうため、注入材が十分充填されなかったり、地山の支保能力を高められないなど品質面の問題がありました。鹿島が開発した無水削孔システム(WALDIS:WaterLess Drilling System)は、水の代わりに圧縮空気を用いることにより、品質の高い補助工法が施工できるため、地山を補強し安定させた状態で安全にトンネルの掘削ができます。
特許登録済

無水削孔施工状況
- キーワード
- 補助工法、削孔、先受け工、薬液注入、軟弱地山、切羽安定、ゆるみ防止、沈下防止、ドリルジャンボ
システム概要・採用工事
一般に補助工法としてドリルジャンボを用いて削孔し鋼管を挿入する場合、鋼管(外側の管)とインナー管(内側の管)の二重管で削孔します。その際、先端の掘削用の刃に土が詰まるのを防止すると同時に、掘削時に発生する土を排出するため、大量の削孔水(毎分約70リットル)を使います。これに対して、本システムでは削孔水の代わりに圧縮空気を使用します。インナー管には圧縮空気を送り込むための装置(スイベル)を装着して、先端部分に送った圧縮空気を逆噴射させ鋼管とインナー管の間を逆流させて排出する仕組みを開発し、逆噴射による強い吸引力により土を吸込み排出するシステムとなっています。このため、設計通りの孔を構築できるので、地山のゆるみ防止や切羽安定、地表面沈下防止が確実に行えます。なお、本システムは、鉄道運輸機構九州新幹線新田原坂トンネル(熊本県)に採用されました。

システム概要図
特長・メリットココがポイント
水の代わりに圧縮空気を用いた確実な削孔
- 削孔水を使用しないため、周辺地盤を緩めることなく、スムーズな削孔を実現します。
- 設計通りの削孔により注入ロスが減少するため、従来の削孔に比べ高い地盤改良効果が期待できます。

削孔状況の比較
トンネル汎用機械に簡単に装着可能
- トンネル汎用機械であるドリルジャンボにWALDIS用アタッチメントを装着するだけでシステムを適用できます。特殊技能を必要としないため、通常の削孔手順で施工できます。

削孔装置
適用実績
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新田原坂トンネル
場所:熊本県鹿本郡
竣工年:2009年9月
発注者:鉄道建設・運輸施設 整備支援機構
規模:内空面積(代表値)65m2 延長2,940m
学会論文発表実績
- 「無水削孔によるAGF施工の効果について」,土木学会,第62回年次学術講演会,2007年