高性能コンクリート橋
超高強度コンクリート、超高強度繊維補強コンクリートを用いて
PC橋の上部構造を軽量化
超高強度コンクリート橋は、従来のコンクリート橋の軽量化を図るため、設計基準強度を120N/mm2(圧縮強度150N/ mm2)のコンクリートを主桁に適用した橋梁です。
超高強度繊維補強コンクリートは、設計基準強度が180N/mm2と高く、鋼繊維によって高い引張強度を確保でき、鉄筋配置が不要となるため、部材厚さを極限まで薄くした橋梁が実現可能となります。
世界初の場所打ちサクセム®道路橋
─ デンカ小滝川橋
平成26年度プレストレストコンクリート工学会賞 技術開発部門
- キーワード
- 超高強度繊維補強コンクリート、サクセム、UFC
デンカ小滝川橋は、電気化学工業(現:デンカ)が所有する小滝川発電所のリニューアル工事に伴うアクセス道路として建設されました。橋梁の架設地点は豪雪地域であり、凍結防止剤散布による塩害や凍害による劣化が懸念されたため、高い耐久性を有するサクセム®が採用されました。現場は山間部に位置しており、プレキャスト部材の運搬が困難であったことから、サクセムを用いたPC橋として、世界で初めて場所打ちで施工しました。

デンカ小滝川橋の構造概要

打込み状況

未充填や打ち重ね線のない脱型後の桁側面

デンカ小滝川橋(完成写真)
<概要>
企業者:電気化学工業(現:デンカ)
場所:新潟県糸魚川市
工期:2013年10月〜2014年4月
構造形式:単純PCポストテンション方式T桁橋
橋長:39.0m
幅員:4.0m(有効幅員)
学会論文発表実績
- 「場所打ちによる超高強度繊維補強コンクリートを用いた道路橋の設計と施工」,土木建設技術発表会2014,2014年11月
- 「デンカ小滝橋の設計・施工」,橋梁と基礎,2015年7月
パワークリート®を用いた歩道橋
─ 秋葉原公共デッキ
平成17年度プレストレストコンクリート技術協会賞 作品部門
- キーワード
- 低収縮型超高強度コンクリート、パワークリート、アキバブリッジ
秋葉原公共デッキは、2棟の超高層ビルで構成される「秋葉原クロスフィールド」とJR秋葉原駅前広場を繋ぐ歩道橋です。本橋は、秋葉原の開発事業の一環として建設されたものであり、高性能材料を用いた独創的なデザインが採用されました。
接続する各高層ビルの階高制限及び桁下を通る一般道路の建築限界により、通常のPC橋では実現できないスレンダーな構造が求められたため、鹿島が開発したパワークリート®(低収縮型超高強度コンクリート)が採用されました。また、主桁断面形状として、箱桁の下床版部分に相当する部分を無くしたπ型の主桁をストラットで支持する構造を採用し、透過性のある桁下空間を実現しました。

透過性のある桁下空間

パワークリートの現場打設状況

秋葉原公共デッキ(完成写真)
<概要>
企業者:UDXグループ(エヌ・ティ・ティ都市開発、ダイビル、鹿島)
場所:東京都千代田区
工期:2004年5月~2006年1月
構造形式:2径間連続PC桁橋(全外ケーブル方式)
橋長:63.7m
支間割:33.2m+25.9m+3.8m(片持ち部)
幅員:8.0m(有効幅員)
学会論文発表実績
- 「低収縮型超高強度コンクリート(f’ck=120N/mm2)を用いた歩道橋の計画と設 ─秋葉原歩道橋─」,平成16年度土木学会年次学術講演会,2004年9月
- 「低収縮型超高強度コンクリートを用いた橋梁上部工の施工 ─秋葉原公共デッキ建設工事─」,コンクリート工学,Vol.43 No.11,2005年11月
- 「低収縮型超高強度コンクリートを用いた歩道橋の計画と設計 ─秋葉原歩道橋─」,第13回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム,2004年10月
- 「低収縮型超高強度コンクリートを用いた秋葉原公共デッキの施工」,第14回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム,2005年11月
繊維補強コンクリートを用いた跨道橋
─ 梅島山下橋
- キーワード
- 繊維補強コンクリート、ビニロン繊維、跨道橋、斜材付きπ型ラーメン橋
本橋は、新東名高速道路南沢川橋(PC上部工)工事の一部として静岡県静岡市清水吉原地区に建設された跨道橋です。高速道路を跨ぐことから、コンクリートの剥落防止を目的として繊維を混入した繊維補強コンクリートを主桁、垂直材、高欄部分に採用しています。
繊維は耐腐食特性に優れる有機系短繊維に着目し、各種補強効果について検討を行い、ビニロン繊維を使用しました。ビニロン繊維は、他の有機系繊維に比べ高強度・高剛性であるためコンクリートに混入した際の補強効果が大きいことが特長です。また、通常の繊維補強コンクリートに使われる鋼繊維に比べ混ざりやすくかつ軽量であるため、施工の省力化を図ることができます。

ビニロン繊維

実物大試験体

梅島山下橋(完成写真)
<概要>
企業者:日本道路公団静岡建設局
場所:静岡県静岡市
工期:1999年10月~2003年6月
構造形式:PRC斜材付変形π型ラーメン橋
橋長:91.54m
支間割:20.3m+50.8m+20.4m
幅員:4.0m
学会論文発表実績
- 「剥落防止を目的とした繊維補強コンクリートの実橋への適用性検討」,土木学会第56回年次学術講演,2001年10月