高流動コンクリート
「NVコンクリート」
自己充塡性コンクリートにより構造物の信頼性向上
近年のコンクリート工事では、構造物の形状の複雑化や鉄筋量の増加、熟練作業員の不足等から、コンクリート打込み時に十分な振動締固め作業を行うことが極めて困難な場合が増えています。
「NVコンクリート工法」は、従来のコンクリート材料に高性能AE減水剤や石灰石微粉末等の微粉末を加え、これらの配合比率を工夫することにより施工時の振動締固め作業の省略を可能とした自己充塡・高流動コンクリートであり、これを型枠に流し込むだけで高品質で信頼性の高い構造物を構築する工法です。また、特殊増粘剤を使用することにより、ブリーディングのない安定した品質のコンクリートを比較的簡単に製造することが可能です。

豊田アローズブリッジ(複合斜張橋)
斜材定着部、主桁結合部などにNVコンクリートを適用
- キーワード
- 高流動コンクリート、高性能AE減水剤、石灰石微粉末、増粘剤、ノンブリーディング、締固め不要、自己充塡性、セルフレベリング
特徴
NVコンクリートは、従来のコンクリート材料に高性能AE減水剤や石灰石微粉末等の微粉末を加え、下表のように配合比率を工夫することによって、強度や流動性、自己充塡性をコントロールします。また、特殊増粘剤を使用することにより、気温や骨材の表面水率の変化に対して安定した品質のコンクリートを比較的簡単に製造することができます。なお、1回の施工量が100m3以下の小規模な工事から、1,000m3以上の大規模な工事まで幅広く適用することが可能です。

NVコンクリートの配合例

スランプフロー試験(高い流動性)

充塡性試験(優れた自己充塡性)
特長・メリットココがポイント
優れた充塡性により高い施工性を実現
- 施工が困難である複雑な断面部や、高密度配筋部への打込みが容易に行える高い充塡性を備えています。
- 振動締固め作業を必要としないため、省人化・合理化が図れ、安全で静かな施工を実現します。
- 人が入ることのできない閉鎖された部位にも、注入によりコンクリートを打ち込むことができます。
- 打込み位置から10m程度まで流動させても材料分離を生じないため、頻繁に打込み位置を変える必要がなく、スムーズな施工が行えます。

NVコンクリートのスランプフローの安定性
安定した品質と高い耐久性
- 特殊な増粘剤を使用することにより、安定した品質のコンクリートを容易に製造・供給することが可能です。
- ブリーディングがなく、レイタンスを生じないため、均質で信頼性の高い構造物を構築することができます。
- 従来のコンクリートよりも高い耐久性を有することを20年間の暴露試験で確認しています。

NVコンクリートの耐久性
様々な部位・用途への適用が可能
- 結合材種類の選定により、早強性、低発熱性を付与することができます。
- 水セメント比の選定により、20~100N/mm2の様々な強度レベルを設定することができます。
- 各種混和材(剤)を併用することで、無沈下性、低収縮性など様々な性能を付与することができます。
- 市中の生コンプラントで製造することができます。

NVコンクリートの主な適用事例
適用実績

サンマリンブリッジ
場所:静岡県浜名郡
竣工年:1996年3月
発注者:浜名湖競艇企業団
規模:NVコンクリート打設量43m3

矢作川橋(豊田アローズブリッジ)
場所:愛知県豊田市
竣工年:2005年3月
発注者:日本道路公団
規模:NVコンクリート打設量2,300m3

奥三面ダム
場所:新潟県岩船郡
竣工年:2001年8月
発注者:新潟県
規模:NVコンクリート打設量770m3

東京ガス 扇島工場
液化天然ガスPC製貯槽
場所:神奈川県横浜市
竣工年:1996年3月
発注者:東京ガス
規模:NVコンクリート打設量18,200m3
学会論文発表実績
- 「増粘剤ウェランガムを用いた高流動コンクリートの流動性に及ぼす各種材料の影響」,土木学会論文集,No.571/V-36,1997年
- 「流動性を安定するウェランガム<その効果に期待 ─信頼性の高い構造物をつくるNVコンクリート工法」,コンクリートテクノ,Vol.27,No.2,2008年2月
- 「21年間暴露した併用系高流動コンクリートの耐久性」,コンクリート工学論文集,Vol.23,No.1,2012年1月
- 「高流動コンクリート(NVコンクリート)によるコンクリート構造物の品質向上」,鹿島技術研究所年報,No.57,2009年9月