ホーム > 技術 > 土木:山岳トンネル技術 > 施工技術:最適自動発破設計システム

山岳トンネル技術

施工技術

施工技術

自動化・機械化技術

覆工技術

前方探査

安全管理

解析・設計

調査・計測

維持補修

環境対策

最適自動発破設計システム

岩盤データと理論に基づく評価式に従い、最適な発破を実現

山岳トンネルにおける発破は、近年コンピュータジャンボ導入が進むものの、暗黙知に頼らず岩盤性状に応じた合理的な発破ができているとは言い難い状況でした。そこで、担当者の発破経験によらず地山データに基づき適切な発破を自動で実践するシステムを開発しました。

本システムでは岩盤性状に対し、適切な爆薬量と穿孔配置を決定する評価式を構築しており、これを核として穿孔時の岩盤データから、最適な穿孔数・配置・装薬量を自動生成し、最適発破を実践します。

さらに発破後の出来形スキャン等、発破結果の一元化システムも構築しており、地山変化や発破良否の傾向を把握し、以降の発破へのフィードバックが可能です。

特許登録済

図版:最適自動発破設計の実践

最適自動発破設計の実践

キーワード
山岳トンネル、発破、コンピュータジャンボ、発破設計、最適化
改ページ

最適自動発破設計システムの構成

最適発破は①発破データ(穿孔情報や出来形)を定量化し、②そのデータを一元化して見える化し、評価・分析を行ったのち、③その分析結果に基づき最適自動発破設計システムで穿孔・装薬の設計改善を図るというサイクルを回します。

①最適発破の実践
発破指示書を受信したコンピュータジャンボが、指示書通りに自動で穿孔し、各孔に装薬します。発破後には、掘削断面を3Dスキャナで測定し、余掘量が算出されます。

②結果分析/評価
直前の発破で得られた岩盤性状と余掘量データに、蓄積された施工データを加えて分析・評価し、次の発破計画にフィードバックします。

③最適発破設計
岩盤性状データを本システムに入力することで、最適な穿孔数と配置、装填する火薬量などが自動生成され、発破指示書が完成します。この指示書がコンピュータジャンボに送信されます。

図版:最適発破のサイクル

最適発破のサイクル

図版:最適発破設計の現場運用フロー

最適発破設計の現場運用フロー

改ページ

特長・メリットココがポイント

限界半径の理論解に基づく
穿孔/装薬設計

岩盤データに基づく合理的な発破設計のため、理論解に基づく評価式を確立しています。

発破設計の因子として岩盤条件・穿孔条件・装薬条件の3条件がありますが、評価式では、これらの因子より、発破孔1孔の起爆が周辺岩盤に及ぼす破壊影響領域(限界半径)を求め、これにより最適な孔間隔を決定します。

図版:破壊影響領域(限界半径)の概念

破壊影響領域(限界半径)の概念

発破見える化システム

発破見える化システムは、発破結果が想定通りに得られているか確認するため、発破条件と結果を一元化し、発破良否の傾向を把握することができます。

これにより元々ばらつきの多い発破結果を統計的に評価でき、要因分析も容易になり、次発破以降の有効な対策を講じることができます。

図版:発破見える化システム

発破見える化システム

最適自動発破設計システム
導入による効果

最適自動発破設計システムを導入したことにより、岩盤性状の変化に応じて穿孔数・装薬量を適正化することができました。システム導入前に比べ、穿孔時間を25%、装薬時間を15%削減でき、発破全体にかかるサイクルタイムを20%削減した実績を得ています。また、余堀量も60%低減したことを確認しています。

図版:最適自動発破設計システム導入による効果

最適自動発破設計システム導入による効果

改ページ

適用実績

図版:能越道 鷹ノ巣山2号トンネル

能越道 鷹ノ巣山2号トンネル

場所:石川県輪島市

竣工年:2022年3月

発注者:国土交通省北陸地方整備局

規模:トンネル掘削延長951m 
掘削断面積140m2(最大)

図版:神岡試験坑道

神岡試験坑道

場所:岐阜県飛騨市

発注者:鹿島

規模:トンネル掘削321.3m 
掘削断面積 アプローチ部43.9m2 
自動化施工試験部73.5m2

学会論文発表実績

  • “Development of Advanced Tunnel Blasting and Shotcrete as Automated Tunnel Construction System”,WTC (World Tunnel Congress) 2024 Proceedings,2024年4月
  • 「最適自動発破設計システム」,建設機械施工,Vol.76,No.3,2024年3月
  • 「山岳トンネルにおけるデジタル技術の活用(10)─地山データと理論解による最適発破設計システム─」,トンネルと地下,2024年1月号
  • 「自動化とデータ分析に基づく生産性の高いトンネル発破掘削の実践」,土木学会,第76回年次学術講演会,2021年

山岳トンネル技術 インデックス

ホーム > 技術 > 土木:山岳トンネル技術 > 施工技術:最適自動発破設計システム