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学校・教育施設

No.5

リニューアル工事のポイント

リニューアル工事のポイントの前に、施工チームについてお話ししたいと思います。施工チームの拠点(現場事務所)は、学園の隣にある空き家となった商店をお借りしています。学園の正門横にありますので、毎朝、毎夕生徒さんの元気な姿の見送りや挨拶を交わしたり、また、リニューアル工事後の校舎を使用した感想の声や笑顔を垣間見ることができる事務所となっています。生徒さんの笑顔は、工事の疲れを吹き飛ばす瞬間です。

さて、ここからリニューアル工事のポイントなどについてお話します。

施工計画について

今回のリニューアル工事は、延べ3年間、3期に分けて行いました。

まず、Ⅰ期として学園の中枢部である中央棟(職員室、事務室、特別教室、小講堂)、続いてⅡ期に東棟(一般教室、特別教室)、Ⅲ期に 西棟(一般教室)の順番で進める施工計画としました。

工事期間中、使用出来ない普通教室や特別教室の替わりとして、校庭に仮設校舎(A・B)を建て、それらを利用して学園生活を継続しました。

この施工計画における大きな特徴は、「居ながら®」リニューアル工事です。

図版:全体計画図

全体計画図

鎌倉学園における「居ながら®」リニューアル工事とは

「居ながら®」リニューアル工事とは、通常通りの学校運営を継続し、授業や部活動の妨げにならないように工事を進めることです。

鎌倉学園では数多くの学校行事が行われ、入学式、卒業式、学園祭では、生徒及び教職員に加えて保護者や来園者の方々が多数学園にお見えになります。これらの方々が安心してそれぞれの行事を楽しみ、また、生徒さんが授業や部活に集中して取り組めるように、細心の注意を払いながら工事を進めました。その一部を、次にご紹介します。

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「居ながら®」工事の注意点

  • 安全面の配慮から「接触事故・災害の防止」が不可欠ですので、生徒及び教職員(約1400人)の動線の把握
  • 学園生活エリアと工事エリアを明確に分割し、防じん性や安全性を確保する為の間仕切壁を採用
  • 工事に起因する騒音、振動、異臭、粉じん等が学校運営の妨げにならない様に、作業内容や工事時間帯の調整
  • 工事進捗に伴い間仕切壁の位置などが変更になった際は、環境委員会や職員会議に同席して工事計画ならびに変更点について説明を行うと共に、変更地点には案内図を掲示し視覚的にも伝達に努める
  • 学園および周辺地域において行事等がある場合は、周辺交通量の増大が予想されるので、工事車両による資材等の搬出入計画を改めて再確認を行い、学園内、学園周辺地域における事故・災害発生の未然防止に努める
  • 総合環境委員会(学園様と鹿島の工事の連絡会議)を隔週で開催し、学校側の課題やニーズの確認、工事の進捗と今後の工事予定の報告を行い、学校生活を妨げる計画になっていないかを再確認する

学園のご要望に応える

リニューアル工事に当たり、学園からのご要望がいくつかありました。

  1. 外観を刷新したい

    タイル仕上げへ変更し、従来行っていた再塗装の更新が不要となりました。先生方と検討しながら選んだタイルは、重厚感があり学園のイメージのふさわしいものですが、タイルの重量が増えてしまったため、既存建物に負担がかかることが判明しました。既存杭への荷重負担や躯体の脆弱性に対応し、外壁内外のモルタルを削り取ることにより増加した荷重を相殺しました。

    図版:厚さ約3cmの重厚なイメージのあるタイル

    厚さ約3cmの重厚なイメージのあるタイル

  2. 図版:力強いモノトーンの外観へと一新

    力強いモノトーンの外観へと一新

  3. 教室の壁などの塗り替えを少なくしたい

    塗り替えてもすぐに汚れてしまっていた教室の壁を、全面化粧メラミン仕様仕上げに変更したことで、汚れた際に繰返し行っていた再塗装の更新が不要となりました。

  4. 廊下等共用部の結露を防ぎたい

    湿気の多い環境であることから、共用部の壁を躯体直仕上げから軽量下地組の乾式壁仕様に変更することにより、壁面結露を低減することができました。

これらの対策により、施工後の良好な教育環境の実現と維持管理のコスト低減を可能としました。

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最新のシミュレーションツールを活用した工事内容の説明

学園様と内装仕様などの打ち合せの際に、従来からの図面上での検討に加え、3Dパースや、BIMを活用した動画を活用して説明しました。これにより、リニューアル工事後の完成形のイメージや工事内容が視覚的に解りやすいと好評でした。

※BIM: (Building Information Modelingの略称)3次元上で建物を組み立てていく手法

図版:動画の一例:美術教室

動画の一例:美術教室

施工チームから:

学園のイメージを刷新した重厚な佇まいとなった外観は、学園関係者のみならず、ご近隣の方々や観光客からも大変好評を頂いております。また、入学式、卒業式などの学園行事では、リニューアル工事後の校舎を背景に嬉しそうに記念写真を撮影する生徒さんとそのご家族を見かけると、施工者としても嬉しく思います。

最後になりますが、鎌倉学園様や隣接する建長寺様には工事に際し大変なご協力をいただきまして、ありがとうございました。
感謝申し上げます。

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