CO2を吸い込ませた
材料を活用する
CO2固定型コンクリート

(POINT 01)

CO2固定型コンクリートとは?

コンクリートの製造時には、大量のCO2が発生します。そこで、廃棄物由来のカルシウムとCO2を反応させて炭酸カルシウムにした材料を、骨材や混和材としてコンクリートに練り混ぜることで、CO2排出量を減らす技術が開発されました。

このCO2を固定化した炭酸カルシウムとして、現時点で唯一、市販されているのがエコタンカル®です。エコタンカル®は、鹿島の共同研究先である日本コンクリート工業が開発。プレキャストコンクリート工場内で発生するカルシウムを含んだ排水と、ボイラーの排ガスに含まれるCO2を反応させることで、純度97~99%以上の炭酸カルシウムの粉末を製造します。

CO2固定型コンクリートとは?
廃棄物とCO2から生成された炭酸カルシウム

(POINT 02)

炭酸カルシウムを活用した、
高流動コンクリート

一般的なコンクリートは、型枠への打込み時に、振動機を使って余分な気泡を除去し、型枠の隅々までコンクリートを行きわたらせて充填するために「締固め」という作業を行います。これによって、コンクリート本来の強度や耐久性を引き出します。

しかし、「締固め」には多くの労力が必要です。また、鉄筋の多い場所などでは、コンクリートを確実に打ち込むことが難しい場合もあります。そこで、「締固め」を必要としないコンクリートとして開発されたのが「高流動コンクリート」です。高流動コンクリートは、国土交通省が推奨している建設業の省人化および生産性向上のための取り組みにおいても見直されており、将来的にはコンクリート打設の自動化につながる技術として期待されています。

高流動コンクリートでは、締固めを行わなくても型枠に行きわたるための高い流動性と、材料の分離に対する抵抗性が必要になります。鹿島は30年以上前に、石灰石に由来する天然の炭酸カルシウム(石灰石微粉末)を使用することで材料の分離に対する抵抗性を与えた高流動コンクリート「NVコンクリート」を開発し、建設工事における生産性向上に寄与してきました。

一般的なコンクリート
高流動コンクリート

(POINT 03)

CO2固定型コンクリートがもたらす
インパクト

鹿島は、NVコンクリートの技術とエコタンカル®を組み合わせて、CO2固定型の高流動コンクリートを開発しました。このコンクリートでは、石灰石に由来する天然の炭酸カルシウムの代わりに、CO2を吸収したエコタンカル®を活用。さらに、コンクリートの主原料であるセメントを再生セメント「Cem R3(セムアールスリー)」に置き換えることで、コンクリート1m³あたり100kgものCO2をコンクリート中に固定することができます。

CO2固定型コンクリートがもたらすインパクト
CO2固定型コンクリートがもたらすインパクト

CO2固定型コンクリートの事例

  • (03)

    カーボンネガティブをさらに進化させる共同研究

    鹿島と日本コンクリート工業株式会社は、大幅にCO2を削減できる「カーボンネガティブコンクリート」の製造技術に関する共同研究を実施。

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