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学校・教育施設

No.2

鎌倉学園 キャンパスリニューアルまでの軌跡

鎌倉学園が抱えていた課題

鎌倉学園の校舎は中央棟、東棟、西棟、そして体育館・アリーナから成り、最も古い東棟は昭和37年竣工(平成27年時、築53年経過)、中央棟及び西棟は昭和42年竣工(同築48年)であり、これまで適時改修が施されてきましたが、既存校舎の老朽化進行や、設備面で時代の潮流に合わせた新しい教育システムが導入できない現状に悩まれていました。生徒・教職員の安全・安心を確保する為の更なる耐震性能の向上や、教育環境改善へ向けた施設更新が、あと数年後に控える創立100周年に向けた喫緊の課題となっていたのです。

図版:鎌倉学園外観(リニューアル前)

鎌倉学園外観(リニューアル前)

図版:隣接する建長寺

隣接する建長寺

なぜ、リニューアルなのか

当初、鎌倉学園では校舎の建替えが検討されていたのですが、建替え工事期間中の運営面への負担や、鎌倉学園ならではの立地課題が次々と上がり、その計画策定は非常に難しいものとなっていました。

  1. 学校運営への影響

    建替えを想定した場合、生徒さんを始めとする学校関係者の安全確保のためにも、学校エリアと工事エリアとの確実な分離措置を施す必要があることから、第一グラウンドの大半を数年間にわたってご提供して頂く必要がありました。

  2. 包蔵されているであろう埋蔵文化財への影響

    建長寺に隣接し、建立時は同寺境内の一部であった鎌倉学園校地内には歴史的価値の高い埋蔵文化財が包蔵されている可能性が大いにあります。現に、約20年前の現体育館建設の折、掘削工事に際に鎌倉期の遺物が出土し、工事が中断したという経緯がありました。建替えではまず間違いなく地盤に影響を及ぼす基礎工事等が必須となることから、市だけではなく国(文化庁)への計画認可申請手続きと、それに伴う埋蔵文化財調査が必要となり、教育環境の改善が急務とされる中で、着工の目途すら立てることが非常に難しい状況にありました。

  3. 鎌倉市景観地区の指定

    鎌倉学園の敷地は、現校舎竣工後に鎌倉市景観地区として指定され、校舎外観のデザイン等、景観に係る要素には厳しい制限が設定されていました。また、建築物の高さ制限を受けることから、建替えの場合には現校舎と同形状同規模の建物が建築できないということが判明しました。

改ページ

以上、鎌倉学園の抱える課題を解決し、より魅力的なキャンパスへ再生させる為に、建替えから校舎リニューアルへの方針変更を働き掛け、既に各種相談に乗っていた支店チーム(営業・設計・施工)へ企画部門、建築設計部門、IT部門から成る鹿島学校チームが新たに参画し、オール鹿島でのフォロー体制で計画検討を進めることになりました。

教職員とともに考えるキャンパス再生計画

『鎌倉学園キャンパス再生計画』の特長の一つとして、実際に校舎で授業を担当されている先生方、働かれている職員の方々の意見を積極的に取り入れる推進体制が挙げられます。計画検討へ向けて、校長先生をはじめ教職員の方(約10名)と鹿島チームで「総合環境委員会」を組成し、定例会議を隔週で開催して学校側の課題やニーズの確認と、校舎リニューアルへ向けた計画提案を進めてきました。

「総合環境委員会」では、鹿島チームから校舎内既存施設のリニューアルプランだけではなく、学園生活を更に魅力的にする為のアメニティ(カフェテリア、マルチスペース、自習室の新設等)やICTによる新たな教育システムの導入、また、各メーカーに協力を仰ぎ、導入を検討している家具・什器・ICT機器を実際に教職員の皆様に体感、試験的に使用していただくことで、納得のいく備品選定を進めました。

図版:「総合環境委員会」定例会議

「総合環境委員会」定例会議

図版:先生方による家具メーカーショールーム視察

先生方による家具メーカーショールーム視察

鎌倉学園では、敷地内に仮校舎を設置し、工期を各棟1年1期とした3ヶ年計画(2014年度:中央棟、2015年度:東棟、2016年度:西棟)で工事を推進しています。

Ⅰ期リニューアル工事を終え、2015年4月から使われ始めた中央棟では、美しく機能的に生まれ変わった教室に喜ぶ生徒さんたちの姿や、新設された自習室で勉強に励む姿、友達同士でカフェテリアに集う姿等、今回のキャンパス再生計画の効果の大きさを実感させられる様子が多く見られています。実際に生徒さんたちに行ったリニューアル校舎に関するインタビューでは、新設された機能や美しくなった校舎に、多くの喜びの声を頂きました。生徒さんたちから頂いたご意見は「総合環境委員会」でもフィードバックし、続く東棟・西棟のリニューアルへ向けて、鹿島学校チームは今後も一丸となって、全面的な検討支援を進めていきます。

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図版:鎌倉学園 高等学校でのインタビューの様子

鎌倉学園 高等学校でのインタビューより

  • 外観デザインが鎌倉に合っている
  • エントランスが明るい印象になった
  • 自習室で落ち着いて勉強できる
  • 教室の居心地がよくなった
  • カフェテリアができて楽しみが増えた

図版:鎌倉学園 中学校でのインタビューの様子

鎌倉学園 中学校でのインタビューより

  • 以前の校舎よりも鎌倉に似合っている
  • 一足制がとてもよい
  • 自習室が気に入ってよく使っている
  • 机、椅子が新しくて使いやすい
  • カフェテリアで温かい食事ができるのがよい

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