連続繊維シートによる橋脚の耐震補強工法
炭素繊維及びアラミド繊維を用いた巻き立て補強工法
炭素繊維やアラミド繊維は、鋼材に比べて高強度・高耐久性・軽量・施工が容易という特徴を有しており、付加価値の高い建設材料として注目されています。これらの連続繊維をシート状にして、樹脂接着剤を用いて橋脚表面に貼り付けることにより、橋脚のせん断耐力や靱性(変形性能)の向上を容易に行うことができます。
鹿島では、さまざまな構造実験を行い、炭素繊維シート及びアラミド繊維シートを用いた橋脚の耐震補強工法を確立しています。

連続繊維シートによる橋脚耐震補強のイメージ
- キーワード
- 橋脚、耐震補強、連続繊維シート、炭素繊維シート、アラミド繊維シート、巻き立て
施工手順の概要
連続繊維シートの一般的な施工手順はフロー図に示すとおりで、連続繊維シートを必要回数だけ繰り返し貼付することにより設計で要求される耐震補強性能を確保します。
連続繊維シートや接着剤などの使用材料は鋼板補強に比べて軽量であるため、揚重機などを使用しないで施工場所へ搬入することができます。また、連続繊維シートは補強対象構造物の形状に合わせて現地で切断加工することができます。

連続繊維シートの施工状況(シート貼付工)

連続繊維シートの施工手順の一例
特長・メリットココがポイント
連続繊維シートの特徴
連続繊維シートには、次のような特徴があります。
- 高強度(PC鋼材以上の引張強度)
- 軽量(比重が鋼材の1/5程度)
- 高弾性(鋼材の1~3倍の弾性係数)
- 高耐久性(腐食の心配がない)
炭素繊維シート
- 軽量かつ高強度で施工が簡便
- 破断ひずみが大きいため、繊維が破断しにくい
- 耐衝撃性が高く、地震波などの衝撃に強い
- 電気絶縁性があり、通電トラブルがない
アラミド繊維シート

連続繊維と鋼材の応力-ひずみ曲線の比較
連続繊維シートの機械的性質
連続繊維シートの代表的な機械的性質を示します。必要補強量に応じて、繊維目付量と積層枚数を適切に組み合せて使用します。

連続繊維シートの機械的性質の一例
適用実績

田尻スカイブリッジ耐震補強
場所:大阪市泉南郡田尻町
竣工年:2021年
発注者:大阪府
規模:炭素繊維シート7,800m2
アラミド繊維シート3,500m2

京急久里浜駅構内耐震補強
場所:神奈川県横須賀市
竣工年:2009年5月
発注者:京浜急行電鉄
使用材料:アラミド繊維シート

鶴見つばさ橋耐震性向上
場所:神奈川県横浜市
竣工年:2006年9月
発注者:首都高速道路公団
規模:炭素繊維シート6,800m2
学会論文発表実績
- 「炭素繊維シートによる鶴見つばさ橋主塔橋脚SRC構造部の耐震補強効果確認実験」,構造工学論文集Vol.53A,土木学会,2007年3月
- 「アクリル樹脂を用いた鶴見つばさ橋主塔橋脚の耐震補強工事」,土木学会,第35回関東支部技術研究発表会,2008年3月