
学園の顔をつくる(外装計画/設計)
コンセプトメイク「カマガクらしさを考える」
長い歴史をもち、多くの生徒を世の中に送り出してきた鎌倉学園。その学び舎の全面改修にあたり、「カマガクらしさとはなんだろう」という問いが出発点となりました。先生方、鹿島学校チームが共に新たなカマガクの顔づくりへと意見交換を重ねました。学園の校訓、ゆかりの建長寺、鎌倉の自然等、様々なキーワードやモチーフをあげ、「地層」というモチーフに至りました。学園の歴史が地層のごとく重なり、次の世代へと受け継がれることを願い、外観のスタディを行いました。
コンセプトスタディの一例(建長寺/鎌学の星の校章/鎌倉の切通し)
外観パース 正門から
マテリアルスタディ「本物にふれて確かめる」
つぎは「地層」の表現をいかに実現するかの検討です。美しい表現を目指すとともに、合理的に施工し、既存の建物の安全性を向上することは大きな命題です。設計者、施工者が知恵を出し合い、タイルを大判のセメント板に貼り、躯体に設置する方針としました。
また、タイルの形状や組合せも重要な表現の要素です。割肌、フラット、ボーダーの3種類のタイルで「地層」を表しました。そして実際にモックアップを作成し、先生方とデザインを検討しました。他にも、アルミサッシを試作し、窓からの生徒が落下しないか、どのように取り換え工事を行うか等を確認しました。このように実物に触れながら使い勝手や風合いを検証することは、とても大切なプロセスです。
モックアップ(タイル貼、AW)
ついに生まれた新たな学園の顔
重厚な地層の壁に「鎌倉学園」の名が堂々と設置され、歴史ある鎌倉の地にふさわしい、新たな学園の顔が生まれました。茶色のタイル張りだった壁面も、より力強いモノトーンの外観へと一新されました。先生方と鹿島学校チームが共に検討し、ついに実現した新たな校舎が、生徒のみなさんに長きにわたり大事にされていくことを願っています。
正門からの外観(改修前/1期竣工)