- 前ページへ
- 次ページへ
- 特許登録済
地盤中に漏洩した油を効率的に吸引回収する技術です。
ガソリン、軽油、灯油などの軽質油が地盤中に漏洩浸透すると、水との比重差の関係で地下水面の上部に滞留します。またその後、地下水の流動とともに、油も拡散していくケースも多く見られます。これまでの揚水井戸などを使った「揚水対策」では、油と地下水をゆっくりと汲み上げるため、漏洩した油をすべて除去するには数年から数十年もかかる事例も見られました。
ポンピング・ドレーン®工法は、製油所やケミカル工場などにおいて多量に漏洩した油に対しても、短期間に効率よく吸引回収できます。
- メリット1ドレーンを高密度に敷設できるので、短期間に油を吸引回収できる。
- メリット2油を選択的に回収できるので、排水の総量を減らすことができる。
このような方法で解決します。
ポンピング・ドレーン®工法は、油が漏洩して滞留している地盤中にドレーン材を打ち込み、真空圧を利用して油を吸引し、回収を行う工法です。揚水井戸、ウェルポイントやディープウェル工法といった従来工法と比較して、「短期間に油を回収できる」「排水量を減らすことができる」などの効果が期待されます。
ドレーンの断面構造
板状のドレーンの内部は、細かく仕切られてストローを並べたような管状構造となっています。表面のフィルターを通ってドレーン内部に入った油は、細い管状構造を通って、吸引機で回収されます。
施工手順
ステップ1 「ドレーン材の打設」
種々の地盤調査技術を用いて、油の滞留箇所を特定していくことが重要です。
この結果に基づき、油汚染があるエリアに、ドレーン材を設置していきます。 ドレーン材は1mピッチ程度に高密度に敷設することも可能です。
ドレーン材はケーシングとともに、重機を用いて地盤中に打設され、ケーシングのみ引き抜くことで、ドレーン材のセットが完了します。
ステップ2 「油の吸引回収」
油の吸引装置をドレーン材打設エリアに持ち込み、吸引ポンプを使って地盤中から油水を吸引回収します。
適用イメージ
その1「油漏洩箇所における油回収」
油を扱う工場敷地における適用
油を扱う工場敷地において、油が漏洩したと想定されるエリアにドレーン材を打設し、吸引回収します。操業中の事業場での適用も可能です。
その2「敷地境界付近での油拡散防止対策」
「敷地境界付近」や「護岸沿い」での適用
敷地外や公共用水域への拡散防止のため、敷地境界や護岸沿いに設置していくことも可能です。また万一油が漏洩した時のための先行設置対策としても使用できます。
適用範囲
漏洩油の比重から見た適用範囲。
社外発表
学会論文等
- 2020年
-
-
土木学会 第75回年次学術講演会
ドレーン材を用いた地盤中の油回収技術の開発~効果的な事前調査手法の確立~
-
土木学会 第75回年次学術講演会
油回収ドレーン工法のためのドレーン打設方法の検討
-
土木学会 第75回年次学術講演会
実サイトにおけるドレーン材を用いた地盤中の油回収実績
-
- 2019年
-
-
石油・石油化学討論会
ドレーン工法による地盤中の油回収技術(第2報)
-
土木学会 第74回年次学術講演会
エアリフト構造を有するドレーンを用いた油回収技術の検討
-
- 2018年
-
-
土木学会 第73回年次学術講演会
ドレーン工法による地盤中の油回収技術(その2)
-
土木学会 環境システム研究発表会
ドレーン工法を用いた油回収技術
-
廃棄物資源循環学会 第24回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会
ドレーン工法を用いた油回収に関する検討(その3)
-
- 2017年
-
-
土木学会 第72回年次学術講演会
ドレーン工法を用いた油回収に関する検討
-
廃棄物資源循環学会 第23回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会
ドレーン工法を用いた油回収に関する検討(その2)
-
石油・石油化学討論会
ドレーン工法による地盤中の油回収技術
-
- 2016年
-
-
廃棄物資源循環学会 第22回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会
ドレーン工法を用いた油回収に関する検討
-
土木学会 第71回年次学術講演会
ドレーン工法を用いた油回収に関する実験的検討
-