TRT®探査システム
トンネル切羽前方の不連続面を非破壊、3次元で精度良く探査する
地山の性状はトンネル掘進に大きな影響を与えます。特に、地山性状が想定よりも悪い場合は、切羽の崩壊、多大な変状、突発的な湧水等が発生し、掘進速度や工費、安全性に大きな影響を及ぼします。そのため、切羽前方やトンネル周辺の地質情報を事前に精度良く予測・評価することが、安全で合理的な施工を進める上で重要です。TRT(Three-dimensional Reflector Tracing)探査システムは、ボーリングを実施せず、非破壊で切羽前方の3次元的な地質状況を精度良く評価することが可能なシステムです。無線システムのため、既存方式より短時間かつ低コストで精度の高い調査を行うことが可能です。
特許登録済
平成21年度岩の力学連合会 技術賞

TRT概要(左上:TRT解析結果例、右下:TRT探査原理)
- キーワード
- 無線式システム、トンネル、地質評価、3次元、反射法
探査方法
- トンネル壁面に約10か所の加速度計と無線伝送器を取り付けます。
- 切羽周辺の複数の発振点で入力波を発生させます。入力波はハンマー打撃、発破等、様々な方法で行う事が出来ます。
- 入力した弾性波は地盤中を伝播し、地質境界や破砕帯のような不連続面で波動の一部が反射します。
- トンネル壁面に設置した約10か所の加速度計で反射波を受振し、無線通信によって各加速度計からの波形データを取得します。
- 記録された波形データを専用のプログラムで解析することにより、反射波を抽出し、不連続面の位置、傾き等を検出します。

TRT計測装置(無線システム)

発受振器写真
特長・メリットココがポイント
切羽前方を広範囲に3次元評価することが可能
- トンネル計画線上だけではなく、周辺地山も探査の対象とするため、不連続面の三次元的な広がりを広範囲(切羽前方100m~150m)に予測することが可能です。
- 探査結果を任意の視点から表示することが可能であり、複雑な地質構造を分かりやすくイメージできます。

切羽前方の解析結果
探査時間の短縮により施工への影響を軽減
- 従来技術では、発振のために発破を用いていましたが、本技術では、機械式の発振器や、施工時の掘削振動も利用可能です。
- 掘削作業を止めることなく、作業への影響を最小限に抑えながら、測定及びデータの収録が可能です。
- 解析も迅速に行えるため、TBMなどの施工進捗が早いトンネル現場でも迅速に探査結果をフィードバックできます。

小断面TBM坑内での発振状況
適用実績
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熊野尾鷲道路
逢神曽根トンネル
場所:三重県尾鷲市
竣工年:2012年2月
発注者:国土交通省中部地方整備局
施工延長:2,360m

国道41号高山国府トンネル
場所:岐阜県高山市
竣工年:2012年3月
発注者:国土交通省中部地方整備局
施工延長:3,300m

さがみ縦貫城山八王子トンネル
場所:神奈川県相模原市
竣工年:2012年3月
発注者:国土交通省関東地方整備局
施工延長:3,088m
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舞鶴若狭自動車道敦賀トンネル
場所:福井県敦賀市
竣工年:2010年3月
発注者:中日本高速道路
施工延長:1,717m

徳富ダム壮志トンネル
場所:北海道樺戸郡
竣工年:2010年10月
発注者:国土交通省北海道開発局
施工延長:2,940m

地芳トンネル
場所:愛媛県上浮穴郡
竣工年:2010年4月
発注者:国土交通省四国地方整備局
施工延長:2,162m

鳥取豊岡宮津自動車道
地蔵トンネル
場所:京都府宮津市
竣工年:2009年3月
発注者:京都府道路公社
施工延長:3,457m
学会論文発表実績
- 「無線式トンネル3次元反射法弾性波探査技術の開発」,第38回岩盤力学に関するシンポジウム講演集,2009年1月
- 「弾性波を利用した新しいトンネル切羽前方探査手法の適用性に関する研究」,トンネル技術研究発表会,2003年
- 「反射トモグラフィによるトンネル切羽前方の地質探査」,土と基礎,2002年7月
- 「反射トモグラフィ法を利用したトンネル周辺地質の予測」,岩の力学国内シンポジウム F18,2002年1月
- 「反射トモグラフィ“TRT”の現場適用結果」,土木学会年次学術講演会3,2001年10月