コンクリート注文・製造・管理の自動化システム
複数箇所の同時打設時のコンクリート注文・製造・管理を自動化
新桂沢ダムでは、4台のクローラクレーンにて複数ブロックを同時に昼夜打設し、コンクリートの運搬先が多岐にわたること等から、人為的ミスによるコンクリートの誤運搬が引き起こす打設遅延対策や打設間違いのリスク回避策が求められました。そこで、コンクリートの注文、製造、運搬、打設までの一連の管理をIoT、ICTを利用して「見える化」することによって、打設当番やコンクリート運搬車両の運転手、クレーンオペレータ、バッチャープラントオペレータ、JV職員が、いつでもどこでもコンクリートの注文、製造、運搬、打設状況を把握し確認できる「コンクリート注文・製造・管理の自動化システム」を開発、導入しました。その結果、今までにない管理形態と見える化によって誤運搬、打設間違いのリスクを回避でき、効率よく無駄のないコンクリート打設を行うことが可能となりました。
特許登録済

システム概念図
- キーワード
- コンクリート、バッチャープラント、コンクリート打設、運搬、品質管理、自動化、生産性向上、省力化
特長・メリットココがポイント
コンクリートの製造・運搬状況を正確に把握
複数の打設場に配置された打設当番がタブレット端末を用いて注文したコンクリート情報は、打設箇所に紐付けされた累計バッチ番号、配合、数量を表示したアイコンとなって計量→製造→積込→運搬→打設のそれぞれの状況においてデジタルデータ化されクラウドサーバーを利用して「見える化」し情報共有されます。
複数の打設場所からのコンクリートの注文や製造、運搬状況を一元管理し、リアルタイムで把握できるため、確認作業が大幅に減り生産性が飛躍的に向上します。

4か所での打設状況が一元管理され、生産性が飛躍的に向上
コンクリート打設業務の合理化・生産性の向上
従来、打設当番は無線や携帯電話によりコンクリートの注文を行ったり運搬状況を確認していましたが、本システムの導入により、コンクリートの注文・取消し・変更といった注文管理、製造有無や運搬状況、到着予定時刻等の確認に要していた時間が大幅に削減され、打設当番は打設作業により集中できます。さらに、注文したコンクリートの到着予定時刻を精度よく把握できるため、段取り替え、打設位置変更、配合変更などがより計画的に行えるようになりました。さらに打設記録もタブレット端末を用いて入力(プルダウンで定型コメント選択や自由コメント入力)できるようペーパーレス化機能を備えたことで、生産性が大きく向上しました。

コンクリート注文~製造イメージ図
タブレット端末によるコンクリート注文管理の合理化
注文したコンクリートがバッチャープラントで計量開始されるまで、いつでも注文の取消し、数量変更、一時停止や別注文の挿入といった注文指示がタブレット端末で行えます。事前計画した打設順序通りのコンクリート種別と数量を複数注文しておけば、自動的に製造・運搬が行われるため、打設当番はタブレットの注文管理画面を確認するだけで、注文したコンクリートの状況(未製造、製造済み、運搬中、打設済み)が一目で確認できます。打設当番が交代しても注文履歴は全て引き継がれます。

注文済みのコンクリート状況をリアルタイムに表示
クラウドサーバーを活用した打設進捗管理
打設当番がタブレット端末を用いて入力した打設開始日時、打設に使用するクレーン、打設ブロック番号、打設標高、打設計画数量、打設当番氏名や注文したコンクリートの配合、数量、製造時間、運搬開始時間、打設完了時間および品質試験室で実施した試験結果などは全てクラウドサーバーでデータを共有化しています。また、これらのデータを加工、自動計算、グラフ化した打設進捗等の結果や試験室の検査データも、いつでもどこでもJV職員や打設当番が確認することができます。
コンクリート品質管理システム画面(左)
- 品質試験室で実施した試験結果もタブレットで閲覧可能
- 現場で計測したコンクリート温度をタブレットで入力可能
打設進捗管理画面(右)
- 打設速度(移動平均値)を表示
- 打設進捗は計画値と実績値をグラフで表示
- 打設終了予測時間も自動計算

コンクリート品質管理システム画面

打設進捗管理画面
打設日報の自動作成機能
当該ブロックの打設が完了し、「打設完了」ボタンをタブレット端末から入力すると、自動的に打設日報をエクセルファイルで作成します。打設当番は従来必要であった事務所に戻ってからの打設日報作成作業を短時間で終了することが可能となり、業務の効率が大幅に向上しました。

打設日報出力例
適用実績

幾春別川総合開発事業の内
新桂沢ダム堤体建設
(第1期・第2期・第3期)工事
場所:北海道三笠市
竣工年:2024年3月
発注者:国土交通省北海道開発局
規模:堤高75.5m(11.9mかさ上げ)
堤頂長397.0m
堤体積59.5万m3(かさ上げ分24.5万m3)
学会論文発表実績
- 「次世代コンクリート出荷管理システムの適用実績」,土木学会,第74回年次学術講演会,2019年