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放射性廃棄物処分

建設技術ベントナイト系部材の構築・評価技術

吹付けによる締固め土の構築技術
「SHOTCLAY®工法」

狭隘部や隅角部でも高密度のベントナイト系人工バリアを構築

放射性廃棄物処分施設では、重機が入れないような狭隘部や隅角部において、ベントナイト混合土(ベントナイト系人工バリア)を高密度に締固めることが求められていました。SHOTCLAY®工法は、このような狭隘な箇所においても均質、かつ高密度な締固め土を構築可能です。

平成29年度ダム工学会賞 技術開発賞
平成30年度地盤工学会 技術開発賞
特許登録済

図版:ベントナイト系人工バリアのイメージ

ベントナイト系人工バリアのイメージ

図版:SHOTCLAY®工法によるアーチカルバートの充填デモ

SHOTCLAY工法によるアーチカルバートの充填デモ

キーワード
放射性廃棄物処分、ベントナイト、吹付け、高密度、人工バリア
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SHOTCLAY工法の施工原理

従来の転圧工法による締固めでは、撒き出した土の表面に外力を与えて締め固めることから、外力が土の内部に伝わる際に広がる(応力伝播)ため、表層は高乾燥密度になり内部は表層に比べると乾燥密度が小さくなる傾向を示します。またこの性質のために、1層当たりの乾燥密度の平均値が仕様を満足するためには、大きな外力が必要になります。

一方、SHOTCLAY工法では、吹付け材料の土粒子一粒一粒に速度エネルギーをほぼ均等に与えて、吹付け面に衝突する際に高い締固めエネルギーに変換されるため、出来上がる施工体の乾燥密度がほぼ均一です。土粒子一粒の速度エネルギーは小さいため、周辺に対する施工の影響もほとんどありません。いうなれば、SHOTCLAY工法は土粒子径で撒き出しながら小さな力で締め固める工法ともいえます。

図版:従来法(転圧工法)による締固めイメージ

従来法(転圧工法)による締固めイメージ

図版:SHOTCLAY工法による締固めイメージ

SHOTCLAY工法による締固めイメージ

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特長・メリットココがポイント

狭隘部・隅角部でも高い施工性

吹付け工法を応用した高密度締固め土構築システム(SHOTCLAY工法)によって、作業者1人が入れれば、どんな場所でも高密度、かつ均質な締固め土(ベントナイト系バリア材)の構築が可能です。

  • 緩衝材や粘土プラグの施工に最適です。
  • 上方など、どんな方向にも任意の形状で締固め土を構築できます。
  • 吹付け機1台当たり2m3/hr程度の施工速度です。

図版:アーチカルバート内でのベントナイトプラグ構築例(上向き吹付け状況)

アーチカルバート内でのベントナイトプラグ構築例(上向き吹付け状況)

基本構成が一般的な吹付け機械

SHOTCLAY工法の機械セットは、一般の吹付けコンクリートとほぼ同様の構成ですが、乾燥密度を高める目的で吹付けノズルに超音速ノズルを、さらに品質を一定に保つ目的で湿潤材料の定量供給機を採用しています。

  • 基本機器構成は、リースで調達可能
  • 材料供給量で乾燥密度を制御
  • 高い密度が要求されない場合は、超音速ノズルに替えて一般のゴムノズルも適用可能

図版:SHOTCLAY工法の機械セット

SHOTCLAY工法の機械セット

フィルダムの着岩材の施工方法にも適用実績

施工難度の高いフィルダムの着岩材(河床部・アバット部)の施工技術としても展開しており、国土交通省や水資源機構のロックフィルダムへの適用実績があります。

ダム技術:湿式吹付けによる締固め工法「SHOTCLAY®工法」

  • 殿ダム
  • 大分川ダム
  • 小石原川ダム

図版:フィルダムの着岩材施工状況(アバット部)

フィルダムの着岩材施工状況(アバット部)

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適用実績

図版:管理型処分技術調査等事業 地下空洞型処分施設機能確認試験

管理型処分技術調査等事業 
地下空洞型処分施設機能確認試験

場所:青森県六ヶ所村

竣工年:2009年、2011年~2013年

発注者:(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター

規模:底部低透水層、側部低透水層、上部低透水層の施工性確証試験

出典:(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター、平成24年度 管理型処分技術調査等事業 地下空洞型処分施設性能確証試験 報告書、平成25年3月

図版:地層処分技術調査等委託費(高レベル放射性廃棄物処分関連:処分システム工学要素技術高度化開発)のうち遠隔操作技術高度化開発

地層処分技術調査等委託費
(高レベル放射性廃棄物処分関連:
処分システム工学要素技術高度化開発)
のうち遠隔操作技術高度化開発

場所:東京都調布市

竣工年:2006年

発注者:(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター

規模:高レベル放射性廃棄物PEM緩衝材吹付け施工試験

出典:(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター、平成24年度 地層処分技術調査等事業 高レベル放射性廃棄物処分関連処分システム工学要素技術高度化開発 報告書(第1分冊)─遠隔操作技術高度化開発─、平成25年3月

学会論文発表実績

  • “A SYSTEM FOR SPRAY-BASED CONSTRUCTION OF HIGH-DENSITY LAYERS WITH LOW PERMEABILITY FOR RADIOACTIVE WASTE DISPOSAL FACILITIES”,Journal of JSCE,Vol.3,2015年
  • “Design Option for HLW Repository Operation Technology,(Ⅳ) Shotclay Technique for Seamless Construction of EBS”,Proc. of 13th Int. Conf. on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management,ICEM 2010,2010年
  • “Development of Construction Methods of the Bentonite Engineered Barrier by the High-density Shotclay System”,Proc. of Workshop on Long-term Performance of Smectitic Clays Embedding Canisters with Highly Radioactive Waste,2007年

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