長孔発破技術
挿角照射システムを利用した長孔発破による高速施工
山岳トンネルで工費・工期を短縮するためには施工サイクルの短縮が重要であり、その中で、硬岩地山での1発破掘進長(従来はBパターンで2m)を延長する技術の確立が求められています。
しかし、1発破掘進長を延長した場合には、発破孔のせん孔精度に起因して余掘りが増加する傾向にあり、これを如何に克服するかが、長孔発破施工を実現する上での課題でした。
そこで、通常トンネル現場にあるトータルステーションを用いてせん孔精度を向上させる技術を開発しました。実際の現場にも適用して、余掘りを低減した上で長孔発破を実現できることを確認しました。
特許登録済

長孔発破状況
- キーワード
- 長孔発破、挿角照射システム、逢神曽根トンネル
挿角照射システムの概要
挿角照射システムは、鹿島とソーキが共同開発した技術です。システムを利用した挿角制御の手順は以下のとおりです。
①切羽後方に設置したトータルステーションにより切羽面のせん孔位置にスプレーマーキングします。
②ドリルジャンボのビットをマーキング位置にセットします。
③各孔毎に、ガイドセルの後端に備えたターゲット版に向けて削孔角度が正しくなる位置にレーザー照射します。
④ガイドセル後端の位置をセットして削孔を行います。
外周孔(払い孔)に対して上記手順を繰り返して行います。
以上により、外周孔(払い孔)の削孔精度が向上し、余掘りを抑えた長孔発破が実現します。

挿角照射システムの概念図
特長・メリットココがポイント
余掘量の軽減が可能
- 挿角照射システムを採用することで、6mの長孔発破を施工した区間で、余掘り量を平均200mmに抑えることができました。

余掘り量の実測値(6mの長孔発破)
周辺地山の緩みを最小化
- 長孔発破施工時には挿角照射システムと同時に、外周孔(払い孔)ではスムースブラスティングを採用しました。その結果、通常の1発破掘進長2mの箇所と比べて6mの長孔発破の箇所では、周辺地山の緩みを同程度に抑えることができました。
坑壁弾性波探査による緩み領域の調査結果
適用実績
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熊野尾鷲道路逢神曽根トンネル
場所:三重県尾鷲市~熊野市
発注者:国土交通省中部地方整備局
規模:延長2,360m 掘削断面積72.5~94.2m2
学会論文発表実績
- 「トンネル掘削における6m長孔発破」,火薬と保安,Vol.44,No.2,(社)全国火薬類保安協会,2012年