アワモル工法®
長距離ガスパイプライントンネルの中詰め材料及び施工技術
近年、天然ガスの安定供給体制を整えるべく、ガスパイプラインの延伸、ネットワークの構築が進められています。ガスパイプラインのトンネルとガス管の間には中詰め材としてエアモルタルなどが充填されますが、シールドトンネルの長距離化が進み、立坑なしで数kmに及ぶパイプラインの構築が増加する昨今、エアモルタル自体を圧送する従来の工法では、長距離圧送によって気泡の消失や材料分離が生じるなどの課題が出てきています。
そこで、長距離を安定して圧送し、確実にガス管の周囲を充てんする合理的な中詰め材料及び施工技術である「アワモル工法®」を開発し、これまでに約200,000m3を実施工に適用しました。
特許登録済

ガスパイプライントンネル内でのアワモル充てん状況
(東京ガス 中央幹線工事)
- キーワード
- アワモル工法、アワモル、エアモルタル、中詰用発泡モルタル、小口径シールド、長距離圧送、工期短縮、ガスパイプライン、パイプルーフ
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従来工法との比較
従来のエアモルタル工法は、地上プラントで製造したエアモルタルを打設位置までポンプ圧送することが主流でしたが、圧送によるエアモルタルの品質低下を防ぐには、圧送距離2~3km程度、空気量は50%以下までが限界でした。
しかし、ガスパイプラインに用いる中詰め材には、ガス管表面の塗膜温度上昇を抑制する硬化熱抑制とともに、万一ガス管からガスが漏洩しても検知可能な高い透気性を求められる場合が多く、長距離圧送とこれらの要求品質を両立させることは困難でした。
鹿島は、長距離圧送に伴う上記の課題を解決するために、地上からベースモルタルと気泡剤を別々に圧送し、打設位置で起泡剤を発泡させ、ベースモルタルと混合する方式を採用しました。また、空気量70%レベルでも材料分離がしにくい材料及び起泡混合を安定化させる施工設備の開発を同時に行うことで、「アワモル工法」を完成させました。
本工法によるこれまでの長距離圧送実績は最大6.7km(中部電力 伊勢湾横断ガスパイプライン工事)です。

アワモル工法の概要図
特長・メリットココがポイント
高い透気性
特殊な起泡剤を用いることで、従来のエアモルタルよりも高い透気性を付与することが可能となりました。
- 連続気泡を構成することで、透気係数1.0×10-1cm/sec以上を確保し、漏えいしたガスをいち早く検知装置まで透過させることが可能です。
- 材料分離抵抗性が高く、圧送や流し込みによる気泡の消失を抑制できます。

連続気泡による高い透気性の付与
硬化熱の検証
実施工に先立ち、温度解析によってトンネル内の温度を高い精度で予測できます。
- 中詰め材料の硬化熱によるガス管の伸びやガス管塗覆装への悪影響が懸念される場合、事前にトンネル内の温度をシミュレーションできます。
- 中詰め材料の配合を調整することで、硬化熱を抑えることも可能です。

内径2mのシールドトンネルにおける温度解析例
適用実績

中央幹線Ⅰ期シールド内配管
場所:東京都江戸川区~埼玉県草加市
竣工年:2008年8月
企業者:東京ガス
発注者:日鉄パイプライン
規模:東京ガス中央幹線(ガスパイプライン)のトンネル中詰め トンネル総延長23.1km
トンネル内径2,000mm
アワモル打設量86,250m3
アワモル最大圧送距離6.3km

9号京都西立体千代原トンネル
場所:京都府京都市
竣工年:2010年3月
発注者:国土交通省近畿地方整備局
規模:国道立体交差化工事のパイプルーフ鋼管中詰め パイプルーフ延長150m
パイプルーフ計813~1,016mm
アワモル打設量2,820m3
学会論文発表実績
- 「エアモルタルによる最長6.3㎞のガス幹線シールド中詰め材料の開発と施工」,土木学会,トンネル工学報告集第18巻,2008年11月
- 「長距離パイプルーフ鋼管中詰め工へ適用した特殊エアモルタル工法」,土木学会,第64回年次学術講演会,2009年9月
- 「超長距離圧送を可能としたトンネル中詰用発泡モルタルの基本特性 ─アワモル工法の開発─」,鹿島技術研究所,年報第60号,2012年9月