湿式吹付けによる締固め工法
「SHOTCLAY®工法」
基礎岩盤に優しいフィルダム着岩材の施工方法
従来、フィルダム基礎岩盤の着岩処理は、人力による着岩材スラリーの塗布、及び着岩材団子の人力締固めによって施工されていました。
鹿島が開発したSHOTCLAY工法は、着岩材を乾燥や加水することなく、そのまま吹付けることが可能な湿式吹付けによる締固め土の構築工法です。本工法は、従来の現場締固め工法よりも周辺岩盤への影響が小さく、凹凸が激しい場所でも均質な締固め土を構築できるという特長を有しています。また、本工法の場合、重機を使用せずにノズルマンとホースだけで施工可能であるため、フィルダムの河床部のみならず、アバット部の着岩材まで同じ機械で施工できます。
平成29年度ダム工学会賞 技術賞
特許登録済

アバット部への着岩材吹付け施工状況
- キーワード
- フィルダム、着岩材、コンタクトクレイ、吹付け工法
SHOTCLAY工法の機械構成と施工方法
SHOTCLAY工法は、着岩材供給機、ローター式吹付け機、コンプレッサで構成されます。実績では、高低差±20m程度、ホース長100m程度まで施工可能であり、事前に河床部に材料を搬入するための走路や重機足場を確保する必要はありません。
また、乾燥させた着岩材にノズル付近で加水して吹付ける乾式吹付けではなく、着岩材を湿潤状態のままで吹付ける湿式吹付け工法であるため、材料調整の手間も不要です。基礎岩盤の凹部に対して吹付けられた着岩材は、凹部の隅まで密実で均質な締固め土となります。

SHOTCLAY工法吹付け機材

SHOTCLAY工法による河床部着岩材施工状況
特長・メリットココがポイント
基礎岩盤への影響を低減
模擬基礎岩盤に埋め込んだひずみゲージによってエアタンパとSHOTCLAY工法による着岩材施工が基礎岩盤に与える影響を比較しました。
- 基礎岩盤に与えるひずみ量はエアタンパの1/20程度
- 施工速度はエアタンパと同等

SHOTCLAY工法とエアタンパによる基礎岩盤への影響比較
従来工法と同等の施工品質
SHOTCLAY工法によって構築した着岩材に対して、密度計測、コーン貫入試験、透水試験を行いました。
- 締固め施工による密度は従来工法と同等(D値90%以上)
- コーン指数は470kPaであり、同材料をランマで施工した場合のコーン指数410kPaよりも大きい
- 透水係数は5.91×10-6cm/sで1×10-5cm/s以下という現場の品質管理規準を満足

SHOTCLAY工法による締固め性能
優れた密実性を確認
SHOTCLAY工法によって構築した着岩材に対して、密実さ、凹部の隅角部への充填状況を観察しました。
- 空隙なく密実である
- 凹部の隅まで隙間なく着岩材が充填されている

SHOTCLAY工法によって構築した着岩材の観察
適用実績

小石原川ダム本体建設工事
場所:福岡県朝倉市・東峰村
竣工年:2020年3月
発注者:水資源機構
規模:中央コア型ロックフィルダム
堤高139m 堤頂長558m 堤体積870万m3

大分川ダム建設(一期・二期)工事
場所:大分県大分市
竣工年:2019年11月
発注者:国土交通省九州地方整備局
規模:中央コア型ロックフィルダム
堤高91.6m 堤頂長400m 堤体積387万m3

殿ダム
場所:鳥取県鳥取市
竣工年:2012年1月
発注者:国土交通省 中国地方整備局
規模:堤高75m 堤頂長294m 堤体積211万m3
施工数量:1,271m2(188m3)
学会論文発表実績
- 「吹付け工法によるベントナイト系人工バリアの構築」,第60回土木学会年次学術講演会講演概要集,2005年
- 「吹付け工法による側部緩衝材の施工確認試験例 ─地下空洞型処分施設性能確証試験─」,第65回土木学会年次学術講演会講演概要集,2010年
- "DESIGN OPTIONS FOR HLW REPOSITORY OPERATION TECHNOLOGY, (IV) SHOTCLAY TECHNIQUE FOR SEAMLESS CONSTRUCTION OF EBS",Proceedings of the 13th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management ICEM,2010年,機械学会動力エネルギー部門(優秀講演者賞)