エコクリート®R3(Cem R3) / エコクリート®︎KKC
エコクリート®︎BLS / エコクリート®︎ECM
(POINT 01)
コンクリートの主要材料となるセメントは、製造時に高温(1,450℃)で加熱されるため、原料に含まれる石灰石から大量のCO2が排出されます。ビル建設時におけるCO2排出量のうち、約1/4がセメント製造時に発生しています。
セメント低減コンクリートは、セメントの一部を代替物に置き換えることで、 CO2排出量を低減します。
建設現場で使わずに残ったコンクリートなどから製造される再生セメントコンクリート「エコクリート®R3(エコクリート アールスリー)」の他、セメントの代替として産業副産物を混入した「エコクリート®ECM」「エコクリート®KKC」「エコクリート®BLS」といったセメント低減コンクリートを建設物の適用部位に合わせて使用することで、CO2排出量の削減に貢献します。
(POINT 02)
工事現場では、注文したコンクリートの1~2%程度がやむを得ない理由で使用されず、廃棄されています。「エコクリート®R3」は、従来廃棄されてきたコンクリートから骨材を取り除き脱水・粉砕して作られた再生セメント「Cem R3(セムアールスリー)」を使用した、再生セメントコンクリートです。
通常、セメントは製造時に高温(1,450℃)で加熱する際に1トン当たり約750kgのCO2を排出します。これに対して、「Cem R3」は比較的低温(600~150℃)の加熱で済むため、製造時のCO2排出量がセメントの約1/8に抑えられます。
「エコクリート®R3」は「Cem R3」の含有量を調整することで、幅広いニーズに応えます。例えば、「Cem R3」の含有量が多く、CO2排出量を90%削減することができる「Cem R3」高含有タイプは、床スラブなどの建築用プレキャスト部材(※)として活用しています。一方、CO2排出量を20%削減する「Cem R3」低含有タイプは、ブロックなどのコンクリート製品や生コンクリートなどさまざまな用途に使うことができます。
※プレキャスト部材:現場で組み立てるために、あらかじめ規格化され、工場で生産されるコンクリート部材
(POINT 03)
セメントの一部を、鉄鋼製造の副産物である高炉スラグを乾燥・粉砕して微粉末にしたもので置き換えたコンクリートです。高炉スラグ微粉末は、セメントと同じように、水との化学反応によって硬化する性質を持ちます。この性質を利用し、置き換えによってセメントの使用量を減らすことで、CO2排出量を抑えます。
この高炉スラグ微粉末を活用したコンクリートは、高炉スラグ微粉末の含有率によって異なる特長を持ち、それに応じた用途で幅広く活用されています。例えば、含有率が60〜70%の「エコクリート®ECM」は、建築物の地下構造などに使われるマスコンクリートに適用されており、含有率が40〜45%の「エコクリート®KKC」は、柱などに用いられるCFT(コンクリート充填鋼管構造)に。さらに、含有率20〜30%の「エコクリート®BLS」は、壁や床など地上構造のさまざまな部位に活用されています。高炉スラグ微粉末の含有率が高いほど、CO2削減量も多くなります。
(POINT 04)
仮に「エコクリート®ECM」「エコクリート®KKC」「エコクリート®BLS」の3種を、一般的な業務ビルの建設に適用した場合、建物全体の建設によって排出されるCO2を約10%削減できます。これにより、10.8万本分のスギ人工林が1年間に吸収するCO2と同程度の削減効果が期待できるのです。