リアルタイム切羽監視システム
多点式高精度距離計を用いてリアルタイムに切羽の安全を監視
山岳トンネル工事では、作業員が切羽に近い位置で作業にあたるため、安全管理上、常に切羽の状況をモニタリングし、地山の目に見えない微妙な変位を監視することが非常に重要です。
高精度レーザ変位計を利用したリアルタイム切羽監視システムは、あらゆる地山に対して、安全かつ高精度に切羽の状況をモニタリングできるシステムです。崩落前の計測結果から切羽崩落の可能性や崩落時刻を予測できるソフトも入れており、事務所でのモニタリング、坑内の避難警告システムを組み合わせることにより、24時間リアルタイムで切羽の安全性を監視することができます。

リアルタイム切羽監視システム配置図
- キーワード
- 山岳トンネル、切羽安全監視システム、高精度レーザ距離計、岩盤崩落時刻予測、リアルタイム、多点計測
リアルタイム切羽監視システムの概要
計測装置は「高精度レーザ距離計」と、それを水平方向に高精度で回転可能な「回転制御装置」からなります。そのため、レーザ距離計1台で任意の複数点における切羽押出し変位を高精度に計測することができます。さらに、東京大学大学院福井勝則准教授の提唱する「岩盤崩落予測時刻」を基に設定された管理基準値を用いることにより、切羽の崩壊の可能性や崩落予測時間をリアルタイムに予測することができます。この管理基準値は実際に鹿島の山岳トンネル現場における切羽押出し変位データを基に、その有効性を検証しています。これらの開発により、従来手法では予測が難しかった突発的な崩壊の可能性がある中硬岩地山や土砂地山も含め、あらゆる地山に対して、切羽の安全性をリアルタイムで評価することが可能となりました。また、レーザ距離計のターゲットの代わりに特殊スプレーを用いることで、計測作業の安全性・効率性を向上させることが可能となりました。

装置外観とリアルタイム切羽監視システム概要図
特長・メリットココがポイント
突発的崩落の可能性のある地山にも対応が可能
高精度レーザ距離計による常時計測により、従来では対応できなかった突発的な崩落の可能性がある地山にも対応が可能となりました。
- 従来技術に比べ、約10分の1の誤差で計測可能です。(計測精度:約±0.3mm)
- 回転制御装置、または複数台設置による多点監視が可能です。
- 特殊スプレーの使用により、ノンターゲットの吹付面であっても、ターゲット使用時と同等の計測精度を実現し、効率性・安全性の向上を達成しました。

従来手法との精度比較表

1日間での計測結果
リアルタイムに「岩盤崩落時刻」を算出
切羽の変位から変位速度・変位速度の逆数を評価することで、リアルタイムに「岩盤崩落時刻」を算出する手法を用いました。
- 切羽崩落前の変位速度の加速度的上昇傾向に着目し、変位速度の逆数=「0」となる崩落時刻を算出します。
- 実トンネルの崩落データで精度検証済みです。

切羽変位および変位速度

切羽崩落時の様子

変位速度の逆数と崩落予測
学会論文発表実績
- 「多点式高精度レーザー距離計によるトンネル切羽変位計測」,第47回地盤工学研究発表会,2012年
- 「突発的な切り羽崩落を高精度に予測」,日経コンストラクション,8月27日号,2012年