Me-fix®(Metal Eco)工法
高摩擦型鋼管を用いて確実に切羽補強
近年、不良地山であっても、大断面で掘削を行い、早期に切羽を併合することで安全に掘削する事例が、多くなっています。不良地山を大断面で掘削するには、長尺先受け工や長尺切羽補助工で、切羽を安定させることが重要です。しかし、従来の通常鋼管を用いた切羽補強工では、地山と鋼管周囲に十分な付着耐力を確保できませんでした。
鹿島が開発した、「Me-fix工法」は従来の通常鋼管を用いた切羽補強工の弱点である付着耐力を、鋼管表面を縞形状とする事で向上させ、確実な地山拘束力が期待できる鋼管切羽補強工です。長尺切羽補強工で切羽を安定させることで、不良地山でも大断面で合理的に施工できるようになりました。
※Me-fixは、株式会社ケー・エフ・シーの登録商標です。
特許登録済

Me-fix工法
- キーワード
- 長尺切羽補強工、鏡ボルト、切羽安定、補助工法、付着耐力
開発工法の概要
切羽補強工に使用する補強材は、地山の挙動に伴って発生する解放応力にバランスよく抵抗することが必要で、地山と定着材との付着耐力と、定着材と鋼管との付着耐力、および鋼管の継ぎ手部の引張り耐力のバランスが重要な要素となります。
本工法は、従来の鋼管切羽補強工の弱点とされてきた鋼管と定着材間の付着耐力の問題を、ボルトの表面形状を縞鋼板とすることにより解決しました。また、継手部の引張り耐力も、接続部の加工を工夫することにより、従来の補強鋼管(5.2mm)に比べて薄肉(4.5mm)であるにも関わらず、引張剛性は高くなっているのが特徴であり、軽量となったため施工性・経済性の向上にも寄与できる材料です。さらに、鋼管にはスリットを設けてあるため、鋼管切羽補強工法の利点である鋼管と定着材の分別回収を従来よりも容易に行える工法です。

縞付き鋼管の表面形状

回収性能を高めるスリット
特長・メリットココがポイント
優れた補強効果が期待できる高い付着耐力
原位置引抜き試験を行い、従来の通常鋼管とMe-fix鋼管の付着耐力を比較しました。定着材にはプレミックスモルタル(一軸圧縮強さ12N/mm2 材令24hr)と3倍発泡のシリカレジン(一軸圧縮強さ4N/mm2)を使用しました。
- Me-fix鋼管は通常鋼管よりも、プレミックスモルタルでは9~10倍の、シリカレジンでは5倍の付着耐力が得られることがわかりました。

付着耐力
安全性の高い施工を実現
3次元数値解析によりMe-fix鋼管と通常鋼管の補強効果を比較検証しました。
- 通常鋼管を用いた従来工法では鏡ボルトを打設後6m掘進した時点で塑性領域がトンネル上方に発達し、地山が崩壊し、1シフト長(9m)の掘進が不可能となりました。
- 上記のような地山でも、Me-fix鋼管を用いることで9m掘進した時点でも、塑性領域は切羽周辺のみに抑制され、安全な施工が可能となることを確認しました。

3次元数値解析結果
鋼管と定着材の分別回収が可能
鋼管表面に一定間隔のスリットを設けることで、写真のように鋼管と定着材の分別回収を可能にしました。
- 鋼管切羽補強工法の利点である鋼管と定着材の分別回収を従来よりも容易に行えます。
- 産業廃棄物量を抑制できます。

分別回収状況
適用実績
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万日山トンネル
場所:熊本県熊本市
竣工年:2011年11月
発注者:熊本県
全延長:884m
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さがみ縦貫城山八王子トンネル
場所:神奈川県相模原市
竣工年:2012年3月
発注者:国土交通省関東地方整備局
全延長:7,148m
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立江トンネル
場所:徳島県小松島市
竣工年:2011年4月
発注者:国土交通省四国地方整備局
全延長:954m
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北の峰トンネル
場所:北海道富良野市
竣工年:2013年3月
発注者:国土交通省北海道開発局
施工延長:2,928m
学会論文発表実績
- 「縞付き鋼管による切羽補強工法の開発」,トンネル工学報告集,第20巻,2010年
- 「遠心模型実験と数値解析を用いた縞付き切羽補強工の補強効果検証」,土木学会論文集F1(トンネル工学)特集号vol.67,2011年
- "Verification of reinforcing effects of a tunnel face reinforcement method by centrifuge model tests and numerical analysis",12th ISRM International Congress on Rock Mechanics,2011年